日本は金融後進国であり金融教育も大変遅れているため詐欺のような金融商品に騙されてしまう人や株式投資で失敗する人が多発するわけですが、これには明確な要因があります。
先日Yahooが”中国とどう付き合うべきか”という題材でオピニオンをまとめていました。保守派の教員が多い拓殖大学の教員の意見を採用するなどYahooらしからぬ論調となっており一読に値するものです。
拓殖大学の教員はこう言います。
「国際社会に仲間もいなければ信用できる国もない」
「日本人は他国と付き合うときに信用できるかどうか、親日派かどうかで判断しようとする。この特性は日本人固有でありとても根深い問題」
「国際社会は自国にとって利益があるから他国と協力する。利益がなくなったら勝手に離れていく。国際社会には”親友”や”盟友”などいない」
その上で同大学教員はチャイナとどう付き合うべきか明快な答えを提示します。
「日本は中国をいかに”利用する”か、”利用価値を見出すか”という観点で付き合えばよい。なにもお友達になったり仲良くする必要はない。日本が中国を利用することで”利益”になるかどうかで判断すればよい。”利益”がないのなら関わらなければ良い」
これは株式投資にも当てはまります。
よくある間違いがその銘柄が「好き」だから買う、その企業を「応援したい」から買う、以前その企業に良くしてもらったいい思い出があるから「買う」といったものです。
これこそ日本人に特有である「良いイメージかどうかで判断する」、「応援したいと思えるか、好きになれるかどうかで判断する」という金融市場においてまったく不要なものを持ち込んでしまうことです。
正しいのは「その銘柄を買うことが自分にとって利益になるのか。損になるのか」、「その企業は自分にとって利益をもたらすのが害をもたらすのか」といった利害関係で考える事です。
その企業がものすごく大嫌いであってもその銘柄を買って儲かるなら「買い」です。
どんなに好きで応援したい企業であってもその銘柄をもってて損をするのなら「売り」です。
とても簡単なことです。
実は三菱自動車というのは一般社団法人日本防衛装備工業会という防衛省向けに納入する企業が加盟する社団法人に名を連ねるバリバリの軍需企業です。自動車メーカーではいすゞ自動車、三菱自動車、トヨタ自動車、富士重工(スバル)といった自衛隊向けの特車を生産できる企業しか入っていません。日産やホンダは入っていないわけです。
だから三菱自動車というのは必ず救済の手が入ります。三菱だから救済されるのではありません。国にとって必要な代わりのきかない軍需企業だからこそ救済されます。それさえ分かっていれば、空売りなんかをしてしまって日産との提携が公になったとたんに大損なんてことは避けられるわけです。
ですが「軍需企業は嫌い」といった好き嫌いで判断してしまうと、買うことができずに「売り」の方向へポジションを持ってしまいます。
株式投資で成功するためにはまず好き嫌いといったもので判断するのをやめるべきです。そして損なのか得なのか、利害関係ですべてを考える方向へ切り替える必要があります。
私の経験上、国際関係に詳しく安全保障に強い金融機関従業員ほど金融市場において結果をだしています。