安倍首相、12月26,27日にオバマ大統領と真珠湾へ 現職総理としては初訪問

安倍首相が現職の内閣総理大臣として初めて、米国ハワイ州オアフ島にある真珠湾を訪問することが決定しました。沈没した戦艦アリゾナの上にある慰霊施設でオバマ大統領と一緒に訪問するようです。

1941年12月8日(日本時間)に真珠湾攻撃が決行されてから、今年は75年目になります。

12月8日にははじめて日米共同で開催される慰霊祭もあります。今までは米国側のみで行ってきたものです。これが75年目という節目で実施されるので、それに合わせていまのタイミングがベストだと踏んだのでしょう。しかし12月8日に行ってしまうと、これは米国政府主導の催しではないため安倍首相は「謝罪しろ」のヤジにあってしまう可能性があります。よって27日と日程をずらすことによって、米国政府主導で厳選した出席者のもとで静かな雰囲気で政治問題化しないようにしています。

さらに訪問は安倍首相が自発的に決断するべきだと、2016年11月21日にペルーのリマで行われたAPECでの日米首脳会談でオバマ大統領から言われたようです。オバマ大統領の広島訪問も、日本政府がお願いしたものではなく、あくまでもオバマ大統領が自発的に決断したものでした。同様に、米国政府からの強制で安倍首相が真珠湾を訪問したのでは意味がなく、自らの意思で誰にも強制されることなく安倍首相が決断することをオバマ大統領は期待していたようです。

先行き不透明なトランプ政権になる前に、安定性の高いオバマ政権の間にできる実績はすべて実現させておいた方が得策との考えもあると思います。

70周年という節目でやっておくこともできたでしょうが、5年前は民主党の野田佳彦政権だったので、そのようなことができるわけがなかったということです。

トランプ氏からの叩きネタを前もって潰しておく

トランプ氏は何か叩きネタを探してそれを徹底的にやり玉にあげるという手法をとってきます。日本の農品目関税が高いこと、それなのに米国の自動車関税は低いことなどです。さらには為替操作など、日本が突っついてほしくないアキレス腱を徹底的に叩いてきます。

もし日本批判が高ずると、最終的には真珠湾攻撃に言及されてしまいます。大統領がこれを持ち出して日本批判を始めたら、日米同盟は決裂寸前まで行ってしまいます。

それを前もって封じておくのは良い策です。米国の現職大統領による広島訪問は実現したし、日本の現職内閣総理大臣による真珠湾訪問が実現したら、双方からこれについてとやかく言う人は多数派ではありません。

シナの「パールハーバーを思い出せ」論法も弱体化

シナの外務省はオバマ大統領の広島訪問のときにも、「真の敵は我が国(シナ)ではなく、日本だ。パールハーバーを思い出せ」と米国に呼びかけていました。

南は慰安婦問題、シナは南京で日本を叩きますが、米国ならそれは真珠湾攻撃だということです。でも逆に考えれば、真珠湾の問題さえ解決すれば米国から日本への叩きネタは貿易摩擦くらいになります。

安倍首相とオバマ大統領が真珠湾を訪問することはシナが嫌がるものになることは確実です。

保守派からは反対の意見が上がる可能性があるが、支持率アップと実績づくりにはもってこいのネタ

首相の真珠湾訪問について、真珠湾攻撃のように米国に宣戦布告した上での米軍基地への攻撃と、広島や長崎のように軍人でない一般市民への無差別攻撃を同列で扱うことになり、好ましくないという意見があります。

特に歴代内閣総理大臣はこのパールハーバー訪問を意識的に避けてきました。下手に謝罪すると日本からは宣戦布告した上で軍人への攻撃なのになぜ謝罪なのか、むしろ一般市民を巻き込んだ原爆投下の謝罪が先だと批判される恐れがあったからです。逆に謝罪しないと米国民からは「謝罪しないのに来るな」とこれまた批判され対日感情を悪化させます。あえて触れるメリットがないのですから避けてきたわけです。

この意見はオバマ大統領の広島訪問実現の際、産経新聞の社説にも出ていましたし、米国側の意見としても、米国民からは歓迎されるだろうが真珠湾訪問はしないほうがいいという意見があります。

ですがこのような訪問は日本国内の大方の国民に対しては受けがいいと言えます。世論調査を実施すれば8割以上が好意的に回答するはずです。

衆院解散総選挙にプラスにするならすぐ解散しないと効果が持続しない

オバマ大統領の広島訪問のときにも安倍首相が言っていたようですが、2016年5月27日に広島訪問が実現したところで、7月10日の参院選投開票への好影響については「そんなの2週間ももたないよ」と冷静だったようです。

もって2週間というのは妥当でしょう。絶対1ヶ月も持ちません。

2012年の解散総選挙では、2012年11月16日に民主党の野田佳彦首相が解散し、12月16日に投開票でした。解散から投開票日まで1ヶ月はかかるので、さすがに真珠湾訪問が終わってから時間がたってから解散では効果は持続しないでしょう。

トランプ政権が発足する1月20日までに投開票日を終えないと、トランプ大統領との早期会談のチャンスを逃してしまうので、2017年1月に解散がなかったら2018年12月まで解散はないと言えます。