泉佐野市に100万円以上ふるさと納税したらお礼状が電報で届く 高所得者ほど得するふるさと納税の高額返礼品をなぜか低所得者ほど支持する無教養の怖さ

去年私は静岡県小山町にふるさと納税をしてAmazonギフト券を大量入手しましたが、今年は大阪府泉佐野市にふるさと納税をしてAmazonギフト券を大量入手する(予定)です。予定というのは届くのは7月以降なのでまだ実際に手にしていないからです。すでにふるさと納税(寄付)は完了しています。

当然ながら自己負担額2,000円の範囲内でふるさと納税しています。

静岡県小山町では寄付金控除用の領収書が届いたときにお礼の文言が書いてあるだけでしたが、泉佐野市はお礼状が単独で届いて驚きました。

まさかの電報で届く おそらく100万円以上の寄付者に送付している

電報なんて普段受け取らないので、電報が届いたときは一体誰からと驚いたのですが開けてみたら泉佐野市からとわかりました。

Twitterで検索しても電報を貰った報告は1件しかヒットしないので、おそらく100万円以上の寄付(ふるさと納税)者が対象だと思います。

私は他の自治体へのふるさと納税額を含めるとさらに何倍ものふるさと納税をしています。

泉佐野市にふるさと納税をしつつも、総務省の「2019年6月から新制度導入」判断を全面的に支持

私は総務省による内閣提出法として成立した「ふるさと納税で高額返礼品を法律で明確に禁止」の新制度を2019年6月から実施することを全面的に支持します。

ふるさと納税をして大量にギフト券を貰っておきながらと思うかもしれませんが、これがある程度の教育を受けてきた人なら当然たどり着く結論です。

低所得者ほど「小山町」や「泉佐野市」が提供するようなふるさと納税返礼品を支持する不思議 むしろ被害を受けるのは低所得者

ここでは100万円の寄付(ふるさと納税)の事例で流れを見ていきます。

まずふるさと納税というのは、泉佐野市に100万円寄付したら自分が住んでいる基礎自治体(区市町村)の住民税(区民税)と、広域自治体(都道府県)の住民税(都民税)が税額控除されます(簡単のため50万円控除されるとします)。同時に国税(所得税)も控除されます。(簡単のため49万8000円とします)。

寄付金控除制度には2,000円の自己負担分があるため、国税である所得税の部分は498,000円の税額控除額となります。

つまり泉佐野市や2018年の静岡県小山町への100万円寄付の40%に相当するギフト券40万円分と、現金2,000円を天秤にかけてどちらが得かを判断するのがふるさと納税です。

Amazonギフト券なんて全く利用しないという超高齢世代だったら2,000円を重視するでしょう。しかし、Amazonを多様する人からすると「たった2,000の自己負担額で40万円もアマゾンギフト券がもらえるのか」ということになります。

この場合のお金の流れは以下のようになります。

1.泉佐野市は100万円を受け取り40万円(ギフト券分)を差し引き60万円歳入が増える(決済業者に支払う手数料は考慮せず)

2. 住んでいる基礎自治体(港区)の住民税は30万円減る

3. 住んでいる広域自治体(東京都)の住民税は20万円減る

4. 国の所得税収は49万8,000円減る

しかしこれは国+都+区という行政機関からみたらゼロサムではありません。マイナスサムです。泉佐野市は60万円の取り分がありますが、住んでいる自治体は50万円のマイナス、国も約50万円のマイナスです。

なぜなら40万円分がAmazonギフト券として流出し、私人である私の手に渡っているからです。

このような制度は行政サービスの質を低下させ、そのしわ寄せは低所得者に来ます。

例えば生活保護は区市町村単位で行っています。校舎の建て替えもそうです。

また警察は都道府県ごとに採用しており、警察官への給与支払者は都道府県知事です。つまり警視庁職員の経費の財源は都民税です。都道府県の税収が減れば治安は当然悪化します。

さらには国こそ最後のセーフティネットであり、所得税といった国税からの歳入は「弱者の救済を担当している厚生労働省」への歳出に最も多く当てられています。防衛省の防衛費よりも厚生労働省のほうが圧倒的に歳出が大きく、国税の税収に頼っています。

ふるさと納税によりギフト券という形で税金が還付される反面、行政の税収は減り、その分だけ所得の再分配は鈍ります。結果的に格差は拡大します。

特に小中高の教育で公立を使うのは低所得者です。小中高の経費は税収を財源としています。税収が減れば当然ながらそういった行政サービスの質は低下します。ふるさと納税によって行政の税収が減ることで損するのは低所得者であり、高所得者はむしろ得をしています。

低所得者ほど「総務省の判断」に反発する反知性主義の滑稽 ふるさと納税制度には逆進性がある

高所得者が納めた税金を低所得者に配分するのは所得の再分配ですが、これは累進的な制度が機能している場合に可能です。しかしふるさと納税制度は逆進性があります。この逆進性は2019年6月の制度改正後も残ります。高額返礼品が禁止になったぶんだけ逆進性は少し弱まったものの、ふるさと納税制度は高所得者ほど得をし、低所得者ほど損をする逆進性は未だに残っています。なぜなら自己負担額2,000円で寄付できる金額の比率が高所得者ほど大きいからです。

総務省による静岡県小山町や大阪府泉佐野市の締め出しについて、これまでギフト券を貰ってきた人達の中には総務省を責め立てている人が多いです。Twitterで検索すると大量に出てきます。

特に自民党や安倍政権を支持できない左翼(貧乏)ほど総務省を批判する姿勢が顕著です。

しかし、そういった人達がどのくらいのふるさと納税をしているかというと、1万円を寄付して4,000円のギフト券を貰ったり、5万円を寄付して2万円のギフト券を貰っている程度なのです。

そのような低い金額に抑えているのは、所得が低い人は2,000円の負担額範囲内でふるさと納税をできる上限金額が低いからです。

最低でも100万円以上寄付して、一時所得の控除額50万円に収まるくらいのギフト券を得ないかぎりお得感はありません。返礼品は一時所得になるので、あまりにも大量にギフト券を受け取るとそれにも課税されます。一時所得の控除額は50万円あるので、返礼品のギフト券がちょうど50万円に収まるようにふるさと納税すると追加の税負担なくギフト券を受け取れてしまいます。

たとえ50万円を超過してしまっても、一時所得は(返礼品総額-50万円)×50%と計算するため計算上の所得を半分にできてしまいます。その点が給与所得や雑所得より優れています。

なので50万円を超過してしまっても節税効果は大きいのです。

年収1,000万ぽっちではたった15万程度しか負担額2,000円の範囲内でふるさと納税できません。

しかし年収1億あるだけで400万円程度もふるさと納税できてしまいます。

つまり1,000万の人の3倍近くも、所得1億円の人はふるさと納税で2,000の負担で済む寄付金額の上限があります。

これは年収400万とかさらに低所得になるとさらに格差が広がります。

年収1億ほうが年収1000万や400万よりも、節税額の絶対額のみならず節税「率」も上で得をしています。これがふるさと納税は高所得者ほど有利と言われる所以です。

節税方法がある限りは使わないと他の高所得者より不利になるため使わざるを得ない

2019年6月より前のふるさと納税制度、つまり私が使ってきた静岡県小山町や大阪府泉佐野市の高額返礼品が横行しているふるさと納税制度は「悪貨は良貨を駆逐する」ものです。

たとえばインサイダー取引は厳罰をもって違法化されていますが、これに抜け穴があるとしましょう(実際には抜け穴はありません)。

そうなるとその抜け穴を使った人だけが得して、使わなかった人が損する株式市場になってしまいます。そうなると株式市場は非効率的になり健全に機能しなくなります。

しかし現実は「インサイダーをしたら馬鹿をみる」制度に出来上がっています。インサイダーは100%見つかります。どんなに少額でもです。これは金融庁・証券取引等監視委員会がいい仕事をしてくれてるおかげです。

今回のふるさと納税制度の改正も同じで、総務省の厳格な判断は非常に好ましいものです。

商品券やギフト券の類の返礼品が全面的に禁止されれば、皆等しく抜け穴を使えなくなりふるさと納税制度が健全になります。

逆に抜け穴が存在し静岡県小山町や大阪府泉佐野市のような自治体が出てくると、真面目にやっている自治体が馬鹿をみますし、真面目にルールを守って「小山町」や「泉佐野市」へのふるさと納税を見送っている人が馬鹿をみることになってしまいます。

つまり、静岡県小山町や大阪府泉佐野市のようなギフト券返礼品を提供している自治体がある限り、私のような高所得者としてはその制度を使わないと、他の高所得者より損することになるため使わざるを得ないのです。節税できる手段がある限りそれを使わないのは馬鹿です。

しかしそのような返礼品がなくなれば、皆等しくふるさと納税による「高所得者節税」がなくなります。そのほうが国全体の観点からは望ましいです。

この「現行のふるさと納税制度は好ましくない」「総務省の判断は正しい」「しかし現行のふるさと納税でギフト券を大量に貰って節税する」という私の行動は、低所得者からみると言行不一致に見えるでしょう。しかし実際に同じような高所得の立場になれば皆このように行動します。