徹頭徹尾負けてばかりの農協グループ(JA全中、JA全農、農林中央金庫)がまた敗北しました。
TPP漂流を目指してトランプ大統領誕生を歓迎したものの、まさかの日米FTAというTPPよりも農協グループにとって厳しい政策をトランプ政権は打ち出してきました。
さらにはTPP漂流どころか、米国を除いた11カ国のみで発効する方針を日本政府が決定しました。
実は日本以外のオーストラリアやニュージーランドといった国は米国抜きでの発効に早いうちから賛成していました。最後の最後まで米国入りのTPPにこだわり続けていたのは他でもない日本の安倍政権だったのです。
それがようやく安倍政権も米国抜きのTPP発効にかじを切りました。これでTPP発効はほぼ確実になった情勢です。オーストラリアも米国と同じ農業大国ですから、農協潰しにはとても大きな効果を発揮してくれます。
農協グループは2012年の衆院選でも、TPP推進の自民党を支持して自民党を勝たせてしまい農協の首を自ら絞めたり、TPPを温存するヒラリー・クリントンよりも廃案に持ち込むドナルド・トランプ大統領を歓迎しておきながら、結局は日米FTA+11カ国TPPという農協グループに苦しい結果となり、どこまでも頭の弱い下手糞な行動をしているのが笑えます。優秀な人はJA全中・JA全農・農林中金などの農協グループなんかに入りませんから当然とも言えます。
農業大国のオーストラリアが11カ国TPP発効に積極的
オーストラリアのおかげでようやく動いた日本政府
安倍政権はトランプ政権が発足した2017年1月20日からずっとトランプ政権を説得していたようですが、安倍政権はトランプ大統領の性格を全くわかっていませんでした。
私はトランプ大統領の価値観に完全に同感できるのでよくわかるのですが、金にかかわる分野で他人に説得されるのを非常に嫌う性格なはずです。自分の考え通りに執行させることにこだわる性格だと言えます。それがたとえ失敗だろうと、気にせず自分が判断したとおりに物事を動かしたがります。ただし、軍や警察は尊敬しているので、軍人や警察官の言うことはトランプ大統領は素直に聞くはずです。これは私も同じです。
金にかかわる通商分野においてトランプ大統領を説得するなんてどう転んでも無理です。
だからこそ安倍政権はさっさと米国入りのTPP発効は諦めて、2017年1月にでも11カ国TPP発効を推進すべきでしたが、それが4月までずれ込みました。
安倍政権が重い腰を上げたのはオーストラリアとニュージーランドのおかげです。オーストラリアのSteven Ciobo貿易担当大臣がTPP発効に極めて積極的であり、ニュージーランドは真っ先に米国抜きでのTPP発効に言及したためこの2カ国+日本が大きくTPP発効に貢献していくことになります。
特にオーストラリアは米国と同レベルの農業大国であり、TPPの恩恵を強く受けることができます。
逆に農協+個人農家というしょぼい能力しかない日本には大打撃ですが、これはむしろ歓迎すべきことです。日本の農業を株式会社たる法人による集約的農業に切り替えるためには外圧で農協グループと個人農家を潰し、国内からはJA全中一般社団法人化などで農協グループを潰すことが効果的だからです。
11カ国で日本の酪農分野を潰し、日米FTAでコメ農家を潰すという方向になるでしょう。特にコメが農協グループのアキレス腱なので、日米FTAでトランプ政権がどれほど強い圧力をかけてくるかで農協法をどれだけ改正できるか、または農協法そのものを廃止できるかが決まってきます。