英国の世論調査でEU離脱派が残留派を10ポイント上回ったことで日本株式市場が暴落しました。
日本政府としてもおおまかに言えば残留支持であり、安倍首相は伊勢志摩サミットでもキャメロン首相の残留意見を支持していました。
英国のEU離脱は短期的には日本の株価を押し下げるでしょう。でもそれが長期的にどうかというと別に悪い話ではありません。
経済学のJカーブ効果は有名な話ですが、ドル円レートが円安にふれると企業の業績が一時的に悪くなるというものです。でもそれは一時的なものであり、長期的に見れば円安のほうが日本経済にとって良いのは金融市場関係者だったら異論を挟む人は居ません。「円高はいいこと」のように、本来とは真逆のことを言うのはNHKの論説委員くらいです。
そして経団連会長が離脱を支持していないのも興味深いです。
経団連は基本的に日本経済にとって不利であり、チャイナ経済に貢献する事項に賛成を表明します。
もし英国がEUを離脱するとドイツの孤立が強まります。そして歴史的に見ればドイツは常に孤立していました。
第一次世界大戦のときはドイツの孤立により日本は好景気を享受しました。日露戦争のときも英国とドイツの仲が悪かったために、同盟の打診が日本側に棚ぼた的にやってきたのです。当時英国は最初ドイツと同盟を組もうと思って打診しましたが無碍にされたので、日本に同盟を依頼してきました。そして当時基軸通貨発行国であった英国との同盟により経済成長を享受しました。
一方で第二次世界大戦のときは誤った外交判断によりドイツと同盟を組んでしまい甚大な経済的損失を被りました。
今も昔もドイツとチャイナは仲良しです。そしてこのことが日本の利益を侵害しています。本来なら日本は防衛費を社会保障や産業育成に使ったほうがいいのですが、ドイツがチャイナを軍事的にサポートするので日本も軍事費を増やさざるを得ない状況になっています。
つまりドイツは日本から離れているからチャイナほどの脅威は認識されていませんが、日本の経済にとってかなりの負のリスクをもたらしているのがドイツです。
EUの宗主国は紛れも無くドイツです。ならばEUが弱体化することは日本経済や株式市場にとって悪い話ではありません。
イギリスが抜けると次々に離脱者が出ていきEUは弱体化します。そして宗主国のドイツは再び孤立していくでしょう。
短期的にトレードしたいのならEU離脱で日本株を売っておけば良いと思います。
ですが長期的に株式投資するのなら、EU離脱確定で一気に株価が下がったタイミングで現物買いをいれてずっと寝かしておくだけで長期的には利益を享受できます。