豊洲市場の地下水調査で発がん性のある毒物が高濃度で検出されたことで豊洲問題が泥沼化しています。就任直後に豊洲移転延期を表明し、小池百合子はその半年後に自らを窮地に追い込む藪蛇をやらかしてしまったということです。
今回の毒物検出については3つの可能性があります。
1.豊洲市場の地下に私的調査名目で立ち入っていた民進党・共産党員が故意に毒物を撒いた
2.1~8回目の調査をしていた業者が虚偽報告をしていた
3.今回(9回目)の調査をした業者が虚偽報告をしていた
ですがこの3つのうちどれに該当するかどうかということは重要ではありません。この3つどれに該当しても、小池百合子の”詰み”は確定しているからです。
石原慎太郎元都知事は既に民間人のため責任を問われない
小池百合子は元都知事の石原慎太郎の所為にしたいようですが、これは法令的にも常識的にもできません。
例えば福島第一原発事故の要因をつくったのは歴代の東電社長です。彼らは全員東大出身でした。
しかし、2011年3月に原発事故を起こしたときに東電社長をやっていたのは、めずらしく東大出身ではない慶応出身の清水正孝氏だったのです。
福島第一原発事故のとき土下座謝罪して頭を下げていたのは慶応出身のこの社長です。原因をつくってきたのは今までの東大卒社長達だったのに、慶応出身の清水社長は巡り合わせが悪いというかかわいそうというか非常に哀れでした。
さらに原発を爆発させたのは菅直人が専門家の意見をきかずしゃしゃり出たせいです。それでも、その後の震災対応の責任はその後の総理大臣が負っており、今の安倍首相もほぼ毎月福島まで足を運んで震災対応を行っています。
このように、何か問題が表明しても昔社長だったり知事だったり総理大臣だった者が責任を取るわけではありません。現在就任中の責任者が責任を取って謝罪なりをするわけです。
都政の場合これは常識や慣例ではなく法令で定められていることです。
だから石原慎太郎元知事はゼロ回答で完全に知らんぷりを貫き通しても何のお咎めもない状態です。それが当然だからです。
唯一処分されたのは豊洲移転に関わってきた現職の都庁職員です。なぜなら石原慎太郎元都知事と違って、今も働いている現職の都の職員(都庁公務員)だからです。
現職は責任を問われますが、既に辞めた元職は責任を問われません。さすが石原慎太郎氏は豊洲移転という地雷が炸裂する前のいいタイミングで国政に戻りうまく逃げ切ったといえます。
築地市場は耐震性なし 石綿(アスベスト)も使用 改築は不可能
2000年以前から築地市場の耐震性のなさとアスベスト問題が言われており、さらには改築ができるような建物ではないので移転は不可避でした。
その中で豊洲に決まったわけです。
つまり今の状態で首都直下型地震が起きたら築地市場は大量の犠牲者を出します。その責任を取って謝罪するのは小池百合子です。
そしてアスベストを含んで老朽化しているため抜本的な改築もできません。再築するなら一度解体しなければなりません。でもその解体と新設工事中の卸売市場は?というところで結局移転先問題からは逃れられないわけです。
今後仮に移転が中止したとしても、新たな移転先を見つけなくてはならないので降り出しに戻るだけ。また移転先を見つける作業を始めるという20年前に戻っているだけです。
東京で震災が起きたら2011年3月に東電社長だった清水正孝と同じく小池百合子は謝罪に追い込まれる
もし豊洲移転を中止して築地市場に居続けるという選択肢を小池百合子が選んだとしても詰みです。
総務省事務次官を務めていた桜井俊氏が都知事選への出馬打診を断固として拒否したのは、都政というのはこの先地雷しか無いことがわかっていたからです。
特に確実にやってくる首都直下型地震です。
首都直下型地震はいつくるか具体的な日付はわかっていませんが、むこう30年のうちに来ることは確実です。
こんな震災処理をやることになったら都知事は菅直人元総理のように袋叩きにされること必至です。
桜井元総務次官は自分のキャリアの晩節を汚したくなかったわけです。綺麗に事務次官で官吏としてのキャリアを終わらせるという意味ではとても有能な次官だったと言えます。
もし築地市場の間に首都直下型地震が起きて犠牲者が出たら、慶応出身の東電元社長のように謝罪することになるのは現職の小池百合子です。
ちなみに今学生で公務員を目指して「楽な」ところへ行きたいと考えている人は東京都職員(都庁職員)だけはやめておくことをおすすめします。公務員人生は40年ほど続きますから、震災対応で究極の激務に遭遇すること間違い無しです。そのような多忙ブラックな公務をして都民のために、とやる気のある人ならむしろおすすめですが、「楽をしたい」系の人にはおすすめしません。
豊洲に移転しない場合は新たな移転先をみつけ都の予算を浪費するだけ
さらに小池百合子は新たな移転先を見つけるという選択肢を選んでもも詰みになります。
東京都が主催者である東京オリンピックの予算ですら「都民の血税を節約しろ」と袋叩きにされているため、小池百合子は国に負担させようと躍起になっていますが、「オリンピックは地方自治体である東京都が招致したもの。国は東京都に要請されて応援しただけ。第一義的に負担するのは東京都」と国に正論を言われてしまい八方塞がりになっています。
これは豊洲移転問題でも同じです。
素直に豊洲市場のままにしておけば、豊洲の他にもう一つ市場をつくる必要もなくさらなる都税の無駄遣いで袋叩きにされることもなかったのに、就任直後に自ら藪をつついて蛇を出したのは小池百合子自身です。
本当に無能な知事だと思います。最後はパククネのような終わり方をするでしょうから今から期待しています。