民進党が分党すれば連合も分裂か 比較的まともな民間企業の労働組合と、共産支持の日教組と自治労に割れる

2017年9月1日に民進党の代表戦が行われますが、もはや前原誠司氏で確定したかのように報道されています。

民進党は1日、東京都内で開く臨時党大会で党代表選の投開票を行う。前原誠司元外相(55)が優位に立っており、枝野幸男元官房長官(53)を引き離し、新代表に選出される見通しだ。低迷する党勢を回復するための挙党態勢の構築や、蓮舫代表が進めた共産党との共闘路線の見直しなどが今後の課題となる。

前原、枝野両氏は31日、態度未定の国会議員らに電話で支持を訴え、票の上積みを図った。夜にはそれぞれ支援者を集めた決起集会を国会周辺で開いた。

代表選は国会議員(142人)と国政選挙の公認内定者(127人)、地方議員、党員・サポーターの投票をポイント制で争う。

党関係者らへの取材によると、前原氏が国会議員の7割にあたる約100人の支持を取りつけ、約35人の枝野氏を圧倒している。公認内定者の半数強も前原氏に傾いているもようだ

総ポイントの約半数を占める地方議員と党員・サポーターに関しては、国会議員票ほどの大差は開いていないとみられる。ただ、前原氏の優勢は揺らいでおらず、枝野陣営は労働組合の組織内議員らを通じて追い上げを図っている。

産経新聞 http://www.sankei.com/politics/news/170831/plt1708310049-n1.html

ほぼ前原誠司氏で確定のようです。

実は前原氏になっても枝野氏になっても自民党にとっては扱いやすい代表になります。

前原も枝野も感情的にならず論理的に反論する職業病体質なので日本政府や自民党にとってくみしやすい

岡田克也氏が代表に選ばれた当時、菅官房長官は歓迎していました。「岡田さんが議員になった頃から注目していた。非常にものわかりのいい人なので建設的な議論で切磋琢磨していきたい」という歓迎です。

実際に自民党内にも「蓮舫のような新顔より、岡田氏のような古顔の方が選挙で闘いやすい」と歓迎論がでていました。

岡田克也は2016年参院選後に辞任してしまい蓮舫が代表になったわけですが、蓮舫のように「論点のすり替えをする」「感情的に発狂する」ような更年期障害のババアのようなものはそもそも会話が成立しないので議論になりません。こういった人物は本来国会議員でないなら精神病院に意地でも押し込んでおくべきものです。

幸いなことに、蓮舫のおかげで民進党の支持率は8%未満の低空飛行を続け、自民党がグダグダになっても内閣支持率は40%台を維持して自民党支持率も35%を維持するという「敵失」を演じてくれました。

蓮舫のようにヒステリックに喚き散らすタイプでありかつ、蓮舫が民進党の支持を上げてしまうような人物だったら蓮舫は脅威でしたが、民進党の支持率を上げられなかったことは自民党にとって幸いなことでした。

そして今回の民進党代表戦では、前原誠司と枝野幸男というどちらになっても自民党にとって好ましい人物しか立候補していません。

蓮舫や辻元清美や山尾志桜里のような羊水の腐ったキチガイババアよりかなり与し易いでしょう。

前原誠司はしっかり論理的に批判する人な上に、既に離党した長島議員に次ぐ民進党No2の軍拡論者でした。長島議員が離党したので事実上民進党筆頭の軍拡論者といっていいでしょう。

そして枝野幸男氏はかなり扱いやすい人物です。彼は弁護士なので、論点のすり替えというタブーをつかわない傾向にあります。また法廷では「”ある”と主張するほうが立証責任を負う」というのが常識なので、森友学園や加計学園の議論のときによくでてきた「”ない”ことを証明することは悪魔の証明なのでできない」というのをものすごく痛いほどわかっているのが枝野氏です。

こういった論理の基本、理屈が通用する人物は非常に扱いやすいといえます。

また枝野氏は真面目すぎるが故に、煙に巻いて逃げるようなことが性格としてできない人物です。

安倍首相「殺人や強盗や窃盗や盗聴を行った革マル派活動家が影響力を行使しうる、指導的立場に浸透しているとみられる団体から、枝野氏は約800万円の献金を受けていた」

枝野氏「私は、首相も社会的な存在として認める連合(日本労働組合総連合会)加盟の産別とはお付き合いをしているが、そうした所の中にいろんな方がいる…」

余裕たっぷりの安倍首相とは対照的に、枝野氏の表情が一気に青ざめた。枝野氏は「(政府・与党と付き合いがある)経済団体の中に、犯罪行為を犯す企業が加入しているケースもある。だからといって経済団体の幹部と会わないのか」と反撃を試みたが、劣勢は明らかだった

精いっぱいオブラートに包んだ「いろんな方」という表現に与党側からは失笑が漏れ、ネット上では「安倍首相も大きく成長した。まさか革マル発言で追い込むとは思わなかった」との“称賛”の声も起きた。

安倍首相、衆院予算委で枝野氏とバトル “革マル発言”まで飛び出し…
衆院予算委員会は30日、安倍晋三首相らが出席して「政治とカネ」問題などの集中審議を行った。論客として知られる民主党の枝野幸男幹事長が論戦を挑んだが、自身の政治資金収支報告書の記載漏れに加え、左翼過激派「革マル派」が浸透している団体からの献金問題を引き合いに大反撃され、タジタジに。安倍首相の矛先は宿敵である朝日新聞にもお...

これは衆院予算委員会で、安倍首相から「枝野氏は、革マル派がからんでいる団体から献金を受けている」と暴露されたときのやりとりですが、この枝野氏の非常に論理的な反論をみてみてもまじめな性格がよくわかります。要は自民党を支持している経団連にも犯罪を犯す企業が加盟しているのに、なぜ枝野氏のような労働組合側だけ非難されなくてはいけないのかという、論理的にはかなりの正論なのですが、人間は心象を重視する感情で動くものなので、このような論理的な返しだけでは苦しくなるわけです。それでも弁護士のような人物はこのように返してしまうのが一種の「職業病」だと言えるでしょう。

発狂する精神病患者としては小西洋之議員がいますが、枝野氏や前原氏はそれからまったく程遠い人物です。しっかり理屈で論理的に批判してくるタイプは自民党としても楽でしょう。

民進党に残る保守派にもデメリット、出て行く左翼にもデメリット

前原代表が誕生すれば、執行部は保守色が強くなるでしょう。そうなると左翼系議員が出て行く側になります。

しかし民進党に残る保守派にとってはそこまで良い話ではありません。なぜなら旧民主党、民進党という負の遺産を背負ったままになるからです。

その点においては、出ていくことになる左翼系議員の方がまったく新しい政党を作ることになるのでイメージはよくなるでしょう。いわゆる「本家より分家のほうが栄える」というものです。

でも出て行く側にとってもいい話ばかりではありません。

なぜなら民進党は、民間企業の労働組合と、地方公務員のうち教員で構成される日教組と、都道府県庁・区市町村役所の職員で構成される自治労の3つがゆるく結びついている連合によって支えられているからです。

民進党の蓮舫のような左翼系が出ていけば連合から日教組と自治労が離脱濃厚

連合の中で、民間企業の労働組合で組織されている総連はまともな方です。連合のうち7割程度の勢力をほこり、事実上連合は民間企業の労組に支えられているといってもいいでしょう。連合会長の神津里季生氏も東大卒後に新日鉄に入社した人物です。新日鉄は旧八幡製鉄であり、八幡製鉄事件という有名な憲法判例があることからもわかるとおり共産党が大嫌いな保守系企業です。また電力総連も抱えているので原発が廃止されると失職する原子力技術者がでないように原発維持を推進しているのも連合です。

連合の中で少数派なのが日教組と自治労という公務員で組織される団体です。この2つの団体は毎年会員数が減っています。つまり斜陽です。

もし日教組と自治労が「前原誠司のような軍拡論者を支持するのなら連合から離脱する」と言って出て行くとしたらしめたものです。自民党の二階俊博幹事長が公明党に対して「出ていけるもんなら出て行け」突き放したのと似ています。

日教組と自治労は少数派にすぎないので、民進党から離脱した小西洋之のような左翼系議員が神道を作ってもたいして議席を伸ばせないでしょう。

それよりも連合に残った民間企業の労働組合総連が、前原誠司に近い議員を当選させて保守系議員を増やしてくれたほうが自民党にとっても「日本語が通じる相手」が増えるので好ましいことです。