2016年12月の世論調査で、共産党の支持率増加率が+16.2%となり全政党の中で最も支持率増加率が高いという大躍進を遂げる中で、自民党と連立している公明党は-4.65%となり全政党中最大の下落率となりました。
これは支持率の絶対増減幅であるポイント数ではなく、前回の支持率から何%増加したかという増減率で分析したものです。各政党の支持率増減率について詳しくはこちらの2016年12月安倍内閣支持率55.6%に下落、真珠湾訪問支持は88.2%の記事で掲載しています。
公明党と共産党は昭和の時期からの宿敵らしいですから、両方同時に支持率が上がることはあまりありません。片方に支持者が流入すればもう片方からは流出する。このような関係を「拮抗作用の関係」にあると言います。両方とも似たようなイデオロギーを持っているからです。
カジノ法案反対で党議拘束しなかった公明党への失望が表面化
世論調査ではカジノ法案へ反対しているのが63.4%にも上っています。賛成は29.5%にしかすぎません。反対が多数派ということは高齢者が反対しているということとニアリーイコールです。高齢者ほどカジノに反対しています。もう落ち着いて静かに余生を過ごしたいから、若い人が遊ぶ場所を作って外国人が入ってきて治安が悪化しても高齢者には何の得もないからです。
当然私はカジノ大賛成派です。別に経済効果はどうでもよく、国が営むビジネスの一環として競争力の低い国営カジノでもいいと思っています。単にカジノという景気のいい場所が日本にできるだけでも経済は上向きます。理屈ではなく経済とはそういうものです。
シンガポールやマカオ、遠くではハワイやラスベガスまで行かないとなかったカジノがすぐ近くにできるのは一時代が終わったと思わされる大変革と言えます。
当然公明党支持者も反対でしょう。支持者はほとんど高齢者だからです。山口那津男代表と井上義久幹事長は反対票を投じましたが若手ほど賛成するという結果になりました。
公明党支持者としては反対の党議拘束をかけて反対して欲しかったでしょう。ですが自民党が賛成してる上に、公明党に友好的なあの二階幹事長でさえカジノ推進派です。しかも維新まで賛成に回るとなると衆参ともに2/3近くがカジノ賛成になります。さすがに反対したら民進党や共産党と同じだというレッテルを貼られると恐れたのでしょう。
結局は自主投票でしたが、公明党支持者としては反対して欲しかったのにこのような軟弱対応になって失望されたと言えます。
2013年12月にカジノ法案が提出されてから3年近くも放置されていたのは自民党が参院で単独過半数無かったから
日本維新の会の松井代表が「2013年12月にカジノ法案を提出してから3年も経っている。審議不十分と言うが、この3年間民進党は何をやってきたのか」と正論をぶつけていました。このとき自民と維新の他に、なんと生活の党もカジノ法案を共同提出しています。これは小沢一郎がカジノ大好きだからです。ですが自由党になってから「反自民」を徹底するために今は「建前」としてカジノ反対を装っています。本音ではカジノ賛成でしょう。でも自由党という名の小沢党は弱小かつ影響力のない政党ですから小沢党はカジノ賛成派にカウントする必要はありません。
このカジノ法案がなかなか審議入りできなかったのは、公明党が一貫して反対していたからです。2015年常会でも安保審議を優先し、「公明党が嫌がるものを同時に2つやるべきではない」論でカジノ法案審議がまたもや見送られました。
ですが風向きが変わったのが2016年7月10日投開票の参院選です。ここで自民党が選挙後に入党した平野達男議員を含めて参院自民党が122議席に達し、自民党が27年ぶりに衆参ともに単独過半数を確保しました。ここから自民党が公明党の反対を振り払って強気の姿勢にでてきます。
カジノ、年金改革法案に一貫して反対した共産党が貧困左翼の受け皿に
私が聞き伝で知っている公明党支持者層は、高校が嫌になって中退した男が中卒で暴走族に入った、同じく高校中退した女が中卒になってからあちこちで妊娠し複数の男と3回離婚までして母子家庭で週末は夜に子供の見てる前で男が迎えに来た車に乗って家に子供を残して遊びにいったり夜のバイトで早朝帰りです。しかも年長の中学生にタスポを渡してタバコを買わせているという母親の違法行為。タバコにつぎ込む金を塾の費用にまわさない。そんな母子家庭に生まれてしまった小学生が哀れでなりません。中学生の子供にタスポを渡してタバコを買い与えているのはどう見ても違法なので、より詳細に聞き出して警察に通報しようと思っています。
4人以上いる子供が全員高卒18歳から働いているときいて「これが格差か」と思ったものです。高校卒業ができても土建屋しか就職先がなく薄給で危険な仕事をしている。とても自民党を支持するような層ではありません。共産党を支持する方がぴったりです。
私がグラフを用いて定量的に解説したこちらの高所得、東大などの高学歴ほど自由民主党に投票しているに記載してある通り、高所得層が多い区や東大など高学歴ほど世間の平均より圧倒的に自民党を支持しています。ホワイトカラーが支持するのが自民党なわけです。
つまり自公連立の本質とは、「高学歴かつ高所得」と「低学歴かつ貧困」の連立でバランスをとるというものですが、自民党が衆参両院単独過半数を確保したために、公明党の発言力が低下し貧困層の公明支持者が離反して共産党に流れているというのが現実です。
安保法制の成立に賛成しさらにカジノ法成立を阻止できず
公明党の国政影響力低下し完全に自民主導
公明党の雲行きが怪しくなってきたのは2014年4月までに行われていた、集団的自衛権の行使を容認するために憲法解釈を変更する旨の閣議決定文言の調整です。
ここで山口那津男代表が「隙間風は吹いていない。吹かせない。連立離脱は絶対にない」と連立離脱というカードを捨ててしまったために、「なんだ連立離脱まではしないのか」と自民党に足元を見られ自民党が強気の姿勢になりました。結果的に、公明党が要求する「警察権の範囲内でできる。”集団的自衛権”という文言は絶対に入れない」といったものは受け入れられず、「集団的自衛権」という漢字6文字を入れることにこだわった安倍首相の勝利となりました。
このときから、自民党と公明党の間の隙間風ではなく、公明党と支持者との間の「隙間風」が吹き始めました。そして自民党が参院で単独過半数を獲得したことで公明党の意向を無視するようになり、カジノ法案に賛成した公明党議員も出てきて、支持者からみたら「一体何のために一生懸命運動して集票しているのか」といったことになってきたのでしょう。
安倍首相は2017年1月の解散を見送ったとされます。そうなると次は2017年11月解散と12月投開票日が濃厚です。2017年常会では共謀罪というこれまた公明党支持者が嫌がっている法案成立が待ち構えています。ここで支持者を納得させられるのか、都議会で自公連立が解消され、公明党は今正念場を迎えていると言えます。