GoogleやYahoo検索で本サイトに来られる方のうち、最も関心が高いのがオバマ大統領の広島訪問によって衆参同日選挙にどのように影響があるかどうかです。
衆参同日選挙が今現在最も注目を浴びている金融市場の材料であることは間違いないでしょう。
米大統領選挙はトランプ候補v.s.クリントン候補で確定しており今年11月の本選まで動く要素が少なすぎます。途中で共和党の一部がクリントン候補を支持するかどうかの動きしかないでしょう。
他方日本の議会というのは解散があるので、少なくとも衆参同日選挙があるかどうかは今後一ヶ月以内には確定します。よって直近としては衆参同日選挙が最も大きい金融市場の材料です。金融緩和の拡大はどう転んでも5月には日銀金融政策決定会合がないので衆参同日選挙を決断した後の話です。
衆参同日選挙については5月18日現在の状況としては、農林水産大臣が衆参同日選があるかもしれないとほのめかす発言をしました。
与党側は温度差があるものの野党側は衆院解散があるものとして準備をしています。むしろ野党の方が衆参同日選やる気にあふれていると言えます。
さらに民進党議員が安倍首相に「衆参同日選挙を行うと別々に選挙をするより費用が少なく済むという試算がある。仮に衆参同日選挙を行った場合どのくらいの予算を組むつもりか。」と質問しました。
これは野党が行う質問でよくある戦法です。本来野党は衆参同日選挙を望んでいませんが、「衆参同日選挙をすると経費を少なくできる」のようにあたかも衆参同日選挙に賛同するような素振りをみせて相手(政府)の警戒を解こうとします。そして「衆参同日選挙は経費削減に有効」という答弁を政府がしてしまったら最後、野党としては「してやったり」ということで、「やっぱり安倍政権は衆参同日選挙をするつもりで考えているのか」と一気に叩き始めます。
この点安倍総理はしっかりこれを見ぬいて「衆参同日選挙における経費試算はしていない」ときっぱり否定しました。そう簡単には野党の戦略には乗らないというわけです。
しばらくこのような押し問答が続くでしょう。しかし早ければあと2週間もせずに衆院解散の可否がわかるので今月中にはだいたいわかることです。
次に関心が高いのが日銀が金融緩和を拡大する時期です。
勘違いしてはいけないのが、日銀は今でも日々債券やREITを買い入れているということです。いまでも金融緩和はしています。
市場が気にしているのは金融緩和の率(ペース)を引き上げるかどうかです。
よくある勘違いが、日銀金融政策決定会合で金融緩和を発表した直後に一発ものとして一気に買い入れを行い、そのあとは日銀はなにもしていないという勘違いです。これは金融緩和発表直後に一気に金融市場の各金融商品(株や為替)の価格がうごき、そのあと動かなくなることから勘違いする人が多いのです。
市場が期待しているのは金融緩和の「拡大」です。つまりペースをあげるかどうかであり、日々日銀は金融緩和のために資産を買い入れています。そのペースを引き上げるのが金融緩和の「拡大」であり、別にペースを引き上げなくても金融緩和は今もされているわけです。
これはマクロ経済学で新古典派やマネタリストの理論を勉強したことのある人なら常識なのですが、このマネタリストの理論というのは机上の空論であり役に立たないというのが最近の潮流であり現安倍政権の立場であるので、どうしても新古典派やマネタリストの勉強というのは軽視されるようになって知らない人が多いです。
机上の空論で役に立たないことは確かですが一応教養として知っておくべきレベルのことだとは思います。
金融緩和の時期というキーワードで本サイトを訪問される方は常に一定数おられます。ですが私が一つ言いたいのは、金融緩和を拡大するかどうかは黒田総裁と、黒田総裁と気脈を通じている安倍首相のさじ加減一つであり、緩和拡大の有無を個人FXトレーダーが必死に「予測」しようとしているのと同じことはせず、金融緩和の拡大があってもなくてもそのようなことに左右されず着実に金融資産を増加させることができる資産運用を行うべきだと思います。