日銀の大緩和はG7終了後の6月が濃厚

4月27日と28日に行われた日銀金融政策決定会合では緩和拡大が見送られたのを材料に円高株安が進みました。

金融緩和拡大見送りは政治に精通していれば容易に判断できたことです。

なぜなら5月の下旬にG7があるからです。

G7では日本の円安(円高是正)を嫌うドイツと米国が出席します。

最近ドイツはそこまで円安について口を挟んできませんが、米国財務長官が日本の為替介入について事実上支持しない考えを表明しています。

G7ではオバマ大統領が広島訪問を決めているとされているものの、まだ正式表明はしていないため米国の対日感情を悪化させないためにも今円安政策をとることは適当ではありません。

この時点で4月下旬に金融緩和拡大があることはありえないとわかるわけです。

そして5月には金融政策決定会合そのものがありません。

そして次回は6月15日と16日。ここで金融緩和の拡大が発表されるでしょう。

なぜなら7月には参院選があるからです。

そして二階俊博総務会長の発言をみると、衆議院を解散する衆参同日選挙もまだ完全に否定しきれていないようです。

安倍首相は選挙で勝てるためならなんでもする人です。その一つが日銀による金融緩和です。

黒田総裁とは気脈を通じていますから、緩和のタイミングは政局と完全にリンクするでしょう。

私はこれでいいと思っています。解散するにしても大義が必要という意見がありますが、私は選挙に勝つための道具を割りきって衆院解散という手段を用いて良いと思っています。

さらには選挙に勝つための道具として金融緩和をするのも許されるでしょう。国難のときにはありとあらゆる手段を使って目的を達成することが重要です。

安倍首相の主義思想からすると選挙で勝つために日銀の緩和をリンクさせることが容易に想像できます。5月は静かな相場が続き株価低迷、円高で閉塞感が続くでしょう。そして動き出すのは6月下旬という流れになると思われます。