自民党総裁任期延長、最低でも3期9年2021年まで安倍政権確実に

安倍首相が最低でも2021年まで総理大臣を務めることがほぼ確定しました。

完全に石破茂氏の大敗北です。

自民党総裁の任期を3期9年に延長するか、そもそも任期の制限自体を撤廃するという2つの選択肢にしぼられたようです。

2016年の間に結論をだし、正式に2017年3月の自民党党大会で党則を改正する手続きを踏むようです。つまり今年中に3期9年になるか、任期の制限なしでいくらでも総裁を務められるようになるか確定するということです。

自民党総裁任期延長が即安倍首相の続投に直結するわけではありません。ちゃんと総裁選はあります。ですが二階幹事長が3期目も安倍総裁と公言していることから、自民党最大派閥の細田派、副総理を輩出している麻生派、山東派の3つは必ず安倍さんに投票しますから、これに二階派が加われば、岸田派と石破派が離反したとしても安倍さんの再選は確実です。

オバマ大統領の広島訪問の直後でも二階氏は安倍総裁の任期延長についてそっけなかった

今となっては二階さんは安倍総裁の続投にノリノリのように見えますが、二階さんが安倍首相の続投を支持したのはつい最近です。

オバマ大統領の広島訪問について二階さんは「率直に言って快挙」「安倍さんがおそれずに粘り強い交渉をしてきた成果」と手放しで安倍首相を絶賛していましたが、総裁任期の話になると「任期を延長してもいいと考えるだけの実績ができることが必要」と冷淡なことを言っていました。

ですが参院選の投開票が終わり、与党で改選の過半数、27年ぶりに自民党が参議院でも単独過半数を獲得したことが確定すると、総裁任期延長について「今自民党で安倍さんの内外での活躍に異論を挟む人はいない。総裁任期延長は大いに検討に値する」と急に総裁任期延長を容認しはじめました。

おそらく二階氏は安倍首相の3期目容認を参院選の結果で決断した

二階さんはどのようなバックボーンで行動しているかというと、「自民党の党勢を徹底的に拡大すること」この一点です。

つまり二階さんとしては自民党総裁の政治的なイデオロギーよりも、選挙で大勝して自民党所属の議員を大量に国会に送り込めるかどうかを最も重要視しているということです。

だからイデオロギーが正反対ともいわれる安倍さんと二階さんは現在協調しています。

でもこれは今安倍さんに求心力があり、選挙で4連勝中だからということ。選挙で負けがこんでくると二階さんはあっさり離反していくでしょう。

2016年の参院選で大勝したから安倍さんに3期目を容認するという極めて実利主義に基づいた行動が二階さんらしいところです。

 

二階さんは参院選後は単なる総裁任期延長の容認だけではなく、「年内に結論を出す」「安倍首相の次はは安倍首相」のようにむしろ積極的に安倍首相の3期目を期待する発言になっていきました。

さらには先日チャイナの元国務委員が来日したときにも、「2020年も安倍総理のように思われるがどうか?」と二階さんが質問されたときに、「おっしゃる通り」と即答していました。

まだ総裁任期延長の議論が自民党内で始まったばかりにもかかわらずです。

しかも、総裁任期延長は安倍総裁の再選とは別問題です。総裁任期延長で3期できるようになっても、安倍さんが総裁選で負けてしまったら2020年は安倍内閣ではありません。

にもかかわらず、二階さんは2020年も安倍総理でいてもらうつもりでいるわけです。

これはつまり、二階さんの意図としては「総裁任期延長=安倍さんに3期目も務めてもらう」というものになっているわけです。

総裁選で落選したら安倍内閣にはならないが二階幹事長は再選させるのに乗り気

総裁任期延長は安倍総裁の再選とは別問題です。総裁任期延長で3期できるようになっても、安倍さんが総裁選で負けてしまったら2020年は安倍内閣ではありません。

にもかかわらず、二階さんは2020年も安倍総理でいてもらうつもりでいるわけです。

これはつまり、二階さんの意図としては「総裁任期延長=安倍さんに3期目も務めてもらう」というものになっているわけです。

これはもはや、二階幹事長としては総裁任期延長は安倍さんの任期延長と完全にセットで考えています。二階さんがこの考えを翻意しない限り、2021年までは安倍首相のままになってくれるでしょう。

「安倍総裁だけ特別に延長するわけではない。すべての総裁に適用される」で完全に論破されてしまった石破茂

この総裁任期延長に強硬に反対していたのが石破茂氏です。彼は2015年の総裁選でも総裁の座を狙っていました。ですが自民党幹事長を2期連続でやらせてくれたら反旗を翻さないと安倍さんと約束し、石破氏は2015年総裁選への出馬は見送りました。

ですが次の2018年の総裁選こそは出馬しようと考えています。

だからこそ総裁任期延長の議論開始に猛烈に反対していました。でもすでに外堀は埋められており、総裁任期延長は確実な情勢です。

今回の総裁任期延長は中曽根康弘元総理のときとは違います。中曽根さんのときには、中曽根さんに限って1年だけ総裁任期を延長するというものでした。

一方で今回の総裁任期延長は安倍さんに限りません。だれでも総裁選で勝てば3期連続で務められるのです。

つまり安倍さんだけ特別扱いしてるわけではないから、「石破さんだって3期連続で務められるんですよ。再選さえすればね」というものになります。

これに石破氏は完全に論破されてしまい反論できなくなってしまいました。最近は総裁任期延長を石破氏もしかたなく認めており、2018年の総裁選で真正面から安倍さんと戦って勝つことだけを考えているでしょう。

石破茂への支持が高いはずの地方からも「党本部に従う」と味方についてもらえず

2012年の総裁選は、一回目の投票で決着が付きませんでした。過半数を誰も獲得できなかったからです。そして2回目の地方票の投票でも決着がつきませんでした。でも2回目の投票では石破さんのほうが多数を獲得していたのです。

それでも3回目の決選投票で安倍さんの方が多数となり、めでたく安倍さんが総裁に選出されました。

石破氏からみれば地方は味方だと思っているらしく、総裁任期延長の議論に関して「地方の意見も聴くべきだ」と執拗に主張していました。

ですが蓋を開けてみたら、なんと地方も「党本部の方針に従う」と総裁任期延長を容認してしまったのです。石破氏の求心力が弱まっていることを感じさせます。

安倍内閣の大臣として無能ぷりを露呈した石破氏

安倍さんは石破氏が党内で勢力を拡大しないよう、閣僚に指名し閣内に閉じ込めて自由に活動ができないようにしてきました。かれこれ2014年に幹事長の任を解かれてから2年間です。

しかも地方創生担当大臣という傘下に官公庁をかかえていない閑職ポストでした。

2014年に地方創生担当大臣に就任するときに「単に職員が持ってきた案をホチキス留めするだけの仕事はしない」と言っていました。つまり単に職員がもってきた案をまとめるだけの仕事はせず、自ら積極的に関与して行政を動かすと言っていたのです。

ですが石破氏は衆院特別委員会で、改正前の趣旨説明を読み上げるという大失態をおかしました。これは内閣府職員が間違えて原稿を用意してしまったがために、それを石破氏がチェックもせずにそのまま読んでしまったことから起きました。

結局のところ国の職員が持ってきた原稿をホチキス留めすらせず、単に読み上げてるだけのお仕事だったのです。

そして地方創生担当大臣として何も成果が出せず、閣内に残るよう安倍首相に慰留されるも結局閣外に逃げ出しました。このような人が内閣総理大臣をやったら日本国にとって大損失です。日本が大損失を被ると喜ぶのがNHKとテレビ朝日・朝日新聞、TBS・毎日新聞なので、そのあたりのメディアは石破氏を総理大臣にするために徹底的にプッシュしてくるでしょう。

実際に民主党政権下の2012年10月の総裁選の時期は、NHKや朝日TBSといったメディアは安倍さんについて過去の病気を執拗に取り上げて、猛バッシングしていました。一方で石破氏については好意的に持ち上げており、放送法で違法とされているテレビ局の偏向報道が露骨でした。

岸田外務大臣は禅譲の可能性あり 野田聖子は失言で既に論外扱い

岸田外務大臣は安倍首相からの禅譲を狙っているとされています。禅譲というのは安倍さんから正式に総裁の座を譲ってもらうというもので、それが一番自民党内部での支持を得られやすいからです。対決して総裁選で勝つよりかは、「安倍さんが岸田さんを薦めたんだし仕方ないか」として納得させるほうが岸田氏にとっても得策です。

岸田外務大臣は慰安婦問題の合意と、長崎県端島(軍艦島)の世界遺産登録で失点を重ねてしまいましたが、まだ総裁への道はじゅうぶんあるでしょう。

だからできるだけ安倍さんの気を損ねないように行動していることがよくわかります。

 

そしてすでに総裁への道から脱落していると思われるのが野田聖子議員。

2015年の総裁選で野田聖子議員は安倍首相に反旗を翻しました。結局推薦人すら集まらず終わったわけですが、その後チャイナの南シナ海での軍事行動に関し「日本にとっては南シナ海は何の利益も関係もないのだからだんまりを決め込め」と野田聖子議員は発言しました。

南シナ海は日本に原油を運ぶための最重要航路の途中にあります。何も関係ないどころか米国よりも関係があります。

この失言をきいて、野田聖子議員を推薦しようとしていた議員からも「あんなのを推薦しようとしたのが間違いだった」と呆れられてしまったようです。もう野田聖子議員は安倍さんにとって脅威でもなんでもないでしょう。

 

同じく小渕優子議員は有権者への利益供与によって失脚しました。支援団体の幹部が起訴されただけで小渕優子議員本人は起訴されませんでしたが、これは事実上のお目こぼしでしょう。どうみても小渕優子議員は利益供与について知っている、つまり法令用語でいう悪意であり、本来なら起訴相当なものです。

よって総裁選出馬などで出しゃばると、その問題を蒸し返されてしまうから出ようにも出られない状態にあるのが小渕優子議員です。チャイナ共産党は小渕優子議員を日本の親チャイナ派議員ベスト5として位置づけているようで内閣総理大臣になって欲しかったようですが、失脚してしまったのでチャイナ共産党は失望しているようです。

2017年の衆院解散で負けなければ次の選挙は2019年 安倍総裁3期目に突入するには次の衆院選で大敗しないこと

よって安倍さんにとっては極めて好ましい状況下になっていますが、あとひとつだけ関門があります。次の衆院選です。

これさえクリアすれば次の自民党総裁選がある2018年10月まで国政選挙がありません。つまり安倍さんの3期目が確定します。

現在安倍さんは国政選挙で4連勝中です。これは小泉元総理や中曽根元総理でさえも達成できなかったことです。そして5連勝すれば3期目が確実になります。2017年1月に衆院解散があると言われていますが、そこで勝つことが日本国とって極めて重要です。