「希望の党」が首相指名候補を明らかにできないのは安倍総裁を指名する選択肢を残しているため

希望の党が内閣総理大臣指名選挙での候補者を明らかにできないのは2つの理由が考えられます。

1.小池百合子自身が出馬するときまで明らかにしたくないから

2.自民が大勝したら自民党安倍総裁を指名し擦り寄りたいから

1.の選択肢は、小池百合子自身が実は出馬するつもりであるため、そのときまで内密にしておきたいというパターンです。

私がこの記事を書いているのは2017年10月9日(月)であり、公示日10月10日の前日です。各メディアのうち、ほんのごく一部のメディアが「それでもまだくすぶる小池出馬」と面白おかしく書いていますが、ほとんどのまともなメディアは「もう小池出馬はない」という結論に至っています。

立候補届出は10月10日の夕方17時までです。この時間までに小池百合子が立候補届を提出しなかったら、小池百合子不出馬が最終的かつ不可逆的に確定します。

希望の党の小池百合子は自民圧勝のときに安倍総裁を指名するつもりでいる

ありそうなのは2.のパターンです。自民との安倍総裁を内閣総理大臣指名選挙で希望の党として指名し、恩を売ることによっていくつかの政策で自民党の譲歩を引き出す思惑です。

自公でようやく衆院過半数を超えるレベルだったり、自民単独でギリギリ衆院過半数を超えるレベルだったら、安倍首相への揺さぶりとして安倍総裁以外の人物を指名する確率が高いです。

しかし、自民党単独ですべての委員長ポストを独占できる絶対安定多数を獲得したり、自民党単独で2/3を超える議席を獲得したとなったら小池百合子が擦り寄ってくる確率が高いでしょう。

そうはいっても、希望の党は安倍首相と自民党をあからさまに敵対視し真っ向から対立しているため、いくら後から小池が擦り寄ってきても安倍首相は譲歩したりしないでしょう。

「もはや関係修復は不可能」とされる石破茂レベルではないでしょうが、安倍首相と小池百合子の関係ももはや修復不可能なレベルまで来てしまっていると言えます。

ババア票が取れなくなるから選挙が終わるまでは「安倍総裁を指名する可能性もある」なんて絶対に言えない

希望の党としては選挙が終わるまでは絶対に「自民党安倍総裁を首相指名することも一つの選択肢」だなんて言えません。

そんなことを言ったら、世の中の安倍嫌いの20歳以上ババアからの「ババア票」が離れてしまうからです。

希望の党が票を獲得できるとしたら「ひたすら反安倍」。これしかありません。

男尊女卑政権である安倍政権が嫌いなババアからの「同じ女性として小池さんに入れたい」という頭の弱い票を獲得するのが希望の党の戦略だからです。

だから口が裂けても「場合によっては、自民党の安倍総裁に指名選挙で投票する可能性もある」なんて言えないわけです。

しかし実際に希望の党として安倍総裁を指名してしまったら、次の選挙では「安倍は許せない」なんて言っても説得力は失われ、絶対に希望の党は勝てなくなってしまいます。

でも私が以前から書いているように、小池百合子が希望の党を結党させ、前原誠司が民進党を事実上解党させたことは、「自民党を邪魔する野党という存在を壊滅」させるという歴史的大役を果たすためです。本人らは自覚はないでしょうが、国難である時代の要請としてこれ以上くだらない野党をのさばらせることはできないといった必然的な野党壊滅です。

だから希望の党は今回の衆院選で野党を壊滅させるという”天命”を果たすために生まれてきたものであり、その目的さえ果たしてしまえば勝手に消滅するでしょう。次の選挙のときには消えていてもおかしくないということです。