2017衆院選は希望の党惨敗よりも公明党敗北35議席割れが激震に

2014年衆院選の激震は何だったかというと、民主党の海江田万里代表の落選です。菅直人氏と東京比例区の最後の議席を奪い合い、菅直人が比例復活し海江田万里が落選しました。

野党第一党の党首が落選するのは左派陣営にとって大ダメージだったでしょう。

今回、野党第一党になるとされている希望の党はなんと小池百合子党首が立候補していないので、最初から逃げの予防線をはっています。そのため野党第一党の党首が落選という喜劇を見ることができません。

今回の2017年衆院選の予想外の激震は何になるかというと、公明党が35議席を割ってしまうという事態です。

公明党は小選挙区で9名、比例で44名擁立しています。

公明党は勝てるだけの候補者数をあらかじめ見積もることができています。それが35人です。よって1人だけでも取りこぼしてしまったら、公明党の組織力の退潮を表す大激震になります。

小選挙区9議席のうち1議席でも取りこぼしたら大激震

公明党は比例44名が全員当選できるとは端っから考えていません。しかし小選挙区の9議席は死守するつもりでいます。

今回小選挙区には希望の党も日本維新の会も候補者数を立てていないので、公明党 vs. 共産党という犬猿の仲の構図になっています。公明党が目の敵にしているあの共産党に負けてしまうとなるとプライドが許さないでしょう。

今回公明党は議席を取りこぼし35議席取れず護憲派の退潮を決定づける

今回、どこの情勢調査でも公明党は35議席を維持と予測しています。この部分は誰も論点にせず、「公明党は35議席取るにきまってる」と思考停止してコピペで予測を終わらせているようなレベルです。

選挙とは予想外の結果がつきものです。自民党が単独過半数割れだとか、逆に単独で300議席取るかもしれないなどといった予測はいくらでも巷に溢れかえっていますが、公明党についてはノータッチです。

今回の選挙のキーワードは、「左派勢力の死滅」と言ってもいいでしょう。その一環として民進党の分裂があります。2012年衆院選でも、2014年衆院選でもしぶとく生き残ってきた左派勢力がいよいよ壊滅期に入ろうとしています。これは平成30年をもって平成という元号・平成時代が終わるのと無関係ではありません。

公明党も民進党と同じ護憲派勢力です。では公明党と民進党は何が違うかというと、単独で政権を取れるかどうかです。民進党は2009年衆院選のように国民が誤った判断をすれば簡単に政権が取れてしまいますが、公明党はどう転んでも単独で衆院過半数は取れません。

だから公明党はスジを曲げてでも自民党にくっついているわけですが、護憲派の退潮といった点では民進党や共産党と同じく公明党も衰退期にあります。

今回共産党は議席を減らすことが確実です。家庭用核シェルターが馬鹿売れしてるようですが、これはようやく一般国民も北朝鮮を「単なる脅しではない本当の脅威」とみなしはじめたということです。

共産党の勢いが弱まっているのはこのような国民意識の変化が原因です。その煽りを受けるのは、同じく反戦論者であり、護憲勢力である公明党も同じです。

2017衆院選は前回の2014年から3年も経過 その間に護憲派の年寄りが寿命で減っており、開戦論者の若年層が新たに有権者になっている

長期的な流れとしては、自民党は今後さらに勢力を伸ばす「高度経済成長」真っ只中にある政党です。自民党は若年層に強く支持されており団塊世代から嫌われているため、老人が死んで世代交代が進むと日本国民は自民党支持者一色になっていきます。

逆に衰退が約束されているのは、民進党とその分派である希望の党・立憲民主党、公明党、共産党です。

団塊世代以上に支えられている政党というのは時間の経過で自然消滅していきます。

選挙があるたびに団塊世代以上の老人が減っており、逆に対シナ朝鮮強硬派の開戦論者が多い若年層が次々に有権者になっています。

なぜ自民党で単独2/3を取れないのかと思っている人は多いですが、その解決は簡単です。アンチ自民で有名な瀬戸内寂聴の言葉を借りるならば「時間が解決してくれます」というものです。

とはいっても自民党にとって公明党は使い勝手がいいです。公明党単独では絶対に政権を取れないので毎回35議席が限界。自民党にとっては脅威にはなりません。

英国は単独ではロシアを抑えきれないため、日本と日英同盟を結びました。

英国にとって日本は「英国を補完する勢力」として都合が良かったから同盟を結んだわけです。

しかし、日本が独力で戦艦を建造するなど力をつけ始めたため、英国からしても米国からしても日本がけむたくなり、日英同盟は解消されました。

このように、将来的に補完勢力の立場を脱して、独力で政権を取れてしまうような政党は自民党にとってパートナーではありえません。

最初から補完勢力の域を出ることのできない公明党は自民党にとって都合がいいわけです。今後、高齢者が寿命で死んでいく中で公明党の集票力は弱まっていくでしょう。そしたらそのときに切り捨てればいいだけです。それまでは公明党と仲良くして使い倒すのが自民党にとって最適戦略になります。