東京と福岡の小選挙区で行われた衆院補選は両選挙区とも自民党が圧勝しました。今後の安倍政権の趨勢を占う上で極めて重要な国政選挙だったので、満額回答の結果になって本当に満足できるものです。
自民党として勝って当然の落としてはいけない選挙
今回の選挙は鳩山邦夫さんの議席が減ってしまった分と、小池百合子氏が都知事選に立候補するために衆院議員を失職したことに伴う選挙だったため、自民党が2勝してやっと現有議席維持という選挙でした。
つまり2つとも勝利してやっと今まで通りという結果であり、逆に1つでも落としたら議席を減らすという負け確定だったわけです。
豊島区がメインの選挙区では小池百合子氏の本意の若狭氏が立候補しましたし、負ける理由がありませんでした。
問題は分裂選挙になった福岡であり、このゴタゴタがなければもっと綺麗な選挙だったのです。
中曽根内閣は補選で負けたときから凋落していった
過去には補選で負けたことから求心力が低下し、内閣退陣、さらにひどいときは自民党が政権を失うことさえありました。
そういった点でも今回の衆院補選を落としていたら安倍内閣は2021年までとても持つとは言えないものでした。
今回は当選確実が投票締め切りと同時にでるレベルで圧勝だったので安倍首相の3期目はまだ十分あり得ます。
麻生副総理には失望した今回の選挙
今回の選挙で最も空気が読めてないのは麻生副総理でした。この人が鳩山二郎氏を支持しないから分裂選挙になったわけです。
二階幹事長も安倍首相も鳩山二郎氏で良いと思っていたのに、麻生氏が反対したせいで分裂選挙になりました。
既に引退して発言力が衰えている古賀誠氏一人だけでは分裂選挙に持ち込めなかったのに本当に残念なことです。
麻生氏の問題行動さえなければ自民党候補が分裂せずに安心できる選挙だったわけです。
選挙の結果の不確定性が増加すると株価に影響が出ます。自民党候補が落選したら株価下落要因だからです。
しかも今回のように自民党が党内権力闘争で分裂しているということを国民からみたらどのような印象を持たれるか理解していないのでしょうか?
国民から「また自民党は国民の利益より党内の利権争いばかりしている」と愛想つかされて2009年の衆院選で大敗したということを未だに理解していないようです。
だから単に勝つではなくて、「圧倒的大差で自民党候補が勝利」する必要がありました。
とりあえず投開票日20時の時点で即当選確実が出たので、今回は自民党圧勝と見ていいでしょう。