トランプ氏の米軍撤退論は片務性が原因 日米相互防衛条約になったら2010年以降産まれは徴兵制

トランプ氏が主張する在日米軍の費用負担論は、お金の話をすれば米国民に受けがいいという選挙対策で使われた側面が強いです。

しかしトランプ氏が本来主張したいことはお金の問題ではありません。

「米兵は命をはって日本を守らなければならないが、日本の自衛隊員は米国を守らない。こんな不平等な条約があるか」と言っているのです。

これはお金の問題どころではありません。むしろお金だけで解決できるなら日本にとってそんなに良い話はありません

在日米軍の費用負担という非常に矮小化された議論ばかりされていますが、全額支払ってこの問題が解決するならそんなにありがたい話はありません。

仮に全額支払ったところでこれは解決する問題ではなく、最終的には「米国が戦争するときには日本の軍も米軍を守れ」という平等条約への条約改訂をトランプ氏は突きつけているのです。

トランプ氏の日米安保の不平等論はお金の問題ではない

日米安全保障条約には、「米国は日本を守るが、日本は米国を守らない」という片務性が存在することが、不平等条約といわれるゆえんです。

つまりこれはお金の問題ではなく、他国のために命をかけられるか、という点が問題なのです。

軍人の命というのはお金の価値で測れるものではありません。米軍が日本のために命を犠牲にするのなら、日本軍も米国のために命を犠牲にする、これがトランプ氏が求めていることです。

ドイツも南も相互防衛条約なのに日本だけ安全保障条約

ドイツも南も米国と相互防衛条約を結んでいます。これには片務性・非対称性はなく、双務的であり対称的です。

だから南やドイツは費用負担というお金の解決の仕方で許されます。もともと相互防衛条約では、「米国が攻撃されたときにドイツや南は米国を守る」ということが明記されているからです。これらの国は費用負担の増加というお金の解決の仕方でトランプ氏は納得してくれます。

しかし日本は全額費用負担したところでトランプ氏は納得しません。日本人が命をかけて米国を守らない日米安全保障条約は不平等だからです。

日米相互防衛条約はさらなる憲法解釈変更のみで可能

日米相互防衛条約にするには軍隊の保有が必要です。そんなの憲法改正しないとできないじゃないかと主張する人がいますが、それは嘘です。これは憲法解釈変更で簡単に実現できます。

「憲法第9条1項では、侵略戦争を行うことを禁止しているのであり、同2項では侵略戦争を行うための軍隊の保持を禁止している。よって自衛戦争を行うための軍隊の保持は禁止しておらず、自衛権の発動たる戦争を行うことは国連憲章でも保障されている国家固有の権利であり、自衛戦争を行うための軍隊は保持できる」

このように憲法解釈を変更すれば軍を持てるわけです。

米国もロシアも第二次世界大戦以降いくつも戦争をしていますが、実は米国もロシアも自衛戦争の範囲内という解釈で戦争をしてきています

侵略戦争というのは国際法で禁止されているので違法です。だからどの国も侵略戦争をやるなんて言ったら袋叩きにされること必死なので、絶対に侵略戦争をやるなんて言いません。

その代わり、すべて個別的自衛権の範囲内の自衛戦争として戦争をしているのです。ロシアのウクライナ戦闘もロシアからみたら個別的自衛権の範囲内の自衛戦争です。アメリカのイラク戦争も、米国の個別的自衛権の発動たる自衛戦争として行っていました。

このように侵略戦争はできないけど自衛戦争はできるというのは、実は米国もロシアも採用している国際標準なのです。つまり上記のように憲法解釈を変更すれば、米国やロシアとまったく同じ法規制で軍をもつことができるわけです。

南の釜山と長崎の対馬はたった49.5km ほぼ陸続き同然

もすでに日本列島全島がロシア、北、チャイナのミサイル射程範囲に入っています。

さらには南の南端である釜山と、長崎県の対馬の間にある対馬海峡はたった49.5kmしかありません。東京から横浜くらいの距離です。

そのくらいしか離れていないようでは陸続きも同然であり、南が置かれている安全保障上の危機というのは日本でもまったく同レベルの危機なわけです。

徴兵制を導入する南 人口はたった2倍しか違わないのに徴兵制がない日本がおかしい

現在南の人口は5000万人です。日本の半分程度です。しかし南は徴兵制を導入しています。

安全保障上の危機は同レベルにもかかわらず、徴兵制を導入していない日本のほうが不思議と言えます。しかも両国ともに米軍が駐留しています。条件が全く同じなのになぜか日本だけは徴兵もせず相互防衛もしない。それはトランプ氏も文句を言いたくなるのは当然です。

台湾もまだ徴兵制を廃止していない

沖縄県与那国島から台湾までの距離は111kmです。人口2300万人の台湾では現在徴兵制を導入しており、数年以内に廃止する予定ではいますが、チャイナとの関係悪化を受けてそうそう徴兵制を廃止できる状況にはないでしょう。

このように日本の近くにある南のみならず台湾でも徴兵制を敷いているわけです。チャイナからの脅威は物理的に近い距離にある台湾も日本も同じであるのに、なぜか日本は徴兵制が今のところありません。

日本と人口がほぼ同じロシアも徴兵制

北海道本島と、ロシアの樺太との距離はたった43kmです。すぐ目と鼻の先にロシアが居ると言えます。しかもロシアの人口は1億4000万人と日本とほぼ同じかそれより多いにもかかわらず、ロシアは徴兵制を導入しています。

つまり日本の周辺国は、人が有り余ってるチャイナ以外は徴兵制を採用している

チャイナだけは徴兵制を導入していません。人口10億人以上で人余りだから当然とも言えるでしょう。北も徴兵制を導入していますし、ロシア、南、北、台湾、これらの国は日本から数十キロメートルしか離れていないのにもかかわらず、徴兵制を導入しています。

もはや日本に今まで徴兵制が無かったこと自体が不自然だったと言えます。

日本の防衛費対GDP比4%と、日米相互防衛条約でようやく米国と”対等”になり、トランプ氏は文句を言わない

日本は現在防衛費を対GDP比で1%の5兆円しか負担していません。一方で米国は4%を超えています。米国のGDPは日本の3倍なので、米国の防衛費は60兆円です。

日本も4%負担すれば防衛費は20兆円になります。米国の方が3倍国力が大きいわけですから、日本の防衛費が20兆円、米国の防衛費が60兆円というのはフェアです。

加えて日米安全保障条約を日米相互防衛条約にする。

ここまでくればトランプ氏は文句を言わないでしょう。

ですが日本の防衛費を4倍にするということは、兵も4倍必要になるということです。現在自衛隊採用では倍率4倍を切っているところがあるので、これでは志願兵制では人員が足りなくなります。だから当然徴兵制になります。これは先程も書いたように、南や台湾で徴兵制を仕方なく導入しているのだから、すぐ隣にある国の日本が導入していないのは逆におかしいわけです。

徴兵制導入時点で45歳になっていればセーフ 大東亜戦争終戦末期でも日本の徴兵は45歳まで

徴兵には年齢制限があります。徴兵制導入時点で45歳を迎えていれば「逃げ切り組」だと言えるでしょう。大東亜戦争では戦況が厳しくなるにつれて徴兵年齢制限が引き上げられていきましたが、それでも45歳まででした。あれほどまで厳しい戦争でも45歳までだったのですから、45歳になっていれば全然余裕でしょう。

今すぐ徴兵制導入というわけではないので、導入まで時間がかかればかかるほど逃げ切れる確率が高まります。

今すぐ徴兵制が始まったら私は余裕で徴兵対象です。10年後でもされます。できれば20年後に徴兵制を導入して欲しいものです。

逆に言えば、2009年や2010年以降に産まれた世代はかなり厳しい赤信号だと言えます。ここ数年で産まれてきた世代は酷だと言えるでしょう。