産経FNN合同世論調査で興味深い結果がでています。
天皇陛下の生前退位のために憲法改正が必要なら、憲法改正をしてもよいが84.7%を占めました。
憲法改正をする積極的な理由としてこれほどまでに支持を得ている項目はないでしょう。
他には島根・鳥取と徳島・高知の2つの合区の解消のために憲法改正をしてほしいという勢力が存在します。
ですがほとんどの国民にとっては合区なんて無縁です。合区解消をしてほしいのは島根、鳥取、徳島、高知の人くらいであり、他の自治体の人にとってはまったく実感がわかないでしょう。
また環境権なども付与したところで具体的に何が嬉しいのかわかりません。
他には緊急事態条項の追加、9条の改正など私は支持していますが、この2つは大方の国民からとても不人気であり、この2つだけを入れて憲法改正をしたところで絶対に国民投票で可決されないでしょう。
ただこれは現時点のことであり、10代20代30代では自民党支持者が多く憲法改正派が多数です。憲法9条改正に反対しているのは60代以上です。時間が経過して世代交代が進んでいけば自然と憲法9条は改正できるので、これは時間の問題です。さっさと改正しないとチャイナに侵攻されてヤバイとなったら問題ですが、ある程度時間がかかってもいいなら、単に時間の経過を待っていれば自然と国民は自民党支持・憲法9条改正支持・軍拡支持が圧倒的多数になります。憲法9条改正に猛反対されている瀬戸内寂聴さんのお言葉を拝借するならば、「時間が解決してくれます」というものです。
自民党は天皇陛下の生前退位と憲法9条改正・緊急事態条項創設を抱き合わせ販売せよ
ここで有効なのは抱き合わせ販売です。
自民党が賛成しなかったら絶対に憲法改正はできません。自民党以外の全政党が憲法改正に賛成しても、衆参両院で自民党が単独過半数を握っています。
つまり憲法改正のカギは自民党が握っています。
自民党が反対したら憲法改正は絶対に実現できません。
逆に維新や公明党が反対しても、民進党の保守派議員が賛成すれば憲法改正の発議ができるので、自民党以外の政党の動向はささいな問題です。自民党がすべてを決定できると言えます。
ならば自民党は「憲法9条改正と緊急事態条項を創設しないかぎり、天皇陛下の生前退位と合区解消のための改正もしない」と強くでればいいのです。
毎回選挙では、天皇陛下をよく思わない勢力が必ず10%~15%ほどいます。一方でそうではないまともな国民が85%存在していることも事実です。
特に皇室というのはおおかたの国民から大いに支持されており、皇室維持のための憲法改正なら今回の産経FNNの世論調査のように大きな支持を得られるでしょう。
そこに憲法9条改正と緊急事態条項創設をねじ込むわけです。つまり天皇陛下の生前退位を可能にする憲法改正と、9条改正と緊急事態条項創設を抱き合わせ販売して、一つの改正案にしてしまうわけです。
憲法改正の国民投票では部分承認ということはできません。全体としては賛成なのか反対なのか、それだけです。
「憲法9条改正と緊急事態条項創設は嫌だけど、天皇陛下の生前退位のためなら仕方ない」という国民が多数派になってくれたらしめたものです。
自民党はこのチャンスを大いに利用して、憲法9条改正と緊急事態条項創設という不人気な政治的関門を突破して欲しいと思います。