2017衆院選の公明党敗北は自民支持者離反が原因だと認めることができない山口那津男代表 公明党が嫌う「戦前の陸軍」と同じレベルで責任を取らないのは失笑

公明党の山口那津男代表は2017年衆院選で6議席も減らして公明党を惨敗させた「戦犯」となりました。

そしてその敗北について公明党の山口那津男代表は2017年11月10日に「総括」したようです。

公明が衆院選総括 山口那津男代表が陳謝 議席減は「党執行部の責任」

公明党は10日、議席を減らした先の衆院選を総括するため、地方組織代表を集めた「全国県代表協議会」を党本部で開いた。山口那津男代表は公示前の35議席から6議席減らした選挙結果について「皆さんの奮闘を議席に結びつけられなかったのは、党執行部の責任だ」と陳謝した。

その上で「決意を新たに党勢拡大の戦いに邁進(まいしん)したい。(平成31年夏の)参院選の大勝利を目指して強靭(きょうじん)な公明党を構築する戦いを展開していこう」と訴えた。

斉藤鉄夫選対委員長は議席減の要因について、準備不足で党の組織力を発揮できなかったことや、野党乱立の影響で埋没したことなどを挙げた。所属議員の不祥事の影響にも触れ「党全体への不信を募らせてしまった」と分析した。地方組織代表からは「公明党らしさが発揮されていなかった」との意見が相次いだ。

産経新聞2017年11月10日 http://www.sankei.com/politics/news/171110/plt1711100032-n1.html

公明党が目の敵にする共産党も民進党も「総括」するのが大好きです。都議選で民進党が惨敗したときも、民進党の若手議員が当時の蓮舫代表に「総括」するよう要請していました。共産党は選挙の時期に限らず普段から「総括」という言葉を記者会見で使用しています。小池晃氏は2016年10月に「総括」発言をしました。

なぜ公明党も共産党も民進党(立憲民主党)も「総括」が好きなのか。

それは暴力的な極左政党であるという共通項を持っているからです。

公明党の支持団体は90年代にオウム真理教と暴力抗争をしていました。公明党も共産党と同じなのです。

公明党も共産党も「低学歴」「低所得」といった支持者に支持されている点で共通しています。奪い合う”パイ”がかぶっていることから、お互い強烈にライバル視して叩き合っているわけです。

自民党は「総括」なんて言葉を使いません。私は自民党の機関紙「自由民主」を購読している自民党支持者ですが、今まで「総括」なんて文言は見たことありません。

2017衆院選で惨敗した「戦犯小池百合子」に近づいた山口那津男代表の舵取りの誤りが本当の敗因

先程引用した産経新聞の記事で注目すべきところがあります。

斉藤鉄夫選対委員長は議席減の要因について、準備不足で党の組織力を発揮できなかったことや、野党乱立の影響で埋没したことなどを挙げた。所属議員の不祥事の影響にも触れ「党全体への不信を募らせてしまった」と分析した。地方組織代表からは「公明党らしさが発揮されていなかった」との意見が相次いだ。

今回の2017年衆院選での公明党の惨敗について、敗因を「総括」しているようですが、本質的な敗因にあえて触れていません。

公明党が「総括」で自ら触れた敗因は、

1.急な解散で準備不足だったこと
2.野党乱立で埋没したこと
3.所属議員が週刊文春報道の不倫問題で衆院で1人、参院で1人離党したこと

の3つです。

しかし、この3つは本質的な公明党の惨敗要因ではありません。

まず「1.急な解散」については2014年衆院選でも急な解散でした。このときも民主党の海江田万里代表が準備できていなかったところを安倍首相が狙った不意打ち解散だったからです。しかしこのときは公明党は35議席取っています。「急な解散」は公明党の惨敗理由にはなりません。

「2.野党乱立で埋没したこと」はむしろ敗因どころか与党の勝因になることです。実際に自民党は野党分裂選挙で大勝したわけですし、野党乱立は与党にとって追い風となる要因です。これを公明党惨敗の理由の一つとして列挙してるあたり相当苦しい言い訳です。

「3.公明党所属議員が不倫問題で離党したこと」についても理由になりません。自民党は公明党以上に不倫問題のオンパレードでした。しかし自民党は大勝しました。衆院総議席数が10減された中でも自民党は284議席とり、解散前よりも自民党は議席占有率をむしろ伸ばしています。不倫問題があっても自民党は大勝したのだから、不倫問題で公明党は惨敗したなんて理由付けは無理があります。

公明党が惨敗した本質的原因は、自民党支持者が「比例も自民」で公明党に比例票を渡さなかったからです。

実際に自民党は前回の選挙よりも比例得票数を伸ばしました。だから衆院総議席数が10減されても自民党は284議席を維持し、解散前よりも議席占有率をさらに伸ばしました。

一方で公明党は比例だけでも5つも落としました。

小選挙区である神奈川6区も公明党は落としましたが、これは立憲民主党に議席を奪われたことによるもので自民党が奪った議席ではありません。自民党の支持を取り付けることができなかったから、公明党は立憲民主党に奪われた形です。

しかし公明党が落とした5議席の比例は野党に奪われたものではありません。自民党が奪ったものです。

しかしこの事実を公明党の山口那津男代表は認めることができません。

それを認めてしまうと、2017衆院選で「A級戦犯」となった小池百合子と連立をくんだ山口那津男代表の責任問題になるからです。

もし2017衆院選で小池百合子が大勝していたら、「都議選で山口那津男代表が小池百合子と手を組んだのは正しい判断だった」と公明党内部から絶賛されていたでしょう。

しかし現実は小池百合子は2017年衆院選で惨敗し「A級戦犯」扱いされ、敗戦処理を行う中で希望の党から追い出されました。

つまり山口那津男代表は「先見の明が無かった」ということです。先に待ち構える衆院選を含めた大局的な見方ができず、都議選という局所的な目先の利益に翻弄され重要な局面での判断を誤ったと言えるでしょう。

煙草の購入や自動車ローンを組むなど、目先のことに目がくらみ教育に金をかけることができず、中卒のドカタになり貧困の連鎖からいつまでも脱することができない公明党支持者と全く同じです。

この「山口那津男代表が小池百合子と連立したことの責任問題」は公明党の急所です。絶対に「小池百合子と連立を組んだことは間違いだった」と認めるわけにはいきません。だから今回の公明党の「総括」でも、このことにはノータッチにせざるを得なかったわけです。

本質的敗因から逃げて責任を取らないのは、公明党が忌み嫌う「戦前の陸軍」と全く同じ

「2017衆院選でA級戦犯となった小池百合子と組んだことは間違いだった」と公明党の山口那津男代表が認めていないのは、公明党が忌み嫌う「戦前の陸軍」と全く同じです。

公明党は本当の敗因である「A級戦犯の小池百合子と手を組んだこと」を認めていませんが、それは自称平和主義者の公明党支持者がよく口にする「戦前の陸軍は戦況を悪くし敗戦した責任を何も取らなかった」とのと全く同じだということです。山口那津男代表は公明党が嫌う「戦前の陸軍」と全く同じ轍を踏んでいると言えるでしょう。