蓮舫民進党代表がまさかの比例単独1位出馬 海江田万里氏でさえ小選挙区

もう民進党が何をしでかしてきても驚かないレベルまで劣化しつつありますが、またもや予想の斜め上をいく報道がありました。

民進党の蓮舫代表が衆院解散総選挙が行われる暁には、現在の参議院議員から衆院議員に鞍替えするとは以前から言われています。

それは歓迎すべきことです。なぜなら内閣総理大臣は衆議院の解散権を持っていることから、解散して失職しない参議院議員が内閣総理大臣を務めるのは三権分立の観点から不合理だからです。

問題なのは、本来党代表というのは兵を率いるリーダーとして小選挙区単独で出馬するものなのにもかかわらず、比例単独1位という何もしなくても誰でも当選できる逃げてる形で出馬しようとしていることです。

2014年衆院選では安倍首相も、維新の党の江田憲司代表も比例重複を辞退し小選挙区のみの出馬だった

安倍さんは比例重複せずに小選挙区単独で2012年も2014年も立候補していました。

また2014年の衆院選では維新の党(当時)の江田憲司代表も比例重複を辞退し、小選挙区のみで神奈川第8区から立候補していました。理由は同じ政党に所属してる他の立候補者に示しがつかないからです。

このように党のリーダーは自らの退路を断ち、他の立候補者の士気を上げるということを普通はやります。

「党の一番偉い人が比例重複せずに、小選挙区で落選したら議席を失うというリスクを負ってまで出馬してるんだから、比例重複させてもらっている自分たちが落ちるわけにはいかない」と士気高揚のために普通は党代表は比例重複を辞退します。

ですがそれをしなかった人が2014年衆院選に居ました。民主党(当時)の海江田万里代表です。

池上彰氏にも特番で「なぜ党代表が比例重複したんですか?」と突っ込まれた民主党の海江田万里代表

民主党の海江田万里代表は2014年衆院選で、東京1区(千代田区など)から立候補しました。

事前の情勢調査の結果は芳しくなく、民主党内部からも、「海江田氏の責任論も何も、本人が国会に戻って来られないだろう」と突き放される有様でした。

そして海江田万里代表は案の定小選挙区で落選することが開票速報で確定しました。

このとき、自民党本部に入ってきた安倍総裁が、本来は自分の山口4区の花つけを最初にやるのが通常なのにもかかわらず、まず最初に東京1区に立候補していた女性候補の当確の花付けをしたのです。その次に自身の地元山口県の選挙区の花つけをしていました。

これは「野党代表を落選させてやった」という明確な勝利宣言です。

そして恒例のテレビ東京の池上彰特番で海江田万里代表がインタビューに応じたときが非常に滑稽でした。

池上さんが「普通は党代表というものは比例重複せずに小選挙区単独でいくものですが、なぜあなたは比例重複しているのですか?」とものすごく痛烈な質問をぶつけていました。

海江田氏はあれこれ屁理屈をこねて返答していましたが、本音は「私の力では小選挙区で当選できないから」ということでしょうが素直にそうは言いませんでした。でも池上さんもそれをわかってあえてその質問をしたわけです。この当てこすりはさすが池上さんだと思います。

そして、小選挙区では落選確実となった海江田万里氏が比例復活なるかと皆が固唾をのんで見守る中、なんと菅直人氏に東京比例区の最後の議席を奪われて党代表の海江田万里氏が議席を失うという超展開になったわけです。

本来なら海江田氏が衆院選全体で負けた責任をとって辞任するつもりが、まさかの本人が国会に戻って来られないニート状態になってしまい、責任をとるもなにも自然に党代表をやっていられない状況になってしまいました。

海江田万里氏の二の舞いを防ぐために比例単独1位でいく蓮舫代表

蓮舫代表が最も恐れているのは小選挙区落選からの菅直人氏に比例復活を奪われてしまう展開でしょう。それを防ぐためには惜敗率の順で比例復活するのではなく、比例単独1位にして、菅直人氏の惜敗率に関係なく問答無用で当選する必要があります。民進党なら東京比例区で1議席以上確保できるのは確実ですから、比例単独1位で立候補すれば蓮舫氏は何もしなくても当選できます。選挙活動を一切やらずずっと休んでても当選確実です。

比例単独で立候補する人には、他の議員のために票を集めるための人と、逃げている人の2通りがある

まずありえないことですが、例えば橋下徹氏が比例単独で立候補したとしましょう。

このときあえて彼は比例単独の下位で立候補するはずです。

つまり集票マシンとして、客寄せパンダとして「私は比例下位で立候補しています。みなさんが比例で”日本維新の会”に入れてくれないと下位の私は当選できません。どうか比例は”日本維新の会”にお入れください」と橋下氏が活動するわけです。

そうすれば橋下氏より上の順位の議員は当選できるわけですから、リーダーは他の候補者のために比例単独で立候補していることになり、これはよい戦略だと思います。

ですが今回の蓮舫代表は全く逆です。地盤の東京都でさえも彼女に集票できるほどの人気はなく、むしろ日本全国の都道府県ごとの世論調査で、蓮舫代表を支持しないという率が最も高いのは紛れもない東京都なのです。

蓮舫氏は小選挙区で落ちるのが恐いから、小選挙区単独で立候補している自民党の代表である安倍総裁のようにはできません。

そこで一つ海江田万里氏みたいに妥協して、また池上さんにキツイ質問をされるのを承知で比例重複で立候補するとしても、海江田万里氏みたいに比例復活できず菅直人氏に議席を奪われるのがこわい。

だからもう比例単独1位という、どう転んでも落選しようがない方法で立候補しようとしているのでしょう。

面白いのは蓮舫氏率いる民進党本部が民進党の東京都連に比例単独1位をお願いしてみたら「代表は小選挙区でいくべきだ」と断られたようです。

これは完全に東京都連の言い分が正しいでしょう。比例単独1位で衆院選に出るなんて恥ずかしい党代表なんて見たことがありません。

あるとしても中曽根康弘さんのように、首相として一時代を築き大活躍して第一線から退いたあとに、もうご老体で選挙活動するのが大変だろうから比例単独1位で処遇するというときに使うものです。

まだバリバリ現役で元気に動ける年齢の蓮舫氏が、さらにこれから総理大臣を目指そうというときに比例単独1位なんてぬるいものを使おうとしている時点で呆れ返ってしまいます。

高須院長が言うように、もはや民進党は”ゾンビ政党”なのだということを感じさせられた報道でした。