安倍首相は民進党の不甲斐なさをみて解散を決断しました。
前原代表なら民共共闘はできないだろうと甘く見ていたわけです。
しかし実際は民共共闘は前原代表が黙認する形で次々に実現していきました。
そんな中、急遽でてきてきたのが「希望の党」。
さらには民進党の前原代表は民進党を解党し、全員を希望の党に移籍させることを表明しました。
ところが小池百合子は「民進党の全員を受け入れるつもりはさらさらない」と発言。ここから野党分裂は始まり、ついには前原誠司に民進党代表戦で敗れた枝野幸男を中心にリベラル派が結集して「立憲民主党」を設立しました。
これは民進党が希望の党と立憲民主党の2つに分裂してくれたことを意味します。自公にとってはこの上ない追い風です。
もしも旧民進党が全員小池ファーストの会である希望の党に移籍していたら自公は惨敗確実でした。
小池百合子が自民党という敵に塩を送ってくれた
小池百合子が「リベラル派を排除しないわけではございません。排除いたします」と笑いながら記者会見で断言したことで流れはかわりました。
この時点で、自公 vs. 希望の党 vs. 希望の党に入れなかった無所属+共産社民という三極構図が見え始めました。
そしてこの中でしびれを切らした枝野幸男が立憲民主党を設立し、立憲民主党+共産社民というリベラル勢力を結集したわけです。
自公 vs. 民進共産の構図だったら自公は苦戦でした。
しかし、民進共産勢力を二分割してくれたのは小池百合子の大きな貢献であり、これは自民党にとって大変ありがたいことです。
希望の党と立憲民主党は30選挙区近く競合
枝野幸男は、旧民進党から出て希望の党に行った候補者が居る選挙区には候補をたてないと明言しました。
しかし、希望の党が独自に発掘してきて候補と立憲民主党の候補が衝突する選挙区は数十あるようです。こういった選挙区では自公有利です。
立憲民主党が候補を立てない選挙区は共産党が候補を立てる
では立憲民主党が候補をたてない選挙区なら希望の党有利かといえばそうではありません。希望の党に対しては共産党が候補を立てることを明言しています。つまり立憲民主党が候補を立てない選挙区では希望の党と共産党が競合するわけです。これもまた自公にとって有利です。
株式市場は自民の地滑り的圧勝を折り込み始めた 下手したら自民単独300議席以上の可能性も
「解散当初は自公有利→民進党解党・希望の党合流で自公不利→立憲民主党設立で自公有利」、と9月17日の解散報道からたった2週間で選挙情勢は激動の変遷をとげました。
枝野幸男が立憲民主党を設立するのではないかと報道されたあたりから、日経平均株価は堅調です。自民勝利を織り込んでいるのでしょう。
希望の党、立憲民主党+共産党で票を共食いして共倒れしてくれれば自民が勝利し、来年2018年の自民党総裁選での安倍総裁再選は確実。さらに300議席という自民党がこれまで取ったことのない圧倒的勝利をおさめたら、自民党総裁4選を可能にする党則改訂の議論が始まり2024年までの連続12年の超長期政権も視野に入ります。