書類送検された立憲民主党の初鹿明博衆院議員は辞職するべきではない こういった議員が野党に残ってくれることで自民党は安泰

立憲民主党所属の現職国会議員、初鹿明博衆院議員が2019年12月10日に強制わいせつ容疑で書類送検されていたことがわかりました。

現職の国会議員」、「元ではなく現職の立憲民主党所属議員」といったとてつもない破壊力のあるニュースです。

大手新聞社のみならず文春、新潮も大きく取り上げています。

現職の国会議員には不逮捕特権があるため、初鹿議員は逮捕もされず警察署に拘置されることもありません。

検察へ書類送検されたわけですが、当然勾留もされません。たとえこの後起訴されたとしても在宅起訴となるため普通に登院することができます。

もし初鹿議員の有罪が確定しても執行猶予が付けば公民権停止とならないため議員を続けることができます。強制わいせつ罪は6ヶ月~10年の懲役刑なので、刑が3年以下なら執行猶予を付けることができます。検察の求刑が3年以下だったら、「検察としては執行猶予をつけてもいいよ」という行政(検察庁)から司法(裁判所)への事実上の意思表示になります。執行猶予付きの有罪判決だったらこれは辻元清美と同じパターンになるので、公民権停止にならず議員を続けることも次の衆院選で立候補することもできます。

この報道後、自民党支持者からは「初鹿議員は辞職しろ」「枝野も辞職しろ」「立憲民主党を離党すらしてなかったのか」と指摘されていますが、私の意見としてはこの初鹿議員は辞職もすべきではないし離党もすべきではないし、枝野党首も辞任すべきではありません。

なぜなら、彼らが野党陣営に残ってくれることが自民党を安泰にする究極の追い風になるからです。

初鹿議員は衆院議員を辞職すべきではない なぜなら自民党に追い風になるから

初鹿議員が辞職してしまったら、「立憲民主党という暴力団組織」の中でケジメを付けたことになり叩くネタが無くなってしまいます。むしろ辞職せず居直って現職の国会議員として野党に居座ってくれたほうが自民党にとってありがたいです。

元国会議員が書類送検されるならまだしも、現職の国会議員が書類送検されてしまうくらいの問題児が野党に居てくれるとそれだけで「カタギの自民党」が相対的に優位になるからです。

初鹿議員は立憲民主党を離党すべきではない なぜなら自民党に追い風になるから

私が立憲民主党側の人間だったら、こんな議員にはさっさと離党を促す(民間でいえば諭旨退職)か、何が何でも居座ろうとするなら除名処分(民間でいえば懲戒解雇)でもして損切りしてます。

なのにこんな議員を長々とお抱え続けた枝野幸男党首は相当頭が弱いとしか言いようがありません。

書類送検されたのが「元立憲民主党議員」なら、「元なら仕方ないだろ」と野党支持の低所得者が擁護してくれていたことでしょう。しかし「現職の立憲民主党議員が書類送検」だと擁護しようがありません。しかもこれは急に発覚したことではなく、2年以上前の民進党時代に既にわかっていたことなのですから、その時点でこんな地雷を立憲民主党に参加させず「ダブル排除」おけば「立憲民主党は関係ありませんから」と言い訳することができ立憲民主党にとって何も問題はなかったわけです。

しかし逆に、このような立憲民主党の不手際が自民党にとって追い風となってくれています。こういった議員を離党させずに立憲民主党が大切に守ってくれていることで、自民党がまたもや相対的に優位になってしまうからです。

枝野幸男の辞任は自民党にとって逆風 選挙で負けても責任をとらない枝野が党首を続けてくれたほうが自民党にとって得

そして枝野幸男の辞任論も出ています。しかし枝野幸男が辞任してしまったら野党が強くなってしまう恐れがあります。

まず、枝野幸男のおかげでなかなか野党合流が実現しなかったという「自民党にとってありがたい功績」が枝野幸男にはあります。いくら国民民主党(民進党)が秋波を送っても枝野幸男が応じてこなかったためです。

また枝野幸男が、希望の党に対抗して立憲民主党を立ち上げてくれたことも(自民党にとっての)大きな功績です。希望の党と共産党だけの野党分裂選挙だったら2017年衆院選で自民党が勝つことができませんでした。希望の党と共産党だったら希望の党に票が集中してしまっていました。しかし枝野幸男が立憲民主党を立ち上げてくれたおかげで、希望の党と立憲民主党に「安倍嫌いな低所得の負け組」の票が綺麗に真っ二つに割れてくれて、自民党が漁夫の利的に大勝を収めることができました。

そして枝野幸男は衆院選で負けても参院選で負けても責任をとらず代表の座に居座っています。これはかなり異様です。まるで「立憲民主党は枝野幸男の私物で終身代表」と言わんばかりです。

民主党は2012年の衆院選大敗で野田佳彦代表が辞任。さらに2014年の衆院選大敗で海江田万里代表が辞任(代表当人が小選挙区で落選し菅直人に比例復活枠を奪われる形で議席を失う)、2016年の参院選で岡田克也代表が辞任、2017年の都議選で蓮舫代表が辞任。このように民主党は選挙の度に代表が責任をとって辞任していました。

しかし枝野幸男は2017年の選挙でも自民に敗北し、2019年の参院選でも自民に敗北するという2連敗にもかかわらず未だに代表に居座っています。

こういった無能が立憲民主党に居座ってくれてたほうが自民党としては安泰です。自民党岩盤支持者である私ですら「枝野幸男は辞任すべきではない」と言ってるわけですから、当然枝野幸男は「身内の書類送検」くらいで辞任する必要はありません。