衆院解散が2017年の冒頭にあるのではないかと話題です。自民党の二階幹事長は「今選挙の準備を始めていない者がいたとしたら論外だ」と記者の質問に答えています。
2017年7月22日に都議会議員選挙があるため自然と解散日程は縛られます。
自民党と連立を組む政党は、「都議選とは3~4ヶ月は離して欲しい」と伝えているとのことなので、そうすると解散時期の選択肢は2017年3月までか、2017年12月から先ということになります。
自民党にとって12月の師走選挙というのは負け知らずなので、私は来年2017年12月の解散総選挙だと思っていました。ですが蓮舫代表の二重国籍問題という棚ぼたでその日程が変わりつつあります。
当初の予定では2017年12月に衆院解散 2019年7月に衆参同日選挙
当初の自民党の政治日程では、2017年7月22日の都議選が終わってから4ヶ月後の12月に衆院を解散し、次の参院選である2019年7月にあわせて次の衆院解散をする予定だったのでしょう。
これならパーフェクトとも言えるほど自民党にとって都合のいい綺麗な日程だからです。2019年の衆参同日選挙で勝利すれば安倍内閣は2021ともいわず2024年までも視野に入るところです。
共謀罪と配偶者控除廃止が土壇場で先延ばしされた
政治日程というのは数年前から緻密に組まれています。
2012年12月に安倍内閣として返り咲きましたが、安倍さんは2015年に安保法制を成立させることを既に決めていたようです。なぜなら2015年には国政選挙がないからです。
そして、共謀罪と配偶者控除廃止という国民から不人気の政策というのは通常国政選挙とは十分期間を空けて審議されます。共謀罪を成立させた直後に衆院解散総選挙があっては自民党に不利だからです。
本来自民党は2016年9月からの臨時会で年内に共謀罪と配偶者控除廃止を実現するつもりでした。
それは当然2017年冒頭での解散は考えていなかったことを意味しています。
そもそも2017年の冒頭での解散を想定しているなら、はじめから2016年後半に不人気な共謀罪と配偶者控除廃止を成立させるメリットがないからです。
臨時会が招集される直前の土壇場で共謀罪が先送りになったのも、民進党の代表候補として有力だった蓮舫氏の二重国籍問題が発覚したからでしょう。そしてついには配偶者控除廃止も先送りされます。
民進党の岡田代表辞任と蓮舫代表選出は折り込み済みだったが二重国籍問題は棚ぼた
自民党としては、2016年7月の参院選で民進党の岡田代表が辞任することは織り込み済みだったと思います。
2013年の参院選では海江田万里代表は辞任しませんでしたが、2014年衆院選ではまさかの自身が落選してしまったので党代表を辞任しました。
このように選挙のあるたびに民主党・民進党の代表は辞任しているので、2016年参院選での岡田代表辞任は想定していたでしょう。
さらにその次の候補として蓮舫氏が有力だということも当然予測していたと思います。
自民党からみたら蓮舫氏が代表になるのは脅威であり、就任早々はたいてい支持率が高くなるものですから、蓮舫氏が就任した直後の早期に衆院解散なんて自民党は考えていなかったのです。
ですが蓮舫氏は二重国籍問題を抱えていることが公になり、法的に義務付けられている国籍選択の宣言をやっていないという違法状態になることが濃厚になってきました。
これならむしろこの問題が尾を引いているうちに衆院解散総選挙をしたほうが自民党にとって得策だと判断したのでしょう。
直前になって共謀罪と配偶者控除廃止という法案の成立を先送りし、着々と衆院選の準備をし始めました。
2017年1月に衆院解散総選挙があれば、次の2019年の参院選のときには2年半が経過しており、衆院解散総選挙も不可能ではありません。難点といえば重要法案が先送りされてしまうことですが、逆にいえば選挙に振り回されないフリーハンド期間が増えるので自民党としてもメリットはあります。
二重国籍問題の発覚が大きく日本の政治日程を動かしたと言えます。