先日読売新聞が「日本政府が北方領土の二島先行返還を容認する方向。複数の政府高官が明らかにした」と報道し大騒ぎになりました。
直後に菅官房長官が明確に否定していましたが、2016年10月3日の衆院予算委員会の答弁では安倍首相は明確に二島先行返還を否定しませんでした。
おそらく読売新聞の記事は正しく、日本政府は二島先行返還で決着をつけようとしています。
落とし所は四島の帰属は日本であると明文化すること
今の北方領土交渉の問題点は、四島が日本に帰属していることをロシアと明確に確認していないということです。
ロシア側は二島渡せばそれで終わりと思っています。だからその二島返還を日本政府は受け入れていません。もし二島渡してもらえればいいとしてしまったら、もう残り二島は未来永劫戻ってこなくなるからです。
だから今回の北方領土交渉では、四島が日本に帰属していることを明文化すること、これが必須です。なぜ明文化するかというとロシアは約束を守らない国であることが歴史的に判明しているので、しっかり法的根拠を残しておく必要があるからです。
四島の帰属が日本であると明文化できたら二島先行返還 でも択捉島は絶対戻ってこない
今回の衆院予算委員会での安倍首相の答弁でわかったように、日本政府は四島一括返還は既に諦めています。
四島の帰属確認と四島の一括返還は別物です。
まず四島が日本のものであることをロシアと明確に文書を交わす。そしたらまず二島を返還してもらう。残り二島は今後の世代に先延ばしといったところでしょう。そしてロシアと平和友好条約を締結するわけです。
つまり、四島全部戻ってくる前に平和友好条約をロシアと締結することになるわけです。これはかなり危険なことであることは明確なのですが、安倍首相はおそらく平和友好条約締結をやってしまうでしょう。
ロシアと平和友好条約と締結すると、ビザの薄給要件が緩くなります。つまり日本の治安が悪化します。しかも択捉島は戻ってこない。択捉島は軍港として最適な地形をしており、軍事上重要な島です。ロシアは手放さないでしょう。択捉島の帰属は日本にあると確認したところでロシアが将来的に返還するかといったら絶対しないと思います。
これが日本国民にどう受け取られるかであり、「二島返還で妥協しやがって」と国民が受け取ったら次の衆院選は自民党不利になります。
四島の帰属が日本にあるとロシアが認めたなら、日本人の常識からしたらいつかはロシアは残り二島を返してくれると思うでしょう。ですがロシアは常識破りをする国なので、絶対返ってこないと断言できます。