2016年11月末時点での安倍内閣支持率60.7%、自民党支持率44.9%というのはだいぶ前の情報であり真新しさは全くないのですが、産経の書きっぷりが面白かったので再掲です。
「解散風は、かなり強い吹き方をしているという認識だ」
蓮舫氏は8日の定例会見で、記者から「1月解散との見方もある」と聞かれ、こう答えた。
強気な姿勢は崩さなかったが、安倍首相に「息をするようにウソをつく」と言い放った7日の党首討論は、「お前が言うな!」と評判最悪で、党勢回復にはつながりそうにない。選挙敗北は「代表辞任=失脚」に直結するため、内心はおびえているのではないか。
共同通信が11月末に実施した世論調査では、安倍内閣の支持率は60・7%で、自民党の支持率も44・9%。これに対し、民進党は消費税と同じ8%しかなかった。(夕刊フジ http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20161210/plt1612101530002-n1.htm)
民進党の支持率が8%くらいだというのは知っていたのですが、消費税率と同じという発想まではありませんでした。このように民進党をネタとして扱うのは面白いという意味ではいいのですが、これは諸刃の剣でもあります。
ヒラリー・クリントンはトランプを馬鹿にして侮ったから負けた
ヒラリー・クリントンの敗因は「あんなトランプのような人物に負けるわけがない」と侮ったのが全てです。ヒラリー・クリントン陣営はトランプ氏を「馬鹿にしていた」とも言えるでしょう。
オバマ大統領が米国のバラエティ番組に出演して「トランプ氏の顔をみると笑ってしまう」と馬鹿にしていたという米国発のニュースを見て、私は「これはオバマ、フラグ立てちゃったな」と思ったのは別掲した通りです。
選挙のような闘いは常に劣勢にあるかもしれないという危機感と飢餓感をもって臨まなければなりません。現状に満足してはいけないのです。当選確率が95%だったら96%を目指す。投開票日直前まで0.1ポイントでも当選確率をアップさせるよう飢餓感を持って不断の努力を続けた方が選挙は勝ちます。
油断したり調子にのったり馬鹿にしたり自慢し始めたら、大きな損失を計上することになるということは金融市場関係者なら経験則として知っています。
現在の安倍内閣支持率と自民党支持率を見て、野党を侮っていると自民党は必ず負けてしまいます。そういったフラグを立てないよう、「もしかしたら自民党は惨敗するかもしれない」と悲観的になって危機感を持つくらいで普段からいないとダメです。
今のように高い内閣支持率が出てしまうとそこから先あがるのが難しくなります。内閣支持率が高いことはこわいことでもあります。どうあがいても100%が上限だからです。内閣支持率が上がればあがるほど伸びしろが減り、下落する方向性に行く蓋然性が高まるからです。
早期の解散総選挙があるにしても投開票日は2017年2月頃でしょうから、まだ3ヶ月もあります。3ヶ月もあれば簡単に状況は一変します。その間に内閣支持率が少しずつでも低下して右肩下がりの印象を有権者に与えてしまうとヒラリー・クリントンの二の舞いになりかねません。
自民党においては「ヒラリー・クリントン敗北は他人事ではない」と肝に銘じて衆院解散戦略を立てるべきです。