米国はトランプ勝利、英国はEU離脱と海外で大きな変化が相次いでいますが、日本も例外なく、5年前には考えられなかったほどの大きな変化が起きています。
さらにトランプ次期大統領と台湾の蔡英文総統が電話会談しました。1979年に米国と台湾の国交が断絶して以来初めて公に行ったものです。秘密裏に行ったものはこれまであったでしょうが、公表することに意味があります。これは久々の大ニュースなので詳しくは別掲します。
私は高校生の頃から自民党を支持してきており、学部生時代に20歳を迎えてからずっと自民党に投票してきていますが、自民党でも安保法案採決時に退席する議員がいたり、本当に自分勝手な政党だと思っています。平気で失言はする上に、政治資金管理も甘く不祥事を頻発させます。
その点、公明党は失言をしないよう発言に細心の注意を払っています。さらに政治資金の問題も起こりません。党としてしっかり規律を遵守するようガバナンスが機能していると言えます。
郵政民営化法案採決時の自民党のように、党議拘束を破って勝手に造反する議員が出てこないのはさすが公明党です。
さらにすごいのは、安保法案採決のときに週刊ゲンダイが「公明党は自民党を裏切って、参院では退席か自主投票にするつもりだ」と願望報道をしていましたが、実際は全議員がしっかり賛成票を投じていました。
約束をしたらしっかり守るのが公明党です。途中で翻意することはありません。自民党は平気で翻意したり党議拘束を無視する議員が出てきますが、その点公明党はさすがだと思っています。
どちらかというと自民党のほうが奔放で、集団行動を尊重しない自分勝手な議員が多いわけです。
そんな公明党だからこそ今回の自主投票には驚きました。
2日午前、衆院内閣委員会で採決が刻々と迫る中、山口那津男代表ら公明党幹部は国会内で開いた常任役員会で顔をそろえた。1日夜、複数の議員は「賛成でまとまる」と明言していた。だが、井上義久幹事長が自主投票を提案し、了承された。山口氏は終始、沈黙していたという。
井上氏はギャンブル依存症増加などを懸念する慎重派の代表格。推進派議員が認識を見直してもらうため依存症対策などを盛り込んだ付帯決議案を示しても、井上氏はかたくなだった。(産経新聞2016.12.2 http://www.sankei.com/politics/news/161202/plt1612020053-n1.html)
このように、公明党は当初は賛成でいくつもりだったようです。
集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更のときも、山口那津男代表は「自民党との間に隙間風は吹いているない。吹かせない」と自民党と歩調を合わせることに尽力していました。
ですが今回は安保法制よりも譲歩しやすい、そこまで重くない法案だったのにもかかわらず、公明党は割れてしまったようです。
井上義久幹事長が反対派で折れなかったようです。山口代表は参院議員、井上幹事長は衆院議員。年齢的にも井上幹事長の発言力は大きいと言えます。
党中堅は「不満だが、反対でまとまらなかっただけ良かった」と語る。ただ、もっと早く党内議論を始めるべきだったとの声もある。井上氏は2日の記者会見で「結果論としてそういう意見もある」とかわしたが、自民党との連携に影響するとの懸念は消えない。(産経新聞2016.12.2 http://www.sankei.com/politics/news/161202/plt1612020053-n2.html)
誰から見ても、今回の自民と公明の歩調の乱れは与党連立政権に影響するでしょう。公明党が歓迎していない、来年2017年の常会での審議が予定されている共謀罪の制定において、今回のことがどう影響するか注目です。
自民党からの造反者がいなければ自民単独でも可決できます。日本維新の会は安保法制に反対してましたし、緊急事態条項にも反対しているので共謀罪については未知数です。憲法という科目をよく勉強している人ほど共謀罪には反対するはずなので、橋下徹氏の思想が反映されれば反対になる蓋然性が高いです。
農協改革と配偶者控除廃止は無難に通過すると思われるので、共謀罪を制定する法案が次の課題になりそうです。