安倍総裁3期9年確定 2019年衆参同日選で大勝すれば4期目も

安倍首相が2021年まで総理大臣を務められるように、現在は自民党の党則で連続2期6年までと定められている総裁任期を3期9年まで延長することを、党・政治制度改革実行本部の高村正彦本部長が了承しました。

私の大学の同期や職場の身の回りの人はみんな、安倍さんができるだけ長く内閣総理大臣を務めることに賛成であり、安倍さんの総裁任期延長に反対している人を見かけないので、ネットで検索すると多くでてくる総裁任期延長反対論は都市伝説なんじゃないかとすら思っています。

素晴らしいのは2016年10月時点で、合計9年の安倍政権の半分すら過ぎていない、折り返し地点にすら到達していないということです。まだ安倍政権であり続ける時間が半分以上も残っていることは素直に喜び歓迎しておくべきことです。

自民党のローカルルールに文句を言い出す民進党

さっそく民進党の江田憲司代表代行が、自民党の総裁任期延長を決定したことに対して文句を言っています。そもそも他の家のルールに口を出すほうが非常識だと言えます。

これは例えば、豊田章男氏が2009年から7年連続でトヨタ自動車の社長を務めていることを、南のヒュンダイ自動車の社長が文句を言っているようなものです。トヨタからしてみたら余計なお世話という感じでしょう。

このことに口を出せるのは自民党所属の国会議員、または日本全国に90万人以上いる党員です。自民党国会議員も自民党員も自民党総裁選への投票権を持ちます。自民党の総裁を選ぶ権利を持つ国会議員も総裁任期延長の議論に派閥横断的に参画していますし、党員の意見としても各都道府県連が「総裁任期延長が決定されたらその意向に従う」と意見を表明しています。

自民党総裁を選ぶ権利を持つ人達が総裁任期延長に賛同している以上、他所の人がとやかく言う権利はありません。身内のルールは身内で決めるものです。

安倍さんが2021年まで内閣総理大臣を続けることが民進党に不利益だから不満なのでしょうが、その前に2021年まで民進党が存続しているかどうかを心配した方がいいと私は思っています。

総裁任期延長より合区解消が先だと言う鳥取県選出の石破氏の批判はあたらず

二階氏が鶴の一声で開始させた総裁任期延長の議論、たった3ヶ月で決着がついたわけですが、異論を挟んでいた人がいます。鳥取県選出の石破茂議員です。

この人は紛れもなく安倍首相の後釜を狙っている人であり、2012年の総裁選でも決選投票まで安倍さんと戦っていました。

そして石破氏が会長を務める鳥取県連が唯一不満の意見書を出してきたようです。

「なぜ今なのか」

2015年の安保法案審議のときNHKや朝日新聞あたりが好き好んで使っていたような言葉です。

鳥取県連の言い分は石破氏の言い分とイコールです。内容は「総裁任期延長よりも鳥取県と島根県の合区解消を先にやるべきだ」というものです。

安倍総裁の任期を延長して憲法改正の時間を作らないと合区解消は無理

ですが冷静に考えると、合区解消には憲法改正が必須だと先日自民党が公式に方針を決めたばかりです。

憲法改正をするには十分に時間が必要。とてもあと安倍総裁の残り2年の任期では無理でしょう。

ならば任期延長して憲法改正の時間を作ることが合区解消に結びつくのに、完全に矛盾をはらんでいる指摘を鳥取県連はしていたことになります。

ちなみに石破氏の他には小泉進次郎氏も総裁任期延長に「なぜ今なのか」と文句を言っていますが、それもそのはず、小泉進次郎氏は石破派に所属しているからです。

2019年の衆参同日選で大勝すれば2024年までの4期目も視野に入る

今回の高村副総裁の発言でポイントになるのは、任期制限そのものを撤廃しなかった理由について「今まで少しずつ任期を延長してきた」と説明したことでしょう。

2期6年からいきなり任期制限撤廃は飛躍しすぎだろうと判断したようです。

まずは1期だけ延ばして3期9年にするのが一番党内で支持されやすいと考えたようです。

ということは、さらに機が熟せば4期12年や任期制限撤廃も可能だということです。

2021年まで安倍首相はあと1~2回は衆院選で、あと1回参院選で戦うことになります。

特に2019年は参院選があり、衆院解散をする時期としても適切です。

もしここで衆参同日選を行って、自民党が大勝したら任期延長の議論がまた7月頃から始まって2024年まで安倍さんが内閣総理大臣でいられるように環境を整えるでしょう。

特にチャイナの習近平の任期は易姓革命でも起こらない限り2023年まであるので、それよりも長く安倍さんが総理大臣であることが日本の安全保障上重要です。

金融市場としては安倍さんの任期延長は織り込み済みですから、焦点は任期中の選挙の結果になります。次の衆院選で本当に大勝できるのかどうか、そして2019年頃にある衆院選でも大勝できるかどうか。自民党の衆議院での議席占有率とTOPIX・日経平均株価は完全に統計的に有意に相関関係にあると言っていいでしょう。