2012年の衆院解散のときも2014年の衆院解散のときにも当てはまったアノマリーがあります。
厳密に言えば2012年選挙は野田内閣のときの選挙であり安倍政権下ではありませんでしたが、自民党の総裁としてすでに安倍さんが選任されており、自民党が勝てば自然と安倍さんが総理大臣になることが自明だった上に、民主党が負けて自民党が勝つことが事前に誰でもわかっていましたから金融分析上は安倍政権の選挙として見ていいでしょう。
2012年のときは言うまでもなく衆院解散が濃厚になってからずっと上昇相場でした。そのときに買っておけば株で儲けられたということについては誰も異論を唱えないでしょう。
ですが問題があり、金融取引というのは入口があったら出口があるわけです。「2012年の衆院解散のときに株を買えばいいのは誰でもわかるが、いつ売ればよかったのか?」という疑問があるわけです。
結果からみれば2013年5月まで持っておけばよかったのです。ですがこれは結果論であり後出しジャンケンでしかありません。そんなぴったりなタイミングで売却するのは非現実的です。
ではどのタイミングで売却すべきだったかというと、有意で客観的な売却タイミングは投開票日の直前の金曜日にすべて売却するというものです。
なぜなら2014年の衆院解散でもこのアノマリーが当てはまるからです。
2014年の衆院選は480議席が475議席に減らされた選挙でした。自民党は数議席減らしましたが、議席がそもそも削減されていることを考慮すれば自民党は現有勢力を事実上維持できており全然負けていない選挙だったわけです。
これも有名な話ですが、衆院解散というイベントが起こったら先物買いを仕掛けて株高になります。そして投開票日直前か直後にすべて売戻すわけです。その結果選挙後の月曜日は株価が下がるという現象が起きています。
つまり2012年も2014年も衆院解散があったら買う、投開票日の直前の金曜日に全部売却してしまうという方法で利益が上げられたのです。
2012年については選挙後も3ヶ月近く株価が上がり続けたので、投開票日前に売却してしまうのはもったいないと思う人もいるでしょう。ですが選挙後も上がり続けたのがわかるというのは結果論であり、その時々でみれば今後も上がり続けるかなんてわからないわけです。
今回は6月に日銀金融政策決定会合もあるので、もし衆院解散があったら投開票日前に売却するまでイベントが多くなっています。
現状維持になったら為替レートが動かないだけですし、緩和拡大になったら円安になり株高要因になってますます有利になります。
衆参同日選挙になったときでも参院で憲法改正の発議の要件である2/3を確保するのは難しいと言えます。
金融市場ではもし仮に衆参同日選挙になったとしても、衆院はまだしも参院で自民党が2/3を確保するのは難しいと織り込んでいます。
よってもし仮に参院で2/3以上を自民党が取ったとしたらこれはとても大きいサプライズです。投開票日明けの月曜日は大幅株高になるでしょう。
ですが私は金曜日までに売却をしておくことをおすすめします。なぜなら日曜日の投開票結果で参院2/3を確保するかどうかなんて誰にもわからないからです。
もし2/3を確保したとしたら金曜日に売却してしまった人は「もったいないことをした。月曜まで持っておくべきだった。」と後悔するでしょう。
しかし、くどいようですが何度も言っているようにそれは結果論です。参院で2/3を自民党が確保できるかどうかなんて誰にもわからないのでそのようなサプライズにかけて投開票日後の月曜日まで持っているより、投開票日直前の金曜日に売却してしまったほうが手堅いということです。
以上の方法は衆院解散があった場合の話です。同日選は関係ありません。だから今回が参院選だけだったら使えない方法です。衆院解散があったときのみとして参考にしてください。もちろん上記の内容を実施した結果はすべて自己責任ですので当サイトの管理人は一切の責任を負いません。