やっぱりTPP審議拒否の民進党、それでも昨年の安保法案審議よりは楽勝

トランプ氏の当選でTPPお流れと湧き上がっていた農協にとっては残念ながら、トランプ氏は日米FTAという二国間協定に舵を切ると表明しました。

日米FTAはTPPより日本の農家・農協にとって厳しいものであり、この日米FTAを避けるためにわざわざ日本政府はTPPを推進してきたのです。

ですが米国はTPPくらいでは許してくれませんでした。

コメの関税まで踏み込む日米FTAが進むことがトランプ氏の選挙後の正式表明で確実になったので、「TPPの方がマシだった」と思えるくらいの自由貿易協定交渉がこれから始まります。

TPPは米国抜きで発効してもしなくても農協への打撃具合は変わらないでしょう。日米FTAが決定的に農協グループにとって壊滅的打撃になるからです。

 

さて、さっそく民進党が10月14日からのTPP法案審議入りを拒否すると明言しました。

でも昨年の安保法案可決成立のときにくらべたらぬるいものです。

安保法案の審議入りも拒否してましたが結果的には成立しました。

安倍首相が安保法は夏までに成立させると米議会で明言していましたから、本当に夏の間に成立させられるのか不安でしたが、9月下旬の上期までに成立させることができました。

安保法案は成立まで衆院審議2ヶ月、参院審議2ヶ月もかけていた

普通の法案審議は衆院1ヶ月、参院1ヶ月です。重要な予算案でさえ2月に衆院、3月に参院で年度内可決が普通ですから、衆参それぞれで2ヶ月もかけた安保法案がどれだけ大きな法制だったかがわかります。

安保法案の衆院での審議入りは昨年5月27日です。実はこれも民主党が審議入り拒否して日程が遅れています。そして参院での審議入りは7月27日です。成立は9月19日ですから本当に時間がかかっていたことがわかります。

一方でTPPは法案と条約批准の2つセットですが、条約批准は簡単に衆院だけでおわるため楽です。さすがに11月30日の臨時会の会期中にはおわらないでしょうが、会期延長は確実なので12月中にTPP関連はすべて完了するでしょう。

2015年9月19日午前2時過ぎ深夜に可決成立した安保法制に比べたらTPPはぬるい

私は昨年の9月18日金曜日の夜から国会中継を見ていました。野党は参院議長に不信任決議案を提出するなど徹底抗戦をし、某議員が牛歩をするなど野党の抵抗は非常に稚拙なものでしたが、無事に9月19日深夜2時過ぎに成立しました。

このときは本会議の前段階である特別委員会で可決できるのかどうかさえ不安でした。野党は10分おきに休憩を宣言してまったく審議に応じてませんでしたから、これはサボって税金を食いつぶしていたのと同じです。

反対する野党は完全無視して、賛成する野党と与党だけで勝手に審議を初めてしまっても全く違法ではないのでそのようにしてほしいものです。

世論調査で反対多数だった安保法と違いTPPは過半数が支持 反対してるのは農協関係者だけ

昨年の安保法案と今回のTPP法案とTPP批准が異なるのは今回のTPPは世論調査で国民の50%超が賛成しているということでしょう。これは甘利大臣がTPP妥結に導いてから一貫して賛成多数です。

なのになぜ野党が猛反発しているかというとチャイナにとって極めて不利な条約がTPPだからです。これが成立してしまうと日米の経済圏から締め出されることになりますから、民進党というチャイナ共産党の手先を使って反対しています。

とはいっても日本人の対チャイナ世論は9割が「チャイナが嫌い」としていますから、TPPは無難に成立するでしょう。

あと国内で反対してるのは農協関係者だけであり、人口比として大したことはありません。もし農協関係者が力をもっているなら2016年7月の参院選で自民党を大敗に追い込めていたはずですが、実際には自民党が大勝しましたので、農協関係者にはTPPを廃案に追い込めるだけの力はもうありません。

TPPは関連法律案を成立させてから最後にTPP条約批准

まず順番としては法律を作ってから条約の批准になります。なぜなら条約というのは法律より上位に位置づけられるので、条約に違反する法律は無効になってしまうからです。

まず最初にTPPに整合するよう法律を整備してから、次に条約であるTPPを批准すれば矛盾が起きないわけです。

よって今国会の山場はTPP関連法律の可決であり、それさえ通ってしまえばTPPという条約の批准は簡単です。

TPPより審議が難しい共謀罪は来年に先送りしましたし、今臨時会はTPPだけに専念すればあとは途中で米大統領が決定して、あとはプーチン来日で今年はめでたく綺麗に政治日程が完了します。