私は配偶者控除を廃止することに賛成です。
ですがこの配偶者控除というのは、バリバリ働いている総合職女性vs.専業主婦女性という根深い対立が根底にあります。
日本はすでに夫婦共働きの世帯の方が増えていますが総合職かつ任期の定めなしといういわゆるフルタイムで働いている女性は20代の世代には多いものの40代以上ではパートタイムが未だに多く、フルタイムでない人にとっては配偶者控除は廃止してほしくないのです。
この総合職女性vs.一般受験女性の確執については、後日詳しく別掲します。
共謀罪見送りも衆院解散をにらんでいる
2016年中の臨時会で成立予定だった共謀罪が、臨時会が招集される前に先送りする旨を二階幹事長が表明しました。
共謀罪は特定秘密保護法と安全保障関連法と並んで不人気物件です。ちなみに私はこの2つの法律の成立も、共謀罪の成立も強力に支持しています。
世論調査ではこの共謀罪は不人気であることがはっきりしているので、衆院選前に成立させてしまうと野党に攻撃材料を与えてしまうことになります。ここはあえて先送りさせて、フリーハンドを得たあとにゆっくり成立させればいいものです。
2017年の常会がたとえ大荒れになっても来夏には参院選はないわけですし、1年も経てば共謀罪の成立なんて忘れられてしまうでしょう。
人気物件のTPP成立を成果に解散か
実はTPPというのは人気政策です。世論調査でも一貫して賛成派が60%を超えており、反対は高々30%です。反対してるのは個人農家か農協関係者くらいのものです。
世間一般の大企業や中小企業に勤めているサラリーマンからするとTPPはメリットしかないからです。経営者視点の経団連、経済同友会、日本商工会議所は賛成していますし、労働者視点の連合でさえTPPには反対していません。
つまりTPPに反対するのは農協や漁協くらいなもので、ほとんどの日本国民にとって得となるのがTPPなのです。さから世論調査でも賛成が多数になるのは当然であり、TPPを争点として解散すれば十分自民党は勝てます。
配偶者控除を議論するほど自民党支持率は下がる 思い切って衆院選以後に先送りを
配偶者控除は非常にシビアな問題です。配偶者控除の問題は、高学歴でキャリア志向の女性と、家でゆっくりしたい専業主婦志向の女性との間で熾烈なバトルが繰り広げられています。男性と女性の対立ではなく、女性同士の対立となっている問題なのです。だからこれについて議論し始めるとかならず熱狂的な賛同者と、熱狂的な反対論者が発生してきます。まさに藪蛇をつつく問題です。
だからこれは衆院選の前はちょっかいを出さないのが正しい戦略です。これを争点にして選挙戦に持ち込まれてしまうと紛糾間違いなしなので、配偶者控除廃止の議論はとりあえず今回の臨時会ではやめて、来年の常会からゆっくり議論していくのが自民党のためです。