トランプ次期大統領と台湾の蔡英文総統が会談 オバマ政権は収拾に必死

トランプ次期大統領が台湾の蔡英文総統を電話会談をしました。米国では「Breaking News」として扱われています。

これはキューバ国交正常化レベルの話ではありません。オバマ大統領の広島訪問以上のビッグニュースだと言えます。

1979年に米国はシナとの国交を結ぶ代わりに、シナの要求通り台湾との国交を断絶させました。これは台湾を国家として承認しない決断をしたということです。

それから米国大統領と台湾のトップが公式に会談することは一切行われてきませんでした。

それが2016年12月2日にまさに37年ぶりに行われたわけです。

今までは表に出ないようにして実質会談はしていた可能性があります。ですが今回のように「建前」としても会談することで、トランプ次期政権は台湾はシナの一部ではないと明言したようなものです。台湾の蔡英文総統からではなく、トランプ氏側からこの事実が明らかになった点もシナを当惑させています。仮に台湾側から発表していたとしたら、シナはそこまでショックを受けなかったでしょう。

今後注目すべきは実際に会うかどうかです。トランプ大統領が台湾まで行くか、または蔡英文総統がワシントンDCを訪問しホワイトハウスに招かれるかどうかです。今のところ台湾の現職総統は誰一人としてワシントンDCに足を踏み入れることができていません。

必死に打ち消すレームダックのオバマ政権

オバマ政権はさっそく打ち消しに出てきました。これは当然と言えます。トランプ次期政権のメンバーは台湾はシナの一部ではないという立場にたつものの、今はまだオバマ民主党政権なので台湾よりシナ優先なわけです。

トランプ次期米大統領が台湾の蔡英文総統と電話会談したことを受け、国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は2日、米国の政策に「変更はない」とし「一つの中国」原則を堅持すると強調、「平和で安定した中台関係が米国の利益だ」と指摘した。(産経新聞2016.12.3 http://www.sankei.com/world/news/161203/wor1612030032-n1.html)

つまりは今まで通り台湾は国としてみなさないと米国は言っているわけです。でもこれはオバマ政権のメンバーが言っている話であり、大統領が変わると米国は政治任用が徹底しているので日本の省庁でいう課長級以上が全員入れ替わります。課長補佐級以下しか残らないので、手のひらを返したように言い分が変わります。

トランプ政権が発足してから事務が安定するまで100日から1年はかかりますから、その安定後にどのような立場をトランプ政権がとってくるか楽しみです。

トランプと対決する度胸のない怖気づいたシナは台湾攻撃を開始

普通ならシナは米国のトランプ次期大統領に文句を言うはずです。ですがトランプ氏と戦うのは得策ではないと判断したのか、なぜか台湾の蔡英文総統を批判し始めました。

香港フェニックステレビの電子版は3日、台湾の蔡英文総統とトランプ次期米大統領による電話会談について、中国の王毅外相が「台湾側のくだらない小細工だ」と述べ、蔡氏を批判したと伝えた。電話会談が蔡氏から持ち掛けられたことを踏まえ、中国政府は批判の矛先を主に台湾に向ける構えとみられる。(産経新聞2016.12.3 http://www.sankei.com/world/news/161203/wor1612030036-n1.html)

シナはオバマ政権に対しては米国を名指しで批判してきましたが、さすがにマイケル・フリンや、数年前まで軍人だったジェームズ・マティスという対シナ強硬派で固められたトランプ次期政権には何も言えないようです。

トランプ氏は経済分野については一家言ありそうですが、安全保障についてはよくわかってないので、今回の会談決断もマイケル・フリンやジェームズ・マティスの助言あってこそです。トランプ氏の独断ではなく、参謀の助言があったからこそこのような行動を取ったといえます。

ということはトランプ氏は安倍首相が言ったように「他人の話をよく聴くタイプ」というのは間違いなさそうです。中には石原慎太郎のように「俺は他人の言うことは聞かない人間なんだ」という人もいますから、その点はトランプ氏はしっかり専門家の意見を尊重するということで、軍人の意見を無視し続けたオバマ大統領よりも圧倒的に期待できます。

尖閣の日本領有、沖ノ鳥島の日本領有を条約で明文化できたら台湾と国交正常化してもいい

安倍内閣の対シナ政策の切り札としては、台湾を国家として承認し、平和友好条約を結び国交を正常化することです。平和友好条約を結べば大使館を設置できます。これはシナがかなり嫌がるものになります。

ただし、日本と台湾は潜在的には敵国同士であることを認識しなければなりません。

隣同士の国というものは仲が悪いのが普通であり、インドはパキスタンのみならず、海を挟んで隣のスリランカとさえ険悪です。

これは日本と台湾でも同じで、台湾は沖縄県石垣市の尖閣諸島の日本領有を認めてない他に、日本の最南端の島である東京都小笠原村にある沖ノ鳥島の日本領有も台湾は認めていません。

逆に言えばこの2点さえ台湾が認めて、それを書面で明文化して平和条約締結をすれば日本と台湾の間にはなにも障壁がなくなるわけです。そうすれば日本は台湾を国家として承認し、大使館を設置し、台湾の連合国加盟を支持してあげるということもできます。

さらにはオーストラリアと同じように、物品役務相互提供協定を締結し、台湾を準軍事同盟国にすることもできるでしょう。

とりあえずこの点さえクリアすれば、日本は米台国交正常化を待たずに独断で国交正常化してもいいレベルです。