30年前に倣うなら衆参同日選を行うかどうかはもう確定している

「7月から9月の経済状況がわかる。そうするとね、11月17日くらいまでに(経済状況が)わかりますから。20日くらいに、総理は消費税 10%にあげるかどうか決断する。そのあとの12月2日にね、思い切って衆議院解散して、12月14日投開票。24日に内閣改造。予算は越年。」

これは2014年11月2日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」における飯島勲さんの発言です。

このあと辛坊アナウンサーがメモを受け取って「すごい!もう日程決まってる!」と驚いていました。

 

結果どうなったかというと第47回衆議院総選挙が実施されました。

そして11月21日衆議院解散、12月2日公示、12月14日投開票、12月24日第三次安倍内閣発足、という結果になりました。

あまりにも飯島メモ通りになっていて驚かされます。

 

では今回は飯島勲が何もコメントしてないから衆院解散がないかというと、もうすでに飯島さんが手をうっていると思います。

それが5月1日あたりに一斉に報道された「首相、衆参同日選見送りへ」というニュースです。おそらく衆参同日選が行われないものとして野党を油断させて30年前の「死んだふり解散」になるべく近い状況を創りだそうとしたのでしょう。

 

30年前の中曽根内閣による衆参同日選と今夏というはあまりにも共通点が多すぎます。30年前もサミットの議長国は日本であり東京サミットを中曽根総理が主導しました。

まずG7(サミット)の議長国というのはロシアが参加していた頃は8年に1回しか議長国が回ってこないものですし、ロシアがsuspendedになっている今でも7年に1回しか回ってこないものです。

その7年に1度の議長国の年に、3年に1度しかない参議院選挙が運良く重なっています。これだけでかなりレアな確率になりますが、そして前回の衆院選から1年半が経過しているという衆院解散適齢期でもあります。

30年前の衆参同日選は7月6日投開票でした。そして中曽根総理は5月11日には衆参同日選を行うことを決断していたようです。

今年衆参同日選があるとしたら7月10日が濃厚と言われていますが、30年前にならえば5月15日の段階で衆参同日選を行うことが事実上決まっていてもおかしくないわけです。

 

2014年の衆院解散も直前までは「自民党にメリットがない」、「できるわけがない」と否定的なことがネットでもひたすら言われていました。おそらく自民党に衆院解散をして欲しくない側の工作でしょうが、結局野党の準備が整わないうちに解散をして与党が圧勝したわけです。民主党にいたっては「政権奪還をする」と言っておきながら、なんと擁立した候補者数の段階で衆院全475議席の半数にも及ばない候補しか立てられませんでした。つまり民主党候補が全員当選しても過半数がとれないというお粗末な状況で衆院解散を安倍さんがしてくれたわけです。

 

今夏の場合、正直言って参院選がなかったら衆院解散は100%無かったでしょう。

さらには熊本地震が起きてるときに衆院単独の選挙をするのは心証が悪いからです。

ですが今年は参院選があります。これは何が何でもやらなければなりません。任期6年の議員が任期満了で失職するわけですからね。これは震災が起きようとやらなければならないことです。

それならばおまけで衆院選をやるためには、投票箱と投票用紙を普段の2倍用意するだけです。

投票箱が足りない自治体があるようですが、それは国政選挙と地方選挙が重なったときでも対応できるようにしっかりマニュアルは整備されているようです。投票用紙を色分けするなどして、投票箱が足りなくしても対応できます。

衆院選がなくても参院選と知事選や区長選が同日になることもあり得るわけですからね。こういった事態を想定して同じ日に複数の選挙がぶつかっても大丈夫になっています。

参院選+知事選を同日にやっていいのに、衆院選だけは同日にやってはいけないというのは理屈としておかしいわけです。

だから普通に考えれば参院選にぶつけて衆議院を解散することは合理的判断をするならば誰でも決断することです。

最近大手ニュースメディアでも衆参同日選が再び現実味を帯びている旨のニュースがちらほら出てきています。

 

金融市場の動向を見る上で今夏はなかなか面白い夏になると予想しています。