財務省決裁文書書換報告後もなぜか下がらない日経平均株価とTOPIX 財務省が潔く不祥事を認めたことで逆に株高に

財務省が2018年3月12日、決裁後の文書を書き換えていたことを認め国会に報告しました。

決裁後の文書を書き換えるのは官公庁どころか、民間企業でも金融機関のようなしっかりした企業だったらありえないことです。

決裁後の文書を書き換える企業があったとしても、ソフトバンクや楽天のような新興企業でまともにコンプライアンスが機能していない企業くらいでしょう。もしくは口頭ですべてを決定できてしまう小規模な新興企業くらいだと思います。

前営業日の米国ダウ株高をそのまま引き継いだ日経平均株価

米国時間の先週金曜日にはダウ平均が+1.7%程度の上昇で引けました。

日本の株価はその流れに引きずられる傾向があるので、普通に考えれば日経平均株価は上がるのですが、日本の政治の不安定要因で下がる懸念もありました。

しかし蓋を開けてみたら日経平均株価も+1.65%とプラスで引けました。

株というのは不安材料が出て確定しまうと株価が上がる傾向にあります。曖昧な状態(不確定性のある重ね合わせ状態)が最も株価に悪影響を与えます。

今回財務省が思い切って不祥事を認めたことが逆に株価にとってプラスになったことになります。

佐川元国税庁長官は既に辞任しているので野党の手柄にならない 野党は手柄を取るために麻生辞任にこだわる

今回野党は圧倒的に優位な状況にあります。

しかし2017年は自民党の相次ぐ不祥事と小池人気という超好材料が続出しているにもかかわらず野党は衆院選で惨敗しました。

今回も野党にとっては2017年のときレベルで「天の恵み」とも言えるほど好材料が揃っていますが、それは逆に今回こそなんらかの「結果」を出さなければ「野党は無能」のレッテルと貼られることに等しいことになります。

【森友文書】 攻勢強める野党「麻生氏のクビくらい取ることできなければ見放される

とはいえ、現時点で政府・与党側は麻生氏辞任はおろか、佐川氏喚問の要求にも応じる気配はない。「歴史上の汚点ともいうべき深刻な事態」(玉木氏)に際し、せっかくの見せ場で政権側に要求をのませられなかったとなれば、野党の存在感はさらに地に落ちる

ここで麻生氏のクビくらい取ることができなければ、政権に批判的な層からさえも野党は見放される

旧民主党閣僚経験者が口にしたこんな危機感が、野党の現状を表している。

http://www.sankei.com/politics/news/180312/plt1803120052-n2.html

佐川元国税庁長官は既に辞任しているので、これを野党の手柄にしようとしても立憲民主党に投票してるような貧困層の馬鹿な国民が許さないでしょう。

そこで麻生大臣を辞任させようと麻生大臣に矛先が向いているわけです。

こういう時に限って国政選挙がない2018年 最後の最後でつまずく野党

野党にとって「天の恵み」がある一方、かわいそうだなと思うのは今年2018年には国政選挙がないことです。せいぜい地方の沖縄県知事選挙くらいです。

自民党からしてみれば2017年の秋に解散しておいてよかったことになります。これが2018年秋の任期満了近い時期での解散となったら自民党は大惨敗だったでしょう。

次の選挙はすでに平成という元号が消えたあとの2019年参院選です。1年後も今回の問題を引きずることに野党が成功するかどうかといったところです。

2017年は自民党議員が相次いで不祥事で離党し、加計学園問題の真っ只中でした。しかも小池百合子がまだまだ人気を保っていた時期。どこからどうみても野党が負ける要因なんてないのですが、蓋を開けてみたら自民党の大勝でした。

野党は本当にもう少しのところまで行くのですが、最後の最後でつまずいて「安倍おろし」に失敗しています。

世の中にも同じように、せっかく東大に入って卒業するいいところまでいったのに、就職で失敗したり就職後に仕事で失敗するなどで最後の一歩で失敗する人がいます。そういった人生で失敗し挫折した人が支持しているのが立憲民主党などの野党なので、野党が最後の最後で「安倍おろし」という結果を出せずにいるのも納得がいきます。今回こそ「安倍おろし」ができるかどうか注目です。

二階幹事長と公明党山口那津男代表は2018年3月11日(日曜日)の時点で既に麻生大臣辞任に否定的

3月11日(日曜日)の時点で、自民党と公明党の幹部には財務省が翌日3月12日に国会へ報告する内容について説明がありました。

その時点で自民党や公明党の幹部(二階俊博幹事長や公明党山口那津男代表)は内容を知らされていたことになりますが、このとき既に麻生大臣は続投させることを決めていたようです。

財務省が学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書に書き換えがあったと認める方針を固めたが、自民党幹部は「改竄(かいざん)ではなく訂正はあったようだ。そのレベルだ」と語った。与党幹部は書き換えについて「少なくとも近畿財務局内部の話とみられ、麻生太郎副総理兼財務相の進退問題には発展しない」と説明する。

産経新聞 2018年3月11日07時17分 http://www.sankei.com/economy/news/180311/ecn1803110006-n1.html

上記の引用で私が赤い太字にした部分において、「自民党幹部」というのは二階俊博幹事長を指します。また「与党幹部」は公明党の山口那津男代表を指します。

つまり日曜日の時点で既に自民党と公明党の幹部は麻生大臣続投を決めていたことになります。

その理由としては、山口那津男代表が言うように出先の財務局や理財局など一部の部署の中のさらに一部にとどまった不祥事であり、事務次官さえも把握していなかったため当然麻生大臣も把握できない状況だったからです。

公明党の国対会合では幹部が「野党は麻生氏の首を狙ってくるが、阻止するように」との声も上がった

産経新聞 2018年3月12日11時54分 http://www.sankei.com/affairs/news/180312/afr1803120030-n2.html

この記事からも公明党も麻生大臣の辞任を求めない方針だということも判明していました。

さらに時間が経過して3月12日の夜の報道では以下のようになっています。

ただ、自民党幹部は、書き換えは財務省理財局と近畿財務局の範囲内で行われたものとして、麻生氏の続投に理解を示している公明党の山口那津男代表も12日、今回の書き換えについて「立法府を軽視するもので断じて許されない」と批判したが、麻生氏の進退は「求められるのは、財務省の態勢を立て直す責任をしっかり果たすことだ」と述べ、辞任論を否定した

産経新聞2018年3月12日22時53分 http://www.sankei.com/politics/news/180312/plt1803120054-n1.html

このように自民公明ともに麻生大臣を擁護しています。

これが逆に、野党からすると手柄を取るとしたら自民公明が守っている麻生大臣を辞任させることだということになります。

おそらく財務省は変わらない 理財局は傍流なので主計局は無傷

財務省を財務省たらしめているのは主計局です。知っている人なら私から説明するまでもないと思いますが、財務省の花形部局は主計局です。事務次官も主計局長を務めた職員が就任するのが慣例です。

主計局が強いのは歳出予算の配分の細部まで決定できるからです。正確に言うと決定ではなく案を作るだけですが、TPPのように予算というのは「ガラス細工」なので国会議員が手を加えるのは事実上困難です。

つまり主計局が作成した予算配分を国会が承認(追認)するしかありません。

政策を実施するにはお金が要ります。

そのお金を付けるかどうか、つまり予算を付けるかどうか決めるのは財務省主計局です。

いくら環境省がCO2削減予算を付けたくても財務省主計局が「CO2が温暖化の原因になっている科学的根拠はないのにそんな無駄な予算はつけられない」と言えば政策はお蔵入りになります。

今回、文書書換問題が発覚したのは財務省理財局です。

理財局は「どのようにお金を集めるか」という「歳入予算」の部分を担当しています。

理財局は国債発行が主な仕事と見られがちですが、「どのようにお金を集めるか」の部分を担当しているので税の徴収を執行している国税庁とも関係が深いです。

しかしこの理財局というのは花形ではありません。佐川前国税庁長官は理財局長でしたが、理財局の局長は決してエリートコースではないのです。

つまり今回ダメージを受けるのは理財局と出先の財務局であり、主計局からみたら同じ官庁とは言え他人事でしょう。

主計局の職員も表向きは申し訳無さそうな態度を取ると思いますが、「私達は関係ない」という気持ちが強いと思います。

もし今回の問題が主計局で起こっていたとしたら、財務省は抜本的に雰囲気が変わっていたかもしれません。理財局など他の部局が無傷でも、主計局が文書書換で大バッシングを受けたらそれは確実に主計局以外の職員もショックを受けるはずです。

今後財務省の「立て直し」というものが表向き始まると思いますが、主計局は今回の件と関係ないので事実上なにも変わらないでしょう。