衆院区割変更、自民が公明に譲っている小選挙区9議席を自民に取り戻す強硬論の火種に

衆院区割り変更はトータルで見ると自民党にとってプラスです。

今回の区割り変更は小選挙区よりも比例の方が削減率が高く、小選挙区で勝てるほどの支持層がいないマイノリティ政党にはとても厳しいものになっています。

比例については公明共産社民というマイノリティの弱小政党が苦しむだけなので別にかまわないということです。

比例の方が削減率が高いため大政党の自民民進に有利であり、弱小政党の公明共産社民には不利

小選挙区と比例の議席割合は現在2:1になっています。

その比率に従うならば、議席削減比率は6:3であるべきです。

しかし今回の区割り変更では小選挙区は0増6減。比例は単純に4減になり、削減比率は6:4になっています。

つまり6:4が意味するのは比例の方が削減率が高いということです。

小選挙区で当選できるのは自民党か民進党か日本維新の会だけです。共産党はあれだけ今勢いがありながら沖縄1区のたった1議席のみ。公明党も自民党に選挙区を譲ってもらえないと共産党レベルの議席数しか取る能力はありません。

比例はこの調子でさらに削っていって欲しいと思っています。

6減で追い出された議員の行き場所 答えは簡単であり、公明党に明け渡している9選挙区に自民候補を立てるだけ

小選挙区の0増6減は自民党、民進党、日本維新の会、そして小沢一郎にまで飛び火しています。逆に、共産党や社民党にはまったく関係のない話しだと言えます。

支持者が少ないゆえに毎回獲得議席数がしょぼい公明党も弱小政党のため小選挙区の削減には無縁と見えますが、実は公明党が現在獲得している9つの小選挙区は自民党があえて候補を立てていない空白区なのです。

つまり自民党と険悪になれば、自民党は今公明党議員がいる選挙区に自民党公認候補を擁立してきます。そしたら公明党候補の敗北は確実です。支持者の数が文字通り”一桁”違うからです。自民党支持率が42.5%、公明党支持率が3.4%どちらが勝つかなんて小学生でもわかります、なんて言ったら小学生に失礼なレベルで自明です。

0増6減で追い出される議員は自分の居場所を失うことを意味するのですから、こういった人たちは好戦的な強硬論を唱えてきます。それが「公明党ごときに選挙区を渡す必要はない」というものです。9つも選挙区があるのですから、まだまだ自民党議員の受け皿は大量にあります。

最近共謀罪やら、トランプ大統領のシリアミサイル攻撃命令やら、北朝鮮情勢などで、公明党が主張する”護憲”、”平和の党”なんて言葉は鼻で笑うしかないレベルで馬鹿げていると国民は気づいており、それが世論調査で憲法改正賛成派過半数、反対派はたった30%という結果に表れています。

そしてここで小選挙区の区割り変更。ここまで自民党との関係がこじれる要因が次から次へとでてくるのは時代の潮流というほかありません。何かに蓋をしても、また自民党と公明党の関係がこじれる要因が新たに続々と出てきます。金融市場の世界では、「時代の流れに逆らうことほど馬鹿な行動はない」と経験則が教えていますので、公明党におきましてはこれからもどんどん流れに逆らって欲しいと思っています。