和歌山県の御坊市長選挙で二階俊博衆院議員の長男が落選しました。
まさかあの二階俊博に反旗を翻して立候補する人がいるのかと思いましたが、長年続けてきた現職を市民は選択したということです。
未知数の長男よりは経験が長く人となりがわかっている現職を選んだということでしょう。
さらにこの市長選の誤りは稲田朋美政調会長や小泉進次郎氏を投入したことです。これは一般市民からすると、コネに頼ってひたすら応援されているのは印象が悪いわけです。
結果的に6割強を得票した現職が当選し全く僅差とはいえない結果になりました。大阪都構想の大阪市住民投票くらいだったら接戦と言えそうですが、これはもはや二階俊博の長男の惨敗レベルでしょう。
二階俊博氏は年4回もチャイナへ訪問しているほどの、安倍さんとは真逆のイデオロギーを持っている人です。普通なら対立関係にあるでしょう。ですが二階さんは、
「私は誰にでも仕えるわけではない。首相はよくやっている。」と言って今のところ首相とは良好な関係を維持しています。
中国共産党の表舞台からは姿を消しているものの党内で院制を強いている江沢民は、日本の国会議員と面会するときに「二階とはどういう関係なのか?」ときまって尋ねるようです。
これは二階氏との親密度の高さが親チャイナ派のバロメーターとして江沢民は見ているということでしょう。
逆に言えば二階氏と疎遠な国会議員ほどまともと言えます。
安倍首相の側近は「少し足元が緩むと二階氏は簡単に反旗を翻してくる」と警戒していましたし現在も警戒しています。
よって安倍さん側からみて「二階氏は裏切らないか」とよく注意している対象でした。
ですが二階氏の力が絶対的ではないことが今回の市長選でわかってしまいました。逆に長男を応援せず、感知せずを貫いたほうが二階氏にはプラスだったでしょう。
二階氏の力が弱まることは日本の脱チャイナを加速させるので良いことです。チャイナに振り回されて倒産する企業は減るでしょう。ダイキン工業のように二度とチャイナに回帰はしないという企業が多く出てくる好機です。
ですが二階氏の力が弱まることが安倍政権にとってすべてプラスかといえばそうでもありません。
二階派は安倍さんと対立するような考えを持った人が多いので、二階氏の統率力が失われると反安倍派の制御がきかなくなってきます。
今はボスである二階俊博氏が安倍さんに協力的であり、二階氏の強い力で派閥をまとめているからなんとかなっているものの、これがバラバラになってくると安倍さんには脅威になります。
甘利大臣が辞任したときに二階俊博氏がスキをついて反旗を翻してくるかとも思われましたが、「こういうときだからこそ党をあげてバックアップする」として安倍さんに協力的に行動しました。
さらにオバマ大統領の広島訪問が決定した時も、「率直に言って快挙」、「安倍さんが勇気ある行動と発言をし続けてきた結果」と絶賛しています。
ですが二階氏は増税賛成派です。消費税増税を延期しつづけるといつまでも安倍首相に仕えてる状態ではないかもしれません。
二階氏はもうじき80歳なので引退が近い議員です。味方につければ得、敵に回すとこわい二階氏ですが、そう遠くない時期に引退ということでその問題は時間が解決してくれそうです。
本当に様々な分野から脱チャイナが進んでいることをみると2007年当時からは予測できなかったほど大きく流れが変わっていると実感します。