トランプ勝利でも消えない農協グループの悪夢、TPP・日米FTA

トランプ当選でTPPが完全消滅してくれるかと思いきや、なかなか消えてくれないことに農協は悩まされているようです。

さらには、重要5品目が守られたTPPどころか、日米FTAという二国間協定で自由貿易を推進することをトランプ氏は表明しました。

今まで日本と米国に二国間協定がなかったのは、米国が日本に対して売れるのは農品目くらいしかない上、日本としては農品目が入ってくると農協が壊滅的打撃を受けるので見送りしていたわけです。

だからこそ日本としては日米が主役のTPPを準日米FTAと位置づけて、話を決着させたいところでした。

ですが日米FTAがトランプ氏の表明で濃厚になり、実際既に日本のお隣の南と米国の間でFTAが発効していますが、そのFTAは南の農家を壊滅させています。

そして米国抜きでもTPPを発効させるという、日米FTAと並行して、米国抜きのTPPの話も進んでいます。

既に原加盟国ニュージーランドはTPPの批准を完了し、批准した最初の国になりました。ニュージーランドはTPPの旗振り役だったので当然でしょう。

そして日本も12月になればTPP批准が自然成立するため、これだけでも2カ国です。

さらに近いうちの批准が目されている国としては、メキシコ、シンガポール、マレーシア、オーストラリアです。ベトナムは今年中の批准を見送りました。

米国抜きの11カ国中6カ国が批准すれば発効要件の国数はクリアします。

米国なしではTPPが発効しないというのは、GDPで85%以上というGDP条項があるからです。これを引き下げてしまえば米国が抜けてもTPPが発効するので、ここを修正してしまおうという方向になっています。

メキシコのグアハルド経済相は10日、トランプ氏が掲げる北米自由貿易協定(NAFTA)見直しに懸念を表明。さらに、TPPが頓挫するならば、発効に米国の批准が事実上必要となる現在の条項について、「各国と変更を協議する必要がある」と語った。(産経新聞 http://www.sankei.com/world/news/161114/wor1611140042-n1.html)

このようにたった1つの条項を変更するだけで米国抜きでTPPが発効します。

米国が抜けると海外に輸出攻勢をかけようとしていた非農業部門の産業にとっては少し弱くなります。しかし農協に対する打撃具合は米国が抜けても維持されるのです。

それは米国が得意とする製造業を持っていない国は農業国であり、それは日本の農協に対する脅威になるからです。

安倍政権が目指す、「個人農家と農協から、株式会社による集約的農業へ」といった政策実現のために農協が邪魔だから安倍首相はここまでTPPにこだわってるわけです。日欧EPAという自由貿易推進も同じです。

停滞していた日欧EPA交渉が急に息を吹き替えしました。英国が抜けてEUが弱体化するEU、TPPとあわせて農協弱体化に向けて自由貿易推進をしたい安倍政権、双方の思惑が一致し早期妥結に向けて大統領選後に急に動き出しました。

さらにはトランプ氏は2016年11月22日に、二国間の自由貿易協定を推進させると表明したことで、日米FTAでコメの関税撤廃にも踏み込む形での自由貿易協定も進むことになりました。米国が日本に買ってもらえるのは農品目くらいしかありません。つまり米国が日米FTAをやる理由は、日本に米国の農品目を売りつける、動機づけはそれだけです。

トランプ氏勝利が農協グループを救うどころか、さらなる自由貿易推進に拍車がかかり始めたというのが現実です。

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