2つの観点から英国保守党のメイ首相敗北を喜べない日本の左翼メディア

英国の保守党を率いるメイ首相の敗北が確定的となりました。

メイ首相が所属する保守党(トーリー党)は日本で言うと自由民主党、米国でいうと共和党に相当する保守政党であり、本来なら保守党の敗北は日本の左翼は歓迎するはずです。

しかし、今回の保守党の敗北は日本の左翼メディアも歓迎できていません。2つの点で左翼が嫌がる部分があるからです。

まず英国では第一党の党首が議会の第一大蔵卿になり、その第一大蔵卿が行政府の首相を兼務します。メイ首相の正式な肩書は「首相兼第一大蔵卿」であり、議会としての保守党の代表という立場もあります。

つまり第一点目として、保守党の敗北はその保守党の党首であるメイ氏の敗北を意味するわけです。

これは「女性の敗北」を意味します。労働党の党首は男性だからです。

左翼は男が強く女が弱い社会を嫌っています。今回のような「女が男に負けた」という選挙は左翼メディアからしたらできれば無かったことにしたいレベルの嫌な出来事だと言えます。

もし保守党が”地滑り的大勝”をおさめていたら、そのリーダーであるメイ首相の勝利を民進党の蓮舫代表や産めない小池百合子は「同じ女性として勇気づけられる」としてコメントしていたでしょう。でも実際は真逆に行ってしまったわけです。

そして第二点目として、朝日毎日東京(中日)のような左翼メディアはEU離脱に反対しています。EU離脱に強硬的なメイ首相が敗北すれば左翼としても歓迎すべき事のはずです。

しかし、今回は労働党もEU離脱を推進する立場であり、単に交渉を強硬的にやるかどうかの違いがありました。労働党もEU離脱には賛成しており、条件が悪くても強硬的に離脱するのが保守党で、良い条件になるまで交渉を続けるのが労働党の立場だったので、どちらにしろEU離脱は確定的です。

また、EU側としてはメイ首相の勝利を望んでいたことがわかっています。どうせ英国はEUから離脱することはわかっているのだから、保守党が負けて交渉が長引くより保守党が勝利してさっさと離脱が完了してくれたほうがEUとしても有り難いからです。

日本の左翼はEUを応援していますから、EUが期待していた「メイ首相勝利」が実現しなかった点からも日本の左翼にとって後味悪い結果となったわけです。