2020年の米大統領選でトランプ大統領が再選するのか気を揉んでいる人は保守層にも左派層にも多いです。しかしこれは大して重要なことではないことがわかります。
2019年7月14日の産経ニュースでこれに関するインタビュー記事が載っています。
今後の国際情勢を予測する上で非常に参考になるので、産経嫌いの左翼さんも目を通しておくことをおすすめします。
--米中首脳会談を機に対立は収まったのか
「トランプ氏は中国からの3000億ドル(約32兆円)分の輸入品への第4弾の追加関税は見送ったが、既に課した制裁関税は続けている。5月に事実上決裂した貿易協議を再開させる『小さなディール(取引)』をしただけで、対立の基調は変わっていない。中国による知的財産権の窃取や技術の強制移転に対する米側の不満は解消されておらず、対立が続く」
--貿易戦争で米国に経済的ダメージはないのか
「ダメージはある。ただ、多少のダメージはあっても緩和できるし、最終的に勝てるというのが米国の読みだ。例えば、中国は来年11月の米大統領選を念頭に、再選を目指すトランプ氏の急所である中西部からの農産物への関税を引き上げたが、同氏は農家に補助金を出すなど対策を講じている」
--中国と対立してまで米国が目指すものは
「世界トップの大国として覇権を維持することだ。超党派の政治家が『ここで対抗しなければ中国に覇権のバトンを渡しかねない』と考え、世論も支持している。覇権を譲らない程度に中国を牽(けん)制(せい)し、弱体化させるのが目標だ。トランプ氏は権威を好み、人権を気にかけないので中国共産党による一党独裁体制の転覆は狙っていない」
--トランプ氏の再選がなければ対立は和らぐのか
「むしろ深まるのではないか。トランプ氏はテレビ番組の司会者で不動産会社の経営者だった経歴が示すとおり、再選のために小さいけれども耳目を引く取引をまとめようとする、ショーマンとビジネスマンの要素を併せ持つ人物だ。国家の将来を重視するステイツマン(政治家)が大統領なら、より厳しい姿勢になる」
--「新冷戦」と呼ばれる対立は「熱戦」に発展しないか
「対立が覇権をめぐる争いである以上、安全保障に目を配る必要がある。中国はスプラトリー(中国名・南沙)諸島を軍事拠点化して手中におさめ、今や台湾や尖閣諸島(沖縄県石垣市)にまで手を伸ばそうとしている。台湾防衛は米国にとって譲れない一線だ。日本も尖閣諸島を渡さないし、日米同盟は強固だ。中国が『日米は座視する』と誤算して台湾や尖閣諸島に侵攻すれば、戦争へとつまずいてしまうかもしれない」
--日本はどうすべきか
「米中どちらかが攻防を諦めて覇権を譲らない限り、対立は終わらない。日本は軍事研究を忌避する考え方を改め、広く安全保障を論じられる環境を早急に整えるべきだ」
産経ニュース 2019年7月14日 https://www.sankei.com/premium/news/190714/prm1907140008-n1.html
重要なことはトランプ大統領だからこそ手加減してくれていて、今のシナはなんとかギリギリ生きながらえてるということです。
「トランプ大統領だから今の米政府はシナに強い圧力をかけていじめている」と勘違いしている左翼さんが多いので、ここは非常に重要な点です。
例えば共和党には大統領候補として若手のマルコ・ルビオ氏がいますが、この先5年後に彼が大統領になると今よりさらに容赦なくシナ虐めに拍車がかかります。
米シナ対立の出口戦略
さらにこの対立が終わるのはシナが敗北するか、米国が制裁を諦めるか、どちらかです。
一番あり得るのが「ソ連→ロシア」ルートです。つまりシナの財政破綻です。これが最も現実味のある先行きになります。
シナが財政破綻して今のロシアのような国になれば、米国は単にシナを軍事的に監視しておけばいいだけになります。今のロシアは米国との経済戦争で覇権を握ろうとする気概も力もないので、シナもそのような「低迷国家」に堕ちるシナリオが最も現実的です。それと同時にシナが今のロシアのようになんちゃって民主主義国家になることも考えられます。形だけの選挙はあるけれども不正選挙が横行しているのがロシアです。
米国とシナの対立が終焉するための手段としてもう一つあり得るのが戦争による勝ち負けが確定するシナリオです。
米国側から火種をつくるのに一番簡単なのは「台湾への米軍駐留」ですが、戦争が始まる要因がどこなのかはあらかじめわからないものです。開戦原因というのは今までの歴史からみてどの国の為政者も事前に予測できていません。過去の戦争は誰も予測していなかった、まったく予想外のところから始まっています。
どちらにしても明白なのは「最終的にシナが負ける」ということです。各個人としては、このときに経済的損失を被らないようにしておく必要があります。国レベルでやることは政府と議員に白紙委任で任せておけばいいだけです。どんなに日本政府が最善の手をうってくれても、各個人の行動が下手だと経済的に壊滅的打撃を受けます。
シナ株が含まれている新興国投資信託を買ってしまっている人は当然論外ですが、シナ経済に依存してしまっている企業に勤めている人も要注意です。優秀な企業なら最初から進出しないか撤退を開始していますが、戊辰戦争のときの会津の最期のように意地になって「絶対にシナから撤退しない」という凝り固まった企業も存在します(会津は降伏するという退路を明治政府軍から用意されていたにもかかわらず意地になって自らその退路を断ち集団自決を選んだ)。まずはあなた自身が「シナと心中したい」のか、「シナなんか切り捨てて自分の家族の生活を守ることを優先する」のか、そこをはっきりさせておく必要があるでしょう。