安倍首相のやらせではなく自然発生した軍へのスタンディングオベーション

安倍首相が2016年9月26日に招集された臨時会において衆院本会議場において所信表明演説を行いました。

その中で365日24時間命がけで任務にあたっている自衛官・警察官・海上保安官に、この国会の場から敬意を表そうと呼びかける場面がありました。

 

「現場では、夜を徹して、そして今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務にあたっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心から敬意を表そうではありませんか」

首相官邸のYoutube公式チャンネルが投稿している所信表明演説の動画を引用します。スタンディングオベーションが起きる直前の部分の時間から再生が始まるように私が設定しています。

 

官邸は手引きしていない 自民党若議員から自然発生的に起きた

野党はこのスタンディングオベーションは安倍首相率いる首相官邸が事前に根回ししていたものだと思っていたようです。

つまり安倍首相や側近から、「自衛官・警察官・海上保安官に敬意を表すからそのときにスタンディングオベーションをするように」と事前に自民党議員に伝えていたのではないかという野党の推測です。

しかし実はそのようなやらせはなかったことが明らかになりました。

自民党議員側としては何も知らされておらず、単に自然発生的にスタンディングオベーションが波のように起きたようです。

実際に動画を見ますと、前の議員がまず立ち上がって、それをみた後ろに座っている議員も順々にスタンディングオベーションをしている様子が見て取れます。

実は民主党も与党になった直後に調子にのって鳩山総理に対してスタンディングオベーションをしていた

当然野党はこのスタンディングオベーションを批判しました。自衛官や警察官や海上保安官が好きではない民進党や共産党ですから、このスタンディングオベーション自体をやり玉にあげたかったようです。

ですが今回のスタンディングオベーションは、安倍首相に対してスタンディングオベーションをしているわけではありません。

自衛官や警察官、海上保安官というまさに命がけの危険な仕事を24時間やっている人達に対する敬意としてスタンディングオベーションをしたわけです。

ですが実は民主党が2009年にスタンディングオベーションをしていたことが明らかになっています。2009年に民主党が行ったスタンディングオベーションは、民主党が与党になったことを喜んで自画自賛で行ったスタンディングオベーションであり、それは鳩山総理個人に向けられたものでした。こちらこそ個人崇拝の危険なものであると言えるでしょう。

自衛官・警察官・海上保安官は他の公務員と何が違うか

さて安倍首相は自衛隊・警察・海上保安庁に対して敬意を表して拍手をしました。

では彼らは他の国家公務員や地方公務員とは何が違い、どこが特別なのでしょうか?

その答えは、佐藤優さんの言葉を借りるなら、自衛隊員・警察官・海上保安官の方々は「国民に無限責任を負っている」ということです。

無限責任を負っているということは、いざというときは自らの命を犠牲にしなくてはならないということです。

普通の公務員ならそうではありません。エアコンの効いた涼しい部屋でキーボードをカタカタ打っている事務系の公務員は、もし今の築地市場豊洲移転問題のように問題が起こっても、謝罪して辞任すればそれで事が済んでしまいます。つまり有限責任です。

ですが自衛隊員や警察官はそうではないのです。何か失敗をすればそれは自らの命を失うことに直結します。だから自衛隊員・警察官・海上保安官は「無限責任」を負っているということです。

特に自衛隊員については、国家公務員法が適用される他の国家公務員とは違って、自衛隊法が適用されています。

自衛隊法では以下のような宣誓がある部分において、国家公務員法とは異なります。

事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います

これはつまり、国民の命を守るためには、もし自分の命が危険にさらされても自らを犠牲にし国民を守ります、ということの宣誓です。これは戦争のような戦闘状態に限らず、例えば脅されて機密事項を外国人に盗まれそうになったとき、国民の安全を優先して、自らの命を犠牲にしてでも絶対にそれを喋らないというものです。

最前列からスタンディングオベーションは始まった 若手議員ほど軍に理解のある保守派

国会議事堂の本会議場では、若手議員ほど前に着席し、ベテラン議員ほど後部座席に着席するローカルルールがあります。

前の方ほど緊張して座らなければなりませんし、学校のクラスでも後ろの席ほど人気なのと同じです。後ろの座席ほどゆったりできるものです。

 

今回好ましかったのは、スタンディングオベーションが最前列の自民党若手議員の議席周辺から発生したことです。

自民党若手議員が国会本会議場の最前列でスタンディングオベーションを初めて、それを見た後ろに座っている国会議員も「俺もやらないと」ということでスタンディングオベーションが拡散していったようです。

国民も国会議員も若手ほど自民党右派を支持している

自民党には右派から左派まで様々な主義主張を持った議員が居ます。

その中でも若手議員ほど保守的な色が強く、安倍首相を熱烈に支持しています。

そしてそれは国民も同じです。

18歳でも有権者として投票できるようになったことで、まだ高校在学中か高校を卒業したばかりで社会のことがよくわかっていない人なら、学校教育で左派に洗脳して自民党に不利な投票行動をさせることができるだろうと小中高の教員は考えていたようです。

でも実は10代は学校教育で洗脳されていませんでした。

10代ほど安倍内閣支持率が高く、特に男性は70%以上、女性でも60%以上が安倍内閣を支持していることが明らかになりました。これは全世代で最高です。

私ですら高校生の頃から朝日新聞の捏造のことは、ネット好きな高校の同期から知らされて知っていたくらいです。

結局のところ、ネットがない時代には学校の先生が言うことがすべてのような時代があったのでしょう。ですが今は学校の先生よりネットに書いてあることを信じる時代であり、テレビも見なくなっているわけです。

このように、若い国民ほど自民党支持率が高く、安倍内閣支持率が高いということは非常に好ましいことです。なぜなら人間は年をとっていきますから、自然と世代交代が進んでいくからです。

つまり時間が経てば経つほど日本の世論は右派になっていきます。

憲法9条改正は急いでやる必要はありません。自然とできる環境が整いますので、まさに「時間が解決してくれる」というものです。

今回の自衛隊・警察・海上保安庁への敬意の表明も、10年前なら野党に叩かれて内閣総辞職ものだったでしょう。それがまさかのスタンディングオベーションの自然発生です。まさに一時代が終わり、時代が変わったことを感じさせるものでした。