参院自民党、和田政宗議員の会派入りで過半数の122議席を2議席上回る

参院自民党会派の議員数が、参院全242議席のうち過半数の122議席を2議席上回り、合計124議席になりました。和田政宗議員が自民会派に入ったためです。

他の与党の意向に大きく左右されることが減り、自民党の独断で参院で法案を通すことができるようになるのは好ましいことです。

2016年7月の参院選の結果だけでは、自由民主党は参院単独過半数に届くために1議席だけ足りなかったのですが、参院選直後に平野達男氏が自民党に即入党手続きをしたことで自民党は122議席になり単独過半数を27年ぶりに達成しました。

masamune-wada-enteres-the-ldp-faction

そして和田政宗議員はまだ自由民主党入党までは行っておらず、まずは自民党会派入りで実績を積むことになるのでしょう。自民党は選挙前までは会派入りまでにしておき、選挙で勝利したら入党を認めるようなことをするので、和田政宗議員がいつ正式に自由民主党に入党するかが注目です。

日本のこころは中山夫妻の私物政党に成り下がっていた
山田宏氏、和田政宗氏と相次いで自民党会派入り

日本のこころの中山成彬議員が露骨だと思ったところは、「本日故郷に帰り親戚の農業の様子をみた。大変そうだった。やっぱりTPPはだめだ」というTweetをしていたことです。

私はこの発言をみたとき、この人は日本全体という大局的観点がまったくなく、完全に私的利益のために国会議員をやっているんだと確信しました。

本サイトでも何度も書いているように、TPPというのは日本国民1億2000万人の生命をチャイナの軍事的脅威から守るために仕方なく入るものです。農業といった極めて狭い範疇の問題ではありません。単に農協や農業といった観点だけでTPPを見ている人は無教養と言えます。

2015年TPP大筋合意でも中山成彬議員の顔色を伺って慎重な言い回ししかできなかった和田政宗議員
極右の日本のこころと極左の共産党がTPPに反対している

私は2015年10月のTPP大筋合意のとき、TPPに一貫して強硬に反対している政党である日本のこころに所属する和田政宗議員がどのようなコメントを出すのか注目していました。

和田政宗議員は本音ではTPP賛成だが、党代表と幹部を務める中山夫妻が反TPPなため表立った歓迎コメントは出せないだろうと踏んでいました。

そして案の定、和田政宗議員が出したコメントは慎重なものでした。そのコメントはTwitterで当初表明されましたが、そのTweetは現在削除されているので、産経新聞の記事を引用します。

次世代の党の和田政宗幹事長は5日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意したことについて「合意に至った過程でどのような交渉がなされたのか、合意した内容が国益にかなうのか、今後、国会で丁寧に審議していく」との談話を発表した。(産経新聞2015.10.5 23:09 http://www.sankei.com/politics/news/151005/plt1510050045-n1.html)

このように、プロセスの妥当性と、合意内容が国益に沿うかどうかを確認していくという中立的なコメントになっています。賛成も反対も表明していません。本当は歓迎したいが、所属している政党のドンの顔色をうかがうあまりがんじがらめになっていたとも言えます。

今回思い切って離党して自民党会派に入ったことは歓迎できます。

米国においては共和党と民主党は双方ともまともな政党ですが、日本では自民党だけがまともな政党であり、他は自民党という組織に馴染めなかった一匹狼が飛び出していっただけの政党であり、機能していないに等しいです。実際に、過去自民党を離れて成功した政治家は一人もいません。小沢一郎もその一人です。栃木で落選した渡辺喜美も、自民党が野党に転落したときに舛添要一もそうです。

民進党が特に顕著ですが、最初は自民党に入っていたけれども出世コースからはずれてしまったり、いざこざを起こしてしかたなく離党した人の受け皿になっている政党が民進党なのです。だからバラバラなわけです。

自民党に所属していることは政治家として成功するための必要条件です。