ようやく消費税10%への増税が実現します。
財務省職員の言葉を借りるならば「政争の具にされ振り回されてきた消費税増税」です。
この消費税増税というのは左右問わず不人気の政策です。
本サイトを閲覧してくれている方々は保守層どころか実は半分は左翼というのは以前から指摘している通りですが、どちらにしても大多数の人は「消費税増税反対」のようです。
私のような消費税増税賛成派は少数派です。
しかし消費税増税がむしろプラスに働く人は多く存在します。消費税増税は一見マイナスばかりにみえるけれども理屈で見ていけば特に若い年齢層には有利です。
一般論として消費税は高所得者に有利で低所得者に不利な逆進性がある
税には累進性のある所得税もあれば逆進性のある消費税もあります。
そうなると「逆進性のある消費税は高所得者優遇でけしからん」と批判されそうですがそうでもありません。
例えば日本国民の平均所得は400万円とされています。平均所得400万は学生や超高齢者も含めて算出する数字なので低いほうですが世の中には下には下がいます。たとえ旧帝大卒であっても派遣業の女性で年収200万の知人がいます。彼女達からはほとんど所得税を取れません。
また収入103万以下に抑えているパートの女性もいます。彼女達からは所得税を取れません。
しかし消費税なら所得ゼロでも取ることができます。つまり「家事手伝い」や「専業主婦」のようなニートが多い女性に不利なのが消費税増税です。
男女別にみれば男性が消費税増税で有利 実際に世論調査でも男性ほど賛成が多い
消費税増税は男性でも女性でも反対が多数です。しかし賛成が多い割合でみれば男性のほうが消費税増税の支持率が高いです。
日本国民の平均所得は400万円台ですがこれを男女別にみると大きく差がつきます。男性の平均所得は500万円台で女性は200万円台です。さらに企業勤め等のサラリーマンに限れば男性の平均所得は700万円台に届きます。一方で女性は企業勤めであっても300万円台です。
40代半ばの管理職になっている年齢の女性でも400万円にすら達していない人がほとんどです。
消費税は所得が高ければ高いほど有利なので当然男性から多くの支持があり、低所得が多い女性からは消費税増税は支持されません。
働く女性は消費税増税賛成多数 専業主婦は反対多数
一方で消費税増税反対が多い女性の中でも一枚岩ではありません。正規かつ常勤として働いている女性は消費税増税賛成派が多いです。
なぜなら所得税は働く人には課税される一方で無職(専業主婦)には課税されないからです。消費税なら無職(専業主婦)にも課税されます。
さらに消費税は所得に関係なく金を使った分だけ課税されます。つまり毎月の所得が多い人ほど可処分所得に占める消費税支払額の比率が低くなります。正規かつ常勤として働いている女性ほど消費税増税を支持し、パートタイムや無収入の女性ほど消費税に反対するのは当然です。
老人ほど消費税増税反対 それが共産党と立憲民主党の「消費税増税断固反対」という公約に繋がる
消費税は老人にも課税されます。年金は雑所得ですが公的年金等控除があるため所得税が課税されるとしても本当に少ない税額で済みます。
つまり所得税率が引き上げられても老人にとっては全く痛くもありません。しかし消費税増税は老人にも直接的に打撃があります。
老人というのは退職金等で獲得した金融資産といったストック(貯蓄)を切り崩す生活です。ストックを切り崩す生活をしている老人からは所得税は取れないものの消費税はしっかり取れます。なぜなら衣食の出費があるからです。
消費税増税というのは現役世代よりも老人により大きく打撃があります。老人に強く支持されている立憲民主党や共産党が「消費税増税阻止」を公約に掲げるのも当然です。
意外と負担が軽い消費税
消費税はすべての支出に課税されるわけではありません。意外と消費税が課税されない支出は多いです。
消費税は住宅家賃に課税されない
住宅家賃には消費税が課税されていないことを意識したことはあるでしょうか?
住居家賃には消費税が課されていません。賃貸暮らしをしている人は支出のうち家賃の支払いが大きな割合を占めていると思いますが家賃には消費税が含まれていません。
消費税は大学大学院等の学費に課税されない
学費も消費税非課税です。これは「知識には課税しない」といった価値観を反映しています。その価値観を適用するならば書籍も本来非課税なのですが学問に関係ない書籍との線引きが難しいため日本では書籍には課税されています。
消費税増税への対策 それは所得を増やすこと
所得税というのは金を全く使わなくても単に稼いだだけで課税されます。
逆に消費税というのはどんなに金を稼いでも金を使わなければ課税されることがありません。これは所得が多い人に有利です。
例えば所得が10倍になったからといって洗濯機を10台も購入したり、冷蔵庫を10台も購入しません。1つで十分です。
収入が増えても固定費というのはそこまで増えません。年収が増えると高額であっても良いものを買うのが当然のようになりますが年収10倍になったからといって消費も10倍といった馬鹿なことは風俗業のババアのような浪費家でない限りやりません。
所得が増えれば増えるほど、所得に占める消費の割合は減っていきます。それは所得に占める消費税支出の比率が下がることを意味します。高所得になればなるほど消費税なんて微々たる誤差のようなものになっていきます。
安倍政権の間はこれ以上消費税が上がることはありません。安倍政権の経済政策の下では所得を伸ばすことなんて簡単です。このようなイージーモードの間に所得をできるかぎり増やしておいて、10年20年といったスパンで必ずやってくる次の消費税増税に備えておくことが重要です。