トランプ大統領の国連総会演説「北朝鮮を完全破壊する」でIT株暴落、軍需株大幅高、テレビ局株横ばい

2017年9月20日の株式市場は日経平均株価が終始横ばいだったこともあり「もみ合い」と評価されていますが、業界ごとにしっかり明暗が分かれています。

昨晩、トランプ大統領が国連総会の演説で、「北朝鮮を完全破壊する」と発言し、議場からはどよめきが起きたようで、北の国連大使がトランプ大統領の演説途中で退席するなどいい意味で波乱に満ちた演説でした。

イスラエルのネタニヤフ首相は「これまで数えられないほどの国連総会の演説を聞いてきたが、トランプ氏ほど力強く、率直な演説をした人はいなかった」と絶賛しています。

話題となったトランプ大統領のくだりは以下の通りです。

“The United States has great strength and patience, but if it is forced to defend itself or its allies, we will have no choice but to totally destroy North Korea. Rocket Man is on a suicide mission for himself.”

its alliesとあるので、これは米国の同盟国であり日本も含まれています。

日米ともに戦争に弱いIT株 ITは余裕があるときの娯楽的要素が強い

最近、野村総合研究所の株価が大幅下落しています。こういった先行き不透明で戦争を織り込むと企業はリスク回避にうごくのでIT予算を削るためです。

東京五輪実施が危ぶまれると下がる広告代理店株 本当に東京五輪は実施されるのか 戦争で東京五輪お流れ濃厚

同様に下落しているのが電通や博報堂などの広告代理店株です。これらの株は東京五輪招致が決定してから大幅に上昇しました。

東京五輪は1940年に実施される予定でしたが開戦になりお流れになったわけです。結局1964年まで開催されませんでした。

本当に2020年に東京五輪が開催されるのが疑わしいと市場は判断しています。

意外と手堅いテレビ局株

マスコミ各社の株価というのは手堅いです。日本国民の視聴者相手に仕事をしており、広告主も日本企業がほとんどです。為替レートの影響を受けません。

しかしマスコミのうち新聞社というのは伝統的に非上場であり、朝日新聞のように同族経営の色が強く株は自由に売買できません。

株を握られて論調に影響を及ぼされるのを嫌っているためだとされます。

一方でテレビ局は軒並み上場しています。上場していないのは特殊法人のNHKくらいです。

テレビ局の株価は核実験があろうがミサイル発射があろうがほぼ変わりません。

周波数帯域をオークションで割り当てることが総務省で検討されていますが、それでも下落していません。もしオークションで高値がついて費用が大きくなると純利益が減りますが、そもそもテレビ局の株はPBR1倍前後と実力相応なので赤字にならない限りは安泰なのでしょう。

視聴率は年々下がっているので斜陽間違い無しの業界ですが、上がりもせず下がりもしないのが好きな人はテレビ局でもいいかもしれません。

テレビ局株を持っておけば、もし株価が上がればそれはそれで株を持っている人は嬉しいでしょうし、逆に下がればテレビ局が没落したということで嬉しいでしょうし、どちらに転んでも得するということでアンチテレビメディアの人には非常におすすめできます。