国会では自公の亀裂はカジノ法案程度にとどまっているものの、都議会では完全に決裂してしまったようです。
東京都議会公明党の東村邦浩幹事長は14日、議員報酬削減案を巡って自民党と対立したことを明らかにし「連立で一貫してやってきたが、信義は完全に崩れた。独自の改革を進める」と述べ、連携を見直す考えを示した。衆院選などの選挙協力に影響する可能性がある。議会運営委員会後、報道陣の取材に答えた。(産経新聞2016年12月14日 http://www.sankei.com/politics/news/161214/plt1612140040-n1.html)
私はこのニュースを見て、議会改革という案件に関してだけ自公の協力を取りやめるということだと思っていましたが、どうやら違うようです。
都議会においてすべての自公連携を解消するようです。
これは都議選レベルの話だけにとどまらず、産経は「衆院選などの選挙協力に影響する可能性がある」としていますが、さすがに公明党が本拠地として最重要視している首都で連立解消となったら国政にも影響がでるのは必至だといえます。
安保法制の閣議決定の時期に産経新聞に興味深い世論調査が掲載されました。
自民支持者と公明支持者に、「連立を維持すべきか」と世論調査をすると、自民は半数にも満たないものの、公明支持者は9割以上が「自民と連立すべき」と回答する結果がでています。
それもそのはず、公明単独ではどうあがいても政権を取ることはできませんから、圧倒的多数の自民党にくっつく形でいる方が意見を通しやすくメリットなのは確かです。
逆に、自民党支持者に対する「連立を維持すべきか」という回答で「別にしなくてもいい」が半数以上に上っていることから、自民党支持者からすると公明党は邪魔な存在としか認識されていないということです。
2017年の常会や臨時会では、カジノ法の具体的中身を決定することになります。また共謀罪の制定も予定されています。両方とも公明党がかなり嫌がっている案件です。
それでも本当に国政でも連立解消になったらなったで、自民の意見を100%反映した政策を法案として通せるようになるので素直に歓迎できることです。今後、”自公連立解消”という英国EU離脱、トランプ大統領誕生に続く日本版ブラック・スワンに注目です。