2016年7月10日投開票が行われた参院選は自民党が勝利しました。
翌日の東京における日経平均株価は一時700円高をつける上昇になり、終値でも601円高になり4%近い上昇になりました。
自民党の議席の伸びによってはまだ伸びしろがある株価
与党で改選過半数の61議席を超えた程度でもこれですから、自民党単独過半数が得られる57議席か、またはさらに上積みして自民党単独で改選数の過半数である61議席を確保していたら株価はさらに上昇していたでしょう。
残念ながら、自民党単独での参院過半数まではとどきませんでした。
自民党は55議席獲得し、さらに神奈川選挙区での無所属中西候補が無事当選したので、自民党追加公認となり合計56議席となりました。
つまり自民党単独過半数にはあと1議席足りなかったことになります。
ここを超えていたら自民党の独断で衆院参院を動かせるようになり極めて金融市場にとって好ましい状態になっていました。
参院無所属議員の自民党加盟で自民単独で参院過半数を
ですがまだ手はあります。参院無所属には改憲に積極的な議員が4人居ます。アントニオ猪木さんはちょっと勝手に動いてしまうところがあるので、他3人のうち特に、集団的自衛権の行使を容認する安保法案に賛成票を投じ、憲法9条の改正に積極的であり、さらにTPPにも賛成している松沢成文元神奈川県知事が自民党に入ってくれれば、自民党単独で参院過半数を獲得できます。
新党改革は自民党に合流しておくべきだった
残念なのは参院の合区導入で調整能力を発揮した新党改革の荒井広幸議員が落選し、さらに新党改革は解党で政治家も引退することになってしまったことです。
荒井議員が郵政民営化解散で離党する前は安倍さんと同じ清和研究会に属していたので、安倍さんは「そろそろ自民党に戻ってきたらどう?」と声掛けしていたようですが、新党改革に残る決断をしていました。私としては自民党に新党改革が吸収合併されていればと思っていたので残念です。
反TPPをとなえる論外の日本の心を大切にする党
あとは日本の心を大切にする党は憲法9条改正に賛同している点は評価できるものの、TPPに反対しているという点で論外でした。特に中山成彬候補がTPP反対の強硬派であり、Twitterでも常にTPP反対論を唱えていました。これは時代に逆行していますし、TPPに入らなかったら米軍は日本を一切守らなくなるくらい重大な問題です。
私としてはまったく支持できない政党でした。
憲法改正最大の障壁、維新の会が主張する地方分権
憲法改正において松井代表率いる維新の会は重要な存在です。米国大統領選挙の候補であるトランプ氏が「日本から米軍を撤退させる」と発言したときに、松井大阪府知事は「米軍が撤退したら日本は正規軍を持つことになるし、最終兵器(核兵器)を持つことにもなる。国会議員においては逃げずにこのことを真摯に議論して欲しい。」と発言していました。
これだけみると憲法9条改正に賛成しているように見えますが、セットで必要な「緊急事態条項」については反対しています。
また9条改正だけは認めず、維新の会が主張する「道州制の導入」を可能にする地方自治の改正も要求してくると言われています。
この道州制の導入はくせものです。なぜなら地方分権は国家の弱体化を意味するからです。
現在のように日本が隣国の軍事力による脅威下にある国難のときには、中央集権化が必須です。なのにそれに逆行する道州制の導入や地方分権化はヘタしたら国を潰しかねません。
道州制の導入は自民党としては絶対にのめないでしょう。できても都道府県の権限拡大くらいです。
そう考えると、憲法改正の一番の障壁は公明党ではなく、大阪維新の会だと私は思っています。
自衛隊の存在明記程度なら公明党も賛成する
公明党は自民党の憲法改正草案にある国防「軍」の明記には難色を示すはずです。しかし、今回の参院選では「自衛隊を違憲と言っておきながら災害時には活用するのは都合が良すぎる」と声を上げていました。
今の憲法では文言通りに素直に解釈すると自衛隊は違憲になってしまいます。だから裁判所は自衛隊が違憲か合憲かの判断を戦後からずっと避けてきました。裁判所が判断するとなると違憲とせざるをえないからです。
だから自衛隊の存在を誰が見ても合憲だと言えるように憲法に自衛隊の存在を明記することには公明党も賛成するでしょう。ですがそのときに、専守防衛に限ること、先制攻撃能力を持たないなど、条件をつけた上で国防軍や自衛軍ではなく自衛「隊」という名称にこだわってくると思います。また他国の軍は、してはいけないことを規定するブラックリスト方式を採用していますが、自衛隊はやっていいことだけを規定するホワイトリスト方式を採用しています。これをホワイトリスト方式のまま維持することも主張してくることが考えられます。
これらの意見の相違をどれだけ自民党の改憲草案に近づけられるかが安倍総裁率いる自民党の腕の見せ所です。
憲法9条が改正されると日本人は裕福になれる
実は日本の株価を上げる最大の経済政策は、憲法9条を改正して完全な正規軍を持って、核武装も行うことです。
なぜなら他国に依存していると国内の労働力や資本、得られた利潤が海外に流出してしまうからです。日本は米国から武器を購入させられていますが、特に米国のイージスステムは1000億円以上するほど高価であったりします。
さらに連合国分担金の拠出や円借款のODAなど、日本はさまざまなところで支出を強いられており、それが納税者である国民を苦しめています。
本来仕事というのは大変でもなんでもなく楽なものです。それが「きつい」と感じている人がなぜ多いかというと、海外から日本の税金をたかられているからです。実は海外では働くことや仕事というのはきついものでも苦しいものでもなく、単なる趣味程度の楽なものとして認識されています。仕事はきつい、大変、できれば働きたくないなんて考えるのは日本くらいだという事実を知っておく必要があります。日本は海外から足元をみられて搾取されており、それはすなわち税金を搾取されているということなので、納税者である日本国民を苦しめています。
だからもし労働者視点で楽になる社会にしてほしいと思ったら、自民党を支持して憲法9条を改正し、できれば核保有まですることです。そうすれば本当に楽に暮らせる世の中になります。