祝!米朝会談決裂 「とりあえず空爆」のボルトン補佐官も同席 大統領選目的で安易な譲歩をしなかったトランプ大統領は優秀

2019年2月27日から2月28日にかけてベトナムで実施されていた米朝首脳会談が決裂してくれました。自民党支持者にとっては非常に良いニュースです。

会談後に予定されていた会食がキャンセルされ、2時間も早く切り上げてトランプ大統領は早々と帰国の途につきました。

NHKスタジオの面々はお通夜状態 トランプ当選時と同じ

2016年11月の大統領選投開票日当日の夕方、「次期大統領にトランプ氏」と速報で特番を組んでいたNHKは悲壮感に満ちていました。

アナウンサーはかなり嫌そうな声色で淡々と「トランプ氏が当選確実」と読み上げていました。

今回のハノイ会談でもNHKは全く同様の空気になっていました。

安倍首相のNHK番記者として有名な岩田明子も暗い表情。「識者」として集まったコメンテーターも一様に意気消沈ムードで、NHKのスタジオは完全に「お通夜会場」と化していました。

「とりあえず空爆でしょ」で有名なあのジョン・ボルトン補佐官もしっかり会談に同席

2018年に実施された第1回米朝首脳会談のときも、左翼メディアは「ボルトン補佐官が出席する予定のないことが唯一の救いだ」と報道していました。

しかし第1回目の米朝首脳会談が実施されるとその席にはボルトン補佐官もいたのです。

そして今回も「ボルトン補佐官はいまのところ出席の予定はない」と、出席して欲しくないかのような願望報道をしていました。

しかしやはり今回の会談でもしっかりボルトン補佐官は会談に同席していました。

ボルトン補佐官はある意味でトランプ政権の守護神であり、彼がいる限りはトランプ大統領が安易な妥協をすることはないでしょう。

「英EU離脱国民投票」「米大統領選」に続いてまたもや予測を外してしまった左翼メディア

2016年に実施された英国でのEU離脱国民投票と米国大統領選挙。両者ともに事前の左翼メディア報道が大外れしたことは左翼が絶対に思い出したくない忘れたいトラウマになっています。池上彰が「トランプ当選は100%ありません」と断言してしまっていたのは池上彰にとっては一生の汚点となってしまいました。

今回も同じように予測を外してしまいました。これも「平和な方向へことが進んでほしい」という願望が左翼メディアの意識の根底にあったからです。

米朝首脳会談が再開されたベトナム・ハノイでは28日午前、前夜の会談の模様などから、合意を予測した楽観ムードが漂っていた。会談再開に先立ち、トランプ米大統領は「(会談は)成功するだろう」、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は「素晴らしい結果を確信している」とも述べていた。合意失敗の一報に、世界から集まったメディアは色めき立った

(中略)

午前9時45分、拡大会合の冒頭、両氏は机を挟んで向かい合い、再びカメラ前で言葉を交した。両氏とも手を机の上で組んで話したが、金正恩氏だけは、右手にかぶせた左手の親指をせわしなく動かしながら、落ち着かない様子だった

この拡大会合から、ほぼホワイトハウスの発表どおりに進んでいた日程が狂い始める午前11時55分開始予定の昼食会が、なかなか始まらない。午後1時ごろ、国際メディアセンター内には「交渉決裂」の未確認情報が飛び交い始めた

その後に米側が、昼食会の中止と、午後4時に予定していた記者会見を同2時に繰り上げる変更を発表。メディアセンターでは、数百人の記者らが、蜂の巣をつついたように「合意失敗か」と報道を始めた

産経新聞 2019年2月28日 https://www.sankei.com/world/news/190228/wor1902280068-n2.html

このように左翼メディアが慌てふためく姿は2016年11月の米大統領選挙のときもありました。フロリダ州でトランプ勝利が確定したときです。フロリダは大票田であると同時に勝者総取りの州であり、さらにクリントン勝利が予想されていたためフロリダでトランプ勝利が判明すると左翼メディアは混乱していました。

今回も同じ轍を踏んでしまったと言えます。

自民党幹部「決裂してくれてよかった」

日本政府は「決裂してよかった」と公式コメントとして発表するわけにはいきません。安倍首相の内心は「決裂してくれてよかった」でしょうが、日本政府としてそのように発言することはできません。

しかし政党である自民党は公党でありながらも民間団体であり、議会としての自民党の立場なので好き勝手発言できます。

自民党の萩生田光一幹事長代行は28日夜、東京都内で開かれた公益財団法人「国家基本問題研究所」(櫻井よしこ理事長)の月例研究会で、米朝首脳会談に関して「トランプ大統領が安易な妥協をしなくてよかったというのが正直な感想だ」と述べた。

産経新聞 https://www.sankei.com/politics/news/190228/plt1902280015-n1.html

幹事長代行の萩生田氏は安倍首相の側近の一人として有名ですが、米朝会談決裂を心底歓迎していると見て取れます。これは自民党支持者にとっても同様です。今回の米朝会談決裂を嫌がっているのは公明党・立憲民政党支持者です。

民主党の黒人オバマだったら確実に譲歩していた

オバマ前大統領は「妥協」と「譲歩」でレガシーづくりを優先する人物でした。イラン核合意もキューバ国交正常化合意もすべて米国側が「妥協」したことによるバカチョンでもできる合意でした。

「合意すること」自体を目的化するのならその目的達成は簡単です。譲歩しまくればいいだけです。オバマのレガシーづくりはまさにこの「譲歩して妥協する」ことによるものでした。

トランプ大統領はイラン核合意もキューバ国交正常化も白紙にしてオバマのレガシーを全部潰してくれました。

今回の米朝会談もオバマだったら合意することを最優先していたでしょう。共和党の白人大統領であるトランプ氏だったからこそ今回の米朝会談決裂という結果を出すことができました。

金正恩にとっては就任以来最大の危機

産経新聞が的確な分析をしてくれています。

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は「制裁解除」ありきでトランプ米大統領とのハノイでの2回目の会談に臨んだ。しかも十分な実務者協議なしにトランプ氏の決断に全てを委ねる賭けに出たことが裏目に出た今回の会談失敗は、金氏にとって最高指導者就任以来の重大危機ともいえそうだ

(中略)

金氏は1月の新年の辞で「米国が一方的に何かを強要しようとし、制裁と圧迫に出るなら新たな道を模索せざるを得なくなる」と警告し、あくまで制裁解除ありきの交渉を米側に迫った。同時に「人民生活の向上」を第一目標に掲げており、経済を圧迫する制裁は体制の将来を左右しかねない死活問題だった。

一方で、米側が求める実務者協議には応じようとせず、議題の本格協議に入ったときには会談まで1週間を切っていた。金氏はその2日後の2月23日に専用列車で平壌をたつ。非核化と制裁に関わる重大事項はトップ同士の直談判で決めるとのメッセージだった。だが、トランプ氏は会談本番で首を縦に振らなかった

北朝鮮は金氏の今回の長期外遊を政権高官の寄稿文などで「大長征」と持ち上げて国内向けにも大宣伝し、成果に対する住民らの期待をあおった。28日には、両首脳の初日の会談で「全世界の関心と期待に即して包括的で画期的な結果を導き出すため、意見が交わされた」とメディアで大々的に報じていた。

米側に制裁の撤回を突き付けた新年の辞は最高指導者の公約といえ、金氏にとって制裁問題での譲歩は難しい。金氏は退路を断つ交渉戦術で自らを窮地に追い込んだ形となった

産経新聞 2019年2月28日 https://www.sankei.com/world/news/190228/wor1902280066-n2.html

NHKでは北朝鮮に不利な論調で報道していませんでしたが、産経の報道をみれば金正恩が大失態を犯してしまったことがわかります。

北朝鮮の敗因は博打をしたことです。実務レベルでの理屈を重視した会合を軽視し、トランプ大統領の政治決断に山を張ったのが金正恩です。トランプ政権はトランプ氏本人だけの決断が重要であるため、トップさえ抑えることができればいけると北朝鮮は賭けにでましたが、それは失敗しました。これはボルトン補佐官のような強硬派や日本政府が地道にトランプ大統領にインプットしてきた成果です。

何も合意できないと知りながらトランプ大統領が会談に応じたのは「戦争回避のチャンスを北朝鮮に与えてあげた」アリバイ作りのため

トランプ大統領も今回合意できると全く思ってなかったでしょう。合意できるなら実務レベルで合意していて、トランプ大統領と金正恩が会うのは単なる象徴としての儀式だけの意味しかないからです。

それでもトランプ大統領がベトナムまで足を運んだのは、「米国は北朝鮮に戦争回避のチャンスを与えてあげた」というアリバイを作るためです。

米国が北朝鮮を軍事攻撃する場合は個別的自衛権の発動ということになりますが、たとえ個別的自衛権の発動であっても戦争をするには正当化するための理由が必要です。

今回米国の大統領がわざわざ足を運んで、「保有する核施設の一覧を出し査察に応じるなら、核放棄後に経済制裁解除してもいい」と提案したにもかかわらず、選択権のない北朝鮮自らその提案を蹴ってしまったので、「米国としては話し合いでやるべきことはすべてやりつくした」とアピールするのが今回のハノイ会談でした。

このようなアリバイを作れただけでも米国にとっては大きな収穫です。