自民党衆参単独過半数の強さ カジノ法案採決で公明党の意向無視

カジノ法案の採決で自民維新は賛成するものの公明党は自主投票とし各議員の判断に任せることにしました。民進党は労働組合らしくお決まりのサボタージュ=退席です。

共産党は出席して反対していました。そこはある意味律儀でありさすがだと思います。

公明を切り捨ててでもカジノ法案に賛成する自民 維新が年金改革法案やTPP承認案に賛成してくれた借りを返す

日本維新の会は大阪新興の要としてIR建設を重要視しています。ですが現行法律ではカジノは違法であるため、地方自治体の権限だけでは実現できません。

そこで日本維新の会は臨時会でTPP承認案に賛成、年金改革法案に賛成し、与党だけでなく野党も賛成しているという状況を作り出しました。これは自民党にとっては大きな助け舟になっています。

その恩を返すために、公明党の反対を押し切ってまで今臨時会でのカジノ法案の成立に自民党はこだわったと言えます。

自民党が27年ぶりに衆参ともに単独過半数を獲得したのが大きい

このようにパートナーの公明党の意向を無視してまで、日本維新の会の要望を優先して採決に踏み切ったのは、2016年の参院選直後に自民党が27年ぶりに衆参ともに単独過半数を獲得できたのが大きいです。

これによって自民党の独断で法案を通すことができるようになりました。実際は独断で法案を通そうとしたら反発必至なので、しっかり協調性をもってやるわけですが、やろうと思えば独断で通せる単独過半数を持っていると「抑止力」が絶大なわけです。見えないパワーとも言えます。

だから公明党との交渉でも強気にでることができます。一連の失言などもこの単独過半数からくるたるみでしょうが、人間完璧ではないのですから一挙手一投足であら捜しをして揚げ足をとることほど愚かなことはないでしょう。

公明党の自主投票に注目

衆院委員会決議では3名の公明党議員のうち1名のみが賛成したようです。衆院本会議決議では全議員がかかわるわけですから、どの議員が賛成し反対するか注目です。特に参院では山口那津男代表、衆院では井上義久幹事長、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈変更について「違和感はない」と公明党で最初に容認発言をした太田昭宏元国土交通大臣には注目です。

”どうでもいい”民進党の退室

民進党の愚かな対応については日本維新の会の松井代表が非常に痛快なコメントをしています。

日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は2日午前、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)整備推進法案をめぐり、民進党が審議入りに反対している国会情勢について「民進党が『なぜ急ぐのか』とバカなことをいっているが、法案は3年前に提出されている。3年間、何してたんや」と述べた。国会内で記者団に語った。

さらに「(審議入りに反対なのは)政治的に僕に対する民進党の嫌がらせだ。彼らは国民の方を全く見ず、日本のことも考えず、党利党略、個人的な好き嫌いで物事を考える。まあ、バカな政党だと思う」と批判した。(産経新聞2016.12.2 http://www.sankei.com/politics/news/161202/plt1612020021-n1.html)

民進党内に40人も推進派いるために民進党はカジノ法案に賛成も反対も表明しませんでした。意見の集約をやろうとすると党分裂必至だからです。

そこで「勝手に審議入りしたから手続きが乱暴」とか言い出し、またもや手続き面を槍玉に上げてサボタージュしています。

これは安保法制を審議していたときと同じです。民進党内には集団的自衛権行使容認派もいることから、党として明確に反対すると党分裂の危機でした。だからこのときも手続き面にひたすらこだわって、集中審議では民進党はこの法案の中身には一切触れなかったわけです。

そして今回も同じ。中身を審議せずに手続きにいちゃもんをつけて終わり。そして最後は労働組合にありがちなサボタージュで終わりです。よくこんな政党に投票する人がいるもんだと思います。環境に恵まれず誤った人生を歩んで来てしまったんでしょう。