安倍首相2017年1月解散見送り 産経が他社に先駆けて報道

2016年12月15日朝5時付で、産経ニュースが来年2017年1月衆院解散を安倍首相が見送ったと報道しました。早くても2017年秋だそうです。過去2回の衆院選自民大勝の験を担ぐなら、2017年11月に解散し、12月に投開票が順当だと言えます。

他社からは同様のニュースは出ていません。

2016年7月の参院選を控えて「衆参同日選見送り」を真っ先に確定的に報道したのは読売新聞でした。

日本政府は、事実を曲解することなくありのままに報道してくれる読売や産経の記者を重視しています。いわゆる官報や大本営発表といった役割を担っている読売や産経を重宝するのは当然とも言えます。

事実を捻じ曲げて報道する朝日毎日中日(東京新聞)日経などには先んじて情報を渡したくないという政府の意向はとても良くわかります。誰でも信用できる人に情報を託したいものです。

面白いのは2013年12月に毎日新聞が「首相、年内の靖国参拝見送り」と大々的に報道した4日後の朝に産経から「首相、本日靖国参拝へ」と報道されたことです。毎日新聞の「願望報道」ぷりがよくわかる好例でした。

今回の記事を読む限り、これは願望報道でもなく堅い報道だと言えます。

産経新聞としては早期解散して欲しい側で論陣を張っていましたし、2016年12月14日深夜のNHKの時論公論でも「早期解散するな」といったNHKの願望が透けて見えていました。

つまり産経に都合が悪くNHKに都合がいい内容の報道を、産経が願望報道するわけがないということです。

賛成だったのは二階幹事長と公明党のようです。

二階俊博幹事長もこれに乗じた。民進党の蓮舫代表は就任直後から「二重国籍」問題でつまずき、同党支持率は低迷している。共産党などとの野党共闘の動きを封じるには早期解散が得策だと考えたからだ。公明党ベテランも早期解散に乗り気だったこともあり、自民党執行部は盛んに解散風を吹かすようになった。(産経新聞2016年12月15日 http://www.sankei.com/politics/news/161215/plt1612150007-n1.html)

以前からの産経の報道としては、解散のフラグをたてまくって暴走する二階幹事長を安倍二階会談でいさめて、その会談後に急に二階幹事長はおとなしくなったようです。

反対だったのは菅官房長官だったようです。

腹心の菅義偉官房長官は早期解散に一貫して反対だった。先の衆院選は電撃解散で勝利したが、「奇襲がうまくいくのは1度だけ。2匹目のドジョウはいない」と考えたのだ。

首相は次第に解散見送りに傾いた。(産経新聞2016年12月15日 http://www.sankei.com/politics/news/161215/plt1612150007-n2.html)

あとは民進党が嫌がるという意味では早期解散主義者はまだまだいるようです。

ただ、民進党の支持率は低迷を続けている上、蓮舫代表が「二重国籍」問題を抱えていることもあり、与党内では早期解散を望む声は少なくない。来年の通常国会冒頭で28年度第3次補正予算案を成立させ、速やかに解散すべきだという意見もくすぶっている。(産経新聞2016年12月15日 http://www.sankei.com/politics/news/161215/plt1612150004-n2.html)

民進党の蓮舫代表あたりに超ド級の地雷が新たに発覚したらもしかしたらあるかもしれません。ですが棚ぼたがなく、今想定されている状況が無難に続く限り、早期解散は考えづらいです。

まさかの死んだふり解散という選択肢

かなり確率は低いでしょうが、産経を使って「解散はない」という情報を撒いておいて油断させてからの「死んだふり解散」の布石だと見る報道もでてくるでしょう。

特に民進党は熊本地震をうけて「むしろ、衆参同日選の確率は高まった」と当時の枝野幹事長が言っていたので、2017年1月解散はまだ消えていないと主張する勢力がこれからでてきそうです。