日欧EPAの大筋合意間近 早ければ2017年秋招集の臨時会で批准 国会閉会中のため日本政府を追求できない農協グループ

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日本とEUとの経済連携協定(EPA)の大筋合意が間近です。日本とチリのEPAは2015年に妥結しましたが、既に発効した比較的大きなEPAとしては日豪EPA以来となります。

日欧EPAではワイン関税を撤廃することになりそうです。

ワインについてはオーストラリア産のワイン関税が2021年に撤廃されます。これは日豪EPAで合意された内容です。

そしてその恩恵を受けて、オーストラリアは日欧EPAが発効した2014年から2016年の間に、対日ワイン輸出を12%増やしました。

EUが日欧EPAに積極的になる理由もわかります。オーストラリアでさえ短期間の間にこれだけ輸出を増やしたのですから、欧州諸国のワインだったら米欧崇拝が行き届いてる日本で歓迎されます。

そして日本側のメリットとしては、EUがかけている日本車に対する関税は段階的に撤廃される予定です。

ここでも自動車 v.s. 農業の構図があります。自動車メーカーの幸福は農業団体の不幸であり、逆もまた成り立ちます。

どちらを優先すべきかは自明です。外貨の稼ぎ頭である自動車メーカーを優先し、国からの補助金頼りの穀潰しでしかない農業団体を無視するのが正しい自由貿易交渉です。

日欧EPA交渉がスムーズなのは英国EU離脱とTPPというベンチマークがあるおかげ

日欧EPA交渉はEU側の強硬姿勢のため漂流必至でした。

しかしその態度が変わり、態度急変の契機となったのは英国の国民投票でEU離脱が確定したことです。

これによりEUは、EU加盟国がEUに残るメリットを増幅させるために、法令遵守が行き届く先進国の中で米国に次ぐ世界第二位の市場である日本とのEPA交渉に積極的になりました。

シナと違って日本は約束を反故にしませんから、経済連携協定の締結先として手堅いわけです。

日欧EPA交渉が急に進展したもう一つの要因はTPPの存在です。TPPは既に合意水準が公表されています。米国抜きのTPP11では、医薬品の知的財産保護期間が短縮されますが、関税に関する条項は現状維持となりました。

そうなるとEUとしてはTPP以上に成果を勝ち取るか、TPPより劣った自由化にとどまるかといった一種のベンチマークとしてTPPが活用されることになります。

交渉は片方が一方的勝利を収めることはほぼありませんから、結局はこのTPPというベンチマーク水準に落ち着くことになります。

EU側の交渉官は「TPPと同じ水準まで勝ち取ることができた」と成果を持ち帰ることができますし、日本側としても「TPPレベルの自由化に留めることができ、TPP以上の譲歩はしなかった」と言い訳が立つことになります。

自民党公明党は勿論、TPP推進派の維新も賛成するため共謀罪法と同じく圧倒的賛成多数で日欧EPAは批准される

条約の批准は衆院の出席議員の過半数の賛成で可決することができるので、自民党だけで衆院の過半数を圧倒的に超えている現状では自民単独でも日欧EPAを批准させることが可能です。

公明党の支持母体は農業団体ではありませんし、日欧EPAに反対する理由がありません。公明党も日欧EPA批准に賛成するでしょう。

また日本維新の会は自民党や公明党以上に自由貿易推進派です。間違いなく日欧EPAに賛成するでしょう。

そうなるとこれは共謀罪法が成立したときのように、自民公明維新の3党が賛成することになるため、衆院の3/4近くの賛成が得られることになります。

一方で、最近農協グループの機関紙である日本農業新聞に大きく持ち上げられている民進党の蓮舫代表は確実に反対しますし、”アンチ自民党”が教義である共産党も当然反対します。

弱い欧州になると日本が有利になる典型例

本サイトでは何度も言及していますが、欧州諸国のコンプレックスは2つあります。

一つ目がロシアの軍事的圧政であり、このロシアの存在から開放されたいというコンプレックスを常に抱えています。

もう一つが日米に世界経済の主導権を握られていることです。その中で欧州諸国が埋没しないように仕方なくEUを結成したという歴史的経緯があります。

現在、この2つのコンプレックスは増大していると言えます。欧州諸国にとってロシアの脅威が増して、さらに経済的に弱くなればなるほど日欧EPAに前のめりになってくるのは当然です。今は日本にとって日欧EPA妥結のチャンスになっています。

2017年の常会は会期延長せず 実質2017年6月16日で閉会 農協があれこれ騒ぐことは国会閉会中に進めるのが得策

2017年1月に招集された常会は、2017年6月16日(金)で既に事実上閉会しています。

これによって野党は日本政府を追求する場を失ってしまいました。特に予算委員会についてはテレビ局のカメラが入るため、日本政府を追求していると野党がアピールする格好の機会となります。予算委員会で予算と関係のない加計学園の話ばかり持ち出してくるのは予算委員会はテレビで中継されるからです。

しかしこの手法は国会が閉会したことで通用しなくなりました。秋の臨時会が招集されるまでは日本政府は好き勝手できます。

この間に農協が嫌がる交渉をゴリゴリ推し進めて妥結まで持っていくことが重要です。妥結してしまえば、それは国家間の約束なのですから反故にできません。それを破ったら南朝鮮と同じになってしまうからです。

日欧EPAでワイン、乳製品、豚肉農家が潰れても別に困らない コメほどの安全保障上の脅威にはならない

日欧EPAは食糧安全保障上も受け入れやすい自由貿易協定です。

EU側が関税撤廃を求めているのが、ワイン、チーズなどの乳製品、豚肉です。これらは日本国民の生存のために死活的に重要だと言えるでしょうか。

これらは近代化以後に食卓に上ったものであり、日本で自給自足しなければならない重要度は低いと言えます。

むしろ逆に、ワインのようなアルコール飲料は確実に発がん性を高めると、発がん性認定にはとても慎重である厚生労働省でさえも認めています。

また乳製品は前立腺がんの発症確率を高める有意な結果がでており、また豚肉などの動物性脂肪も健康上好ましくないどころか、仮に豚肉がない方が健康寿命を伸ばす上では好ましいと言えるでしょう。

安全保障上重要なのがコメであり、コメ農家を壊滅させることになる協定だったらさすがに国民も慎重になると思いますが、日欧EPAでコメ農家が潰されることはありません。

日欧EPAは食糧安全保障面からも非常に受け入れやすい協定だと言えます。

日欧EPAが大筋合意すると焦るのは米国 日米FTAが一層本格化

TPP交渉は日本がオーストラリアと日豪EPAを妥結させたことによって膠着状態を打破して交渉が進みだしたのは有名です。オーストラリアが日本市場相手に牛肉販売で有利になるので、同じく牛肉を売りつけたい米国としては黙っていられなかったわけです。

さらに日欧EPAが妥結するとなったら、米国の日本市場に対するアクセスは益々劣勢になっていきます。

米国は日米FTAの交渉を急いでくるでしょう。

日米FTAも日欧EPAのように、自動車 v.s. 農業の構図になります。

TPPと違って、FTAでは国民皆保険の話は入ってきません。これは米国と南朝鮮のFTAでも、国民皆保険は対象外と明記されているので、同じく日米FTAでも国民皆保険の話は入ってきません。このことから日本医師会などはTPPのときのように文句を言ってこないでしょう。

そして著作権の非親告罪化の話もはいってきません。これで漫画家などが口を出してくることもなくなります。

そして日米ともに製薬メーカーを抱えていることから、医薬品の知的財産保護期間の話も入ってきません。これで自民党の職域支部である薬剤師団体がうるさく言ってくることもなくなります。

そうなると結果的に一人負けになるのは農協グループと個人農家だけです。

農協は自分達だけが「反TPP」と騒いでも、一般国民から「結局反対してるのは農協だけ」とそっぽを向かれるので、「TPPで国民皆保険廃止」などありもしないことをでっちあげる情報工作をおこなっていました。

しかし今回はそのような嘘の喧伝は通用しません。完全に日米FTAは自動車業界と農業団体の綱引きです。

日欧EPAではコメが対象になっていないので、農協グループは形だけの反対をするでしょう。しかし日米FTAではコメ関税が対象となるので猛反発するのは確実です。

とりあえずさっさと日欧EPAとTPP11を発効させて、残りは日米FTAだけに集中する環境を作ることになります。

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