私は「選挙区は自民、比例は公明」なんか完全に無視して、「選挙区は自民、比例も自民」で投票した自民党支持者の一人です。
私は一応自民党機関紙「自由民主」を購読している程度には自民党支持者です。
このように比例で公明党に票を入れない自民党支持者が大量発生したのが2017年衆院選で公明党が惨敗した原因です。
また自民党候補が出ておらず公明党候補しか擁立していない選挙区において、自民党支持者が公明党候補に投票しなかったからこそ神奈川6区で公明党候補の上田勇氏は落選しました。
神奈川6区の公明党候補 上田勇氏の落選原因は自民支持者の造反にある
山口那津男代表にとって手痛かったのは、選挙期間の最終演説場所として相鉄の二俣川駅を選んだにも関わらず、神奈川6区の公明党公認候補が落選したことです。
二俣川駅は横浜市旭区なので神奈川6区に含まれる地域です。
そういった意味では、最終日に千代田区の秋葉原に入った安倍総裁も東京1区(千代田区)を落としたので、小選挙区で落選者を出した点では山口那津男代表と同じですが、自民党の山田美樹議員は比例復活したので議席は得ました。
しかし、神奈川6区候補だった上田候補は比例重複立候補していなかったので議席を失いました。
公明党は上田候補に限らず比例重複をしていません。公明党のような特定の支持層しか投票してくれない弱小政党においては比例重複というのはメリットが小さいと判明し比例重複していないのです。
神奈川6区は野党共闘していたとはいえ、自民党支持者を全員取り付けていたら上田候補は当選していたでしょう。
しかし、自民党支持者は今回公明党候補を応援することに相当消極的であり、結局のところ都議選の”しこり”は解消するどころか、衆院議席が10削減された中で自民党は284議席を維持したため相対的に伸張しているのにも関わらず、公明党は6議席も落とし29議席しか取れない惨敗を喫したため、自民と公明の亀裂はますます大きくなりました。
公明党が比例で解散前の26議席から5議席も減らしたのは自民党支持者が比例で公明党に入れなかったから
私は有権者になってから今まで一度たりとも公明党に投票したことがありません。衆参議院国政選挙、地方選挙すべてにおいて一度もありません。
そういった意味では私は今回”は”裏切ったというよりも、今回”も”裏切った側です。
自民党支持者の中には律儀に「比例は公明党」を守っていた者も過去にはいたようですが、今回は造反が大量に出たことになります。
山口那津男代表は馬鹿なので、単なる地方選である都議選という目先の利益を優先して小池百合子と連立を組みましたが、まさかの小池百合子失脚です。
数ヶ月前まであれだけ勢いのあった小池百合子が一瞬にして「戦犯」扱いにされ、産経新聞の言葉を借りれば今の希望の党は「戦後処理」真っ只中です。
もし小池百合子の希望の党が2017年衆院選で勝利していたら、「山口那津男代表は先見の明があった」として大きく評価されていたでしょう。
しかし結果は希望の党も公明党も惨敗。
結局、都民ファーストや希望の党や小池百合子に媚を売らず、昨年の知事選と今年の都議選のときから筋を通し続けた自民党の戦略が功を奏した格好です。
近所ぐるみで「ブロック座談会」をしている村社会の公明党支持者とは違って自民党支持者は自分勝手
公明党支持者がすごいのは、安保法や共謀罪などの公明党支持者が嫌がる政策を自民党がゴリゴリ成立させていても、上から「小選挙区は自民候補に投票」と命令が降りてくれば律儀に従って自民党候補に投票していることです。
公明党支持者は、近所の数世帯~十数世帯ほどでブロックという単位を形成しており、毎月持ち回りでお互いの家に上がり込んで座談会をしています。このようにお互いに家に招き合うことで連帯感を高め、心理的に「裏切り」がやりにくいようになっています。「裏切り」には選挙における投票での造反行動も含まれます。
一方で、私を含めて自民党支持者はとても「ドライ」です。とても自分勝手な文化があります。だからこそ、自民党所属国会議員も自分勝手な行動を起こして不祥事を頻発させます。
私たちは”しがらみなく”好き勝手投票しています。そういった意味では自民党支持者こそ真のリベラリスト(自由主義者)かもしれません。
このように自民党はドライな組織であり、自分勝手な行動がある程度許容されているからこそ、「比例で公明党なんかに投票しない」という自民党支持者がかなりの数いるわけです。
今回の公明党の比例での惨敗・小選挙区の取りこぼしの原因は、自民党支持者をつなぎとめることができなかった公明党山口那津男代表の失策にあると言っていいでしょう。